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VOL.491 40代からの不妊治療方針を考える

2012年11月11日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.491 2012/11/11
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今月の特集 40代からの不妊治療方針を考える
・マイライフストーリー 第二回 調べてみよう
・お知らせ
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2011年11月11日 最新ニュース
適度な運動習慣は精液の状態やホルモン環境を良好にする
http://www.akanbou.com/news/news.2012111001.html
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2011年11月05日 編集長コラム
Sさんの"感謝ノート"のこと
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20121105.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今月の特集 Nov.2012_________________________________________________
 
40代からの不妊治療方針について考える
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妊カラの読者アンケートに回答いただいた方の平均年齢が40歳を超えるよ
うになってから3年になります。

そして、どの不妊治療クリニックでも、初診患者さんの平均年齢が、年々、
高くなっていて、たいていは30代後半、都市部では限りなく40歳に近づ
いていると聞きます。

そんな状況を反映して、最近、マスコミでも「卵子の老化」が盛んに取り上
げられるようになりました。

ところが、現実の問題として、30代後半、そして、40代になってから子
づくりをはじめようとするカップルで、不妊治療で妊娠を目指そうという場
合に、助けになる情報があまり発信されていないように思えてなりません。

そこで、今月の特集では、40代以上の女性、中でも不妊原因のない原因不
明不妊、すなわち、年齢による卵巣機能低下で妊娠しづらくなっている女性
が不妊治療を受けて妊娠を目指す場合の治療方針について考えてみたいと思
います。


━ なぜ、女性の年齢とともに妊娠しづらくなるのか

これは、もう、自然の摂理という他ありません。

一言で言ってしまうと、卵子の数が減り、質も低下してしまうこと。その結
果、「妊娠するだけの力が備わった卵子が排卵されてくる頻度が、年齢とと
もに、少なくなってしまう」からです。

これが主因です。

その背景には、女性の宿命と言うしかないメカニズムが働いています。

毎日、新しい精子をつくり続けている男性と違い、女性は生まれたときには
卵巣内にすべての卵子の元がすでに存在し、新たにつくられることはなく、
その後は減る一方で、出生時に40万個、月経が始まる頃には20万個、以
降は毎月数百個単位で減り続け、閉経時には1000個以下になると考えら
れています。

一方、残っている卵子も一緒に年をとることになり、その中には染色体異常
などによって質が低くなってしまう卵子が増えてくる、このような現象が卵
巣内で起こっているわけです。

つまり、卵巣内に残っている卵子の総数が減り、その中で妊娠できるだけの
質を維持している卵子の割合も低くなってしまうというわけです。

さらに、それ以外の年齢による老化現象、たとえば、卵管の働きの低下や血
流の悪化、酸化ストレスの増加などが、直接的、間接的に、妊娠しづらくさ
せてしまう頻度が高くなってきます。

このようなメカニズムの進行は、早いか遅いかの個人差こそあれ、避けられ
ないものです。


━ そして、それは、どの程度なのか

女性の妊娠する力は、20代前半がピークです。それ以降、徐々に低下して
いきますが、30代後半以降、急激に低下し、40代半ばでほとんど妊娠、
出産は困難になってしまいます。

一説によると、40歳時点の妊娠する力は、20代前半の頃のだいたい半分
以下になってしまうとされています。

一方、体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療の治療成績はどうでしょ
うか。

日本産婦人科学会による2009年の年齢別のデータでは、30歳で1回の
治療で出産する確率は約20%、35歳になると約17%、それが40歳で
は8%、41歳で5%、42歳で3.5%、43歳で2.4%、44歳にな
ると1.2%になってしまいます。

このデータは、たとえ、高度な不妊治療を受けても、年齢による妊娠率の低
下は免れないということを物語っています。

このように、40代から妊娠を目指すことは、確率的には相当不利であるう
えに、妊娠後は高齢出産になり、相応のリスクが伴うようになります。

であればこそ、不妊治療を受けるにあたって、それ相応の作戦を立てて臨む
必要があるわけです。


━ 原因不明(卵子の老化)の不妊では不妊治療に何を求めるのか

特別な不妊原因は見当たらないものの、40代という年齢による卵子の老化
が原因と考えられる場合、不妊治療に何を求めればいいのでしょうか?

体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療が進歩し、普及したことで、た
とえ、40代でも、なんとなく、不妊治療を受ければ、どうにかなるのでは
ないかと、漠然と考えている方は少なくないように思います。

そこで、高齢による不妊に対して、不妊治療に何が期待できて、何が期待で
きないのか、整理してみたいと思います。

まずは、もう一度、なぜ、女性の年齢が高くなると妊娠しづらくなるのかに
ついて確認します。

それは、卵子の数が減り、質も低下してしまうことによって、「妊娠するだ
けの力が備わった卵子が排卵されてくる頻度が、年齢とともに、少なくなっ
てしまう」、その上に、年齢を重ねたことによる老化現象によって、「妊娠、
出産を支える体内環境が悪くなっていることがある」からでした。

ここで理解しておかなければならないのは、根本的な解決策、すなわち、卵
巣内の卵子の数を増やしたり、卵子の質を高めたりすることは、現時点の医
療では、もちろん、あらゆる代替医療でも、不可能だということです。老化
の進行は逆転できないということです。

この、自然の摂理とも言うべき、大前提を理解しておくことがとても大切だ
と思います。

つまり、「卵巣内に残っている卵子で妊娠を目指さなければならない」とい
うことになるわけです。

さて、卵巣内には40代と言っても、理論的には、何万個もの卵子が残って
いる計算になります。

そして、その中には、妊娠するだけの力を備えた卵子もあれば、質が低下し
ている卵子もあります。それらの卵子がどれくらいの割合なのか知る方法は
ありませんが、これも、理論的には、妊娠するだけの力を備えた卵子のほう
が少数派と考えざるを得ません。

であれば、妊娠を確実にするためには、質のよい卵子が排卵されるように働
きかければいいのではないか、そう思います。

ところが、これも悲しいかな、質のよい卵子だけを成熟させ、排卵させるこ
とも不可能なのです。もっと言えば、毎月、1個の卵子(主席卵胞)が成熟
し、排卵するわけですが、そんな自然なプロセスにおいても、質のよい卵子
が選ばれて成熟し、排卵されるわけではないのです。

つまり、ランダムで、何の法則性も、規則性もないのです。

質のよい卵子、すなわち、妊娠するだけの力が備わった卵子が成熟し、排卵
されるかどうかは、たまたまで、私たちにはコントロールできないというこ
と。

これが、もう1つの理解しておくべき、大切な大前提です。

つまり、「運命の巡り合わせ」なわけで、ひたすら、「待つ」しかないので
す。

それでは、不妊治療は全く無力なのでしょうか?

そんなことはありません。根本的な治療、すなわち、卵巣内の卵子の数を増
やしたり、卵子の質をよくしたり、質のよい卵子だけを選別して成熟させる
ことは出来ませんが、妊娠の確率を高めることは出来ます。

それは、自然なプロセスでは毎月1個の卵子が成熟し、排卵されるのですが、
過排卵と言って、排卵誘発剤で複数の卵子を成熟させることによって、妊娠
するだけの力の備わった卵子に出会う確率を高くするという方法です。

排卵誘発剤を使って、タイミング法や人工授精では複数の卵子を排卵させ、
体外受精では複数の卵子を採卵し、質のよい卵子との「出会いの確率」を高
くします。

ただし、高齢不妊女性では、そもそも、卵巣機能が低下しているケースが多
いわけですから、排卵誘発剤を使っても複数の卵子が育たない場合もあり、
ここは個人差が大きいことも理解しておく必要はあります。

そうは言うものの、たとえ、卵巣機能が低下している場合でも、排卵誘発方
法を工夫することで、複数の卵子を排卵させたり、採卵したりすることが可
能なケースも少なくありません。

ここは、ズバリ、「ドクターの腕」です。高齢女性への不妊治療の経験が豊
富で、最新の生殖医療技術を駆使できるドクターにかかることです。

もう1つは、体外受精や顕微授精です。

もしも、妊娠できるだけの卵子に出会えた時に、たまたま、その周期に限っ
て、卵管の通りが悪かったり、卵管采がピックアップに失敗したり、さらに
は、精子の状態が悪かったりして、精子と卵子が出会えなくなったり、出会
えても受精しなかったり、受精後の受精卵が子宮まで到達出来なかったりす
れば、泣くに泣けません。

カップルが高齢になるほど、身体の機能も低下して、妊娠に至るプロセスの
環境が悪化しやすくなるからです。

ただ、これらのことって、女性のお腹の中で起こっていることなので、確か
めようがありません。

ですから、質のよい卵子が排卵されるという、とても貴重な機会に、確実に
妊娠できるように、可能なところまでは医療技術で補助しておきましょうと
いうことです。

体外受精や顕微授精は、本来は卵管障害や男性不妊を治療するための生殖補
助ですから、本当は必要のない補助なのかもしれませんが、念には念を入れ
るというか、保険をかけるという意味での補助と言えるかもしれません。

このように、原因不明の高齢不妊に対しては、卵巣内に残っている卵子で妊
娠できる確実性を高めるための生殖医療になります。1つは、排卵誘発剤で
複数の卵子を排卵させたり、採卵したりして、質のよい卵子に巡り会う確率
を高めること、そして、もう1つは、もしも、質のよい卵子に巡り会えた時
に、確実に妊娠できるように、体外受精や顕微授精で起こりえるかもしれな
い障害を取り除くことです。


━ 40代からの不妊治療の治療方針

原因不明不妊の場合、女性の年齢が比較的若ければ、原因がないのではなく、
原因がみつけることが出来ないと考えられることから、出来るだけ負担の軽
い治療で妊娠を目指す目的で、ステップアップ方式で治療を進めていくのが
一般的です。

40代と言えども、身体にかかる負担の軽い治療で妊娠するに越したことは
ないわけですから、基本的にはステップアップ方式になるわけですが、ただ
し、妊娠率の推移をみると、40代の1年は30代前半の数年くらいに相当
します。

ですから、残された時間を大切にする意味で、効果があまり期待できない治
療は避けるべきですし、同じ治療の回数も30代前半で勧められる回数の半
分か、3分の1くらいにし、早めにステップアップしたほうが得策です。

それでは、これまでの文献を参考にして、「原因不明で年齢による卵子の老
化が原因の40代女性で、不妊治療で妊娠を目指す場合」の治療方針を考え
ましょう。

まずは、大前提として、この場合に妊娠できるかどうかを左右する最大の要
因は、質のよい卵子が排卵されることです。そして、そのことはコントロー
ルできない、すなわち、どの周期になるか予測できないわけですから、治療
を受けていても、受けていなくても、いい卵子が排卵される可能性があるわ
けで、常に、タイミングを意識して性交することがとても大切です。

さて、治療ですが、一般的には、飲み薬の排卵誘発剤、クロミフェンを服用
し、タイミング指導や人工授精を受けることからスタートすることが多いと
思いますが、原因不明の40代の女性に対する効果はそれほど高くありませ
ん。反対に、年齢の影響で、妊娠を支える環境が悪化しやすくなっている上
に、頸管粘液が悪くなったり、子宮内膜が薄くなるという副作用が伴うと、
余計に不利になります。

そのためクロミフェン服用はそれほどの効果が期待できないため、避けるの
が無難です。

一方、注射薬の排卵誘発剤であるゴナドトロピン(HMG)で、しっかりと
卵巣を刺激し、複数(3~4個)の卵子を成熟、排卵させ、質のよい卵子が
排卵させる確率を高め、そして、より、確実を期して、人工授精を行います。

周期あたりの妊娠率は10%前後、出産率は5%前後と言ったところです。

この治療で、3周期を目安に、チャレンジします。

そして、これで妊娠に至らなければ、排卵誘発を伴う体外受精に移行します。

体外受精では、排卵誘発剤で卵巣刺激を行い、複数の卵子が採卵できれば、
質のよい卵子を出会える確率を高め、そして、1個か2個の受精卵を新鮮胚
移植し、余った受精卵を凍結し、子宮内膜の状態を整えたうえで、胚移植す
ることで、より妊娠のための環境を整えることが可能になります。

繰り返しますが、いずれの治療でも、卵巣機能(卵巣予備能)が低下してい
る中、卵巣を刺激しても1個の卵しか成熟しなかったり、また、卵の成熟も
困難であったり、強い卵巣刺激が困難なケースもあるでしょう。

その場合は、1個の卵子でチャレンジせざるを得なくなるわけで、質のよい
卵子に巡り会える確率を高めることは望めなくなり、治療効果は、もしも質
のよい卵子が採卵出来たときに、確実を期すことのみになってしまいます。


━ さいごに

高齢による卵子の老化が原因の40代女性にとっては、HMG+人工授精を
3回、それでも妊娠に至らなければ、しっかりと卵巣刺激をし、複数の卵子
を採卵し、体外受精、もしくは、顕微授精に臨むというのが基本になりそう
です。

もしも、43、44歳であれば、すぐに体外受精を受けてもいいかもしれま
せん。

卵子の老化に対する治療は、未だ、確立されていません。また、アメリカな
どの海外では、若い女性から卵子の提供を受けるという方法が現実的な選択
肢としてあります。

そのため、この治療方針は、あくまで、40代で、体外受精や顕微授精など
の高度治療の助けを借りてでも、妊娠を目指したいというカップルのための
ものです。

そして、最後の大前提として、高度生殖医療を繰り返したからといって、必
ずしも、全てのカップルが妊娠、出産出来るわけではないということです。

これまでの治療成績をみれば、5回繰り返しても、出産に至ることは出来る
カップルは半分に届かない確率です。

それに要する、肉体的、経済的負担と治療効果や確率を天秤にかけると、自
然妊娠の可能性もゼロではないわけですから、治療を受けずに、それにかけ
る費用を旅行などに使って、楽しみながら、表現は本当によくありませんが、
「駄目もと」で待つという考え方もあります。

そういう意味では、治療を受ける場合でも、予め、回数を決めておいて臨む
ことが大切なように思います。

高度治療と言えども、根本治療ではありません。そして、精神的には、「こ
れだけやった」という納得感を得るためのものという意味合いが大きいので
はないでしょうか。

決して、頼るべき手段ではありません。

だからこそ、信頼のできるドクターやスタッフとの出会いも大切でしょう。

この先生だったら、どいいう結果に終わろうとも、ふたりが納得できるよう
に思えるようになれれば、それこそ、理想的ではないでしょうか。

そして、妊娠、出産を左右する最大の要因は、「運まかせ」です。そして、
運よく、妊娠できるだけの卵子と出会うことが出来れば、その障害になるも
のは取り除いておくべきだし、さらに、健康に成育するための体内の環境を
整えておくことがとても大切でしょう。

そのために、バランスのよい食生活を心がけ、不足しがちな必須栄養素をサ
プリメントで補い栄養環境を整え、適度な運動と規則正しい生活リズムで血
流をよくすることです。

20代のカップルでも、40代のカップルでも、妊娠がゴールではなく、健
康なお子さんを出産し、育てることを見据えておくこと、そして、家族の幸
福な生活を見据えておくことが、一番、大切なことだと、私たちは思います。

---[文献]----------------------------------------------------------

What should be the first-line treatment for unexplained
infertility in women over 40 years of age - ovulation
induction and IUI, or IVF?
Reproductive BioMedicine Online 2009;19(4):4334-4347

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マイライフストーリー________________________________________________

・マイライフストーリーについて

マイライフストーリとは、私たちとご縁のあった方々に、赤ちゃん待ち期間
をどんなふうに過ごしたのかについて語っていただく、それぞれの物語です。

はんなさんのライフストーリーの二回目です。


第二回 調べてみよう________________________________________________

こんにちは。

前号からこちらで不妊治療の経緯を書いております、はんなです。

朝夕冷えて参りました。皆様風邪など召さずお元気でお過ごしでしょうか。

さて、今回は不妊治療を始めるきっかけについてお話しします。

仕事を辞めた私は、渡米の後単身赴任だった主人に合流し、初めての土地で
色々失敗しながらも徐々に生活が軌道に乗り始め、気持ちにも余裕ができて、
さあいつ妊娠するかと、わくわくしながら過ごしていましたが、一向にその
兆しも無く、そうこうしているうちに1年が過ぎました。

友人同士で集まると、その場に小さな赤ちゃんや子どもを連れてくる方が多
く、そうなると話題に決まってあがるのが子育ての悩みや幼稚園、学校のこ
と。

「よく分からない話でごめんね。」と気を遣われることも度々で、赤ちゃん
や小さな子供は可愛いし後学のためでもあるしとはじめこそニコニコと聞い
ていましたが、それを繰り返すうちに、彼女たちとテーブルを共にするのが
億劫になってきました。

でもそれを言い出すことも無く、知らずのうちにストレスが溜まっていたよ
うな気がします。

ある日、1歳の娘さんがいる友人Nとふたりで話していたときのこと。彼女
が高齢出産だったと聞き、「高齢でも羨ましい。私はなかなか赤ちゃんが出
来ないのよ。」と思わずぽろっと吐き出しました。

初めてのことでした。

するとNさんはあっさり答えてくれました。

「ならば病院で調べてみたら?もし原因があれば治療すれば良いし、なけれ
ばほっとするでしょ?私も悩んだ時期があって、産婦人科で調べたことがあ
るよ。私の場合は原因が無くて、人工授精をしながら鍼灸やよもぎ蒸しを試
しているうちに娘ができたの。」

そうか、調べたのか!

簡単なことなのに、なんとなくハードルが高く見て見ぬふりをしていた婦人
科。もしかして、行けば赤ちゃんが出来るのだろうか?Nちゃんにできたの
だから私にも??

そう思うと久々に明るい光が差したような気がして、気持ちが少し軽くなり
ました。

その後、彼女に検査の概要を聞き、自宅に戻ってから更にパソコンで一通り
調べました。

検査内容は、排卵しているかどうかのチェック、それにフーナーテスト、卵
管造影検査、そして夫の精液検査が一般的なようでした。

初めて聞く単語に戸惑いながらも、彼女に感謝しつつ希望を胸に、私はここ
アメリカでできることを探し始めました。

アメリカでは、どうやら日本のような国民健康保険が無く、保険会社のパッ
ケージを会社に手配してもらうか、或いは実費で加入するのが一般的なよう
でした。我が家は前者です。保険のコースによっては不妊治療まで保険適用
されることがあります。加入している保険会社の適用項目を辞書片手に必死
に調べたところ、ラッキーなことに婦人科検査から体外受精までカバーされ
ていました。

かと言ってどの病院でも治療できる訳ではなく、保険会社が提携している医
師でないと保険が使えません。

そこで、保険会社のホームページにアクセスし最寄の提携医を探したところ、
我が家から車で10分のところにあるOB-GYN (Obstetrics and gynecology産
婦人科の略)を見つけ、予約を取ろうとおそるおそる電話を掛けました。

アメリカ人医師なので覚悟はしていましたが、当然英語の受付でした。初診
のため保険の情報をこと細かく聞かれます。聞き慣れない内容で何度も問い
直し、その度に受付の女性も辛抱強く繰り返します。アメリカは移民の国、
言葉が不自由なのはよくあること、それにこの国では患者はお客様なので、
こちらの心が折れない限り、それほどじゃけんな扱いは受けません。

大汗をかきながら電話すること20分。

なんとか1週間後に予約を取ることができましたが、慣れない英語に慣れな
い内容。ぐったりです...。

帰宅した夫に顛末を伝えると、「おー、お疲れー。やったじゃない。まあ、
あんまり無理のないようにね。」との言葉。

優しくも、まだピンと来ていないような印象でした。無理もありません。こ
のときは私自身もこれからどんなことになるのか、全くピンと来ていません
でした。

今回はここまで。

次回は、ドクターによる検査と人工授精について書きます。

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はんなさんへのメールをお寄せください。
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運営サイト__________________________________________________________

私たちはお子さんを望まれるカップルを応援します。

▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://p.tl/ONvi

▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://p.tl/MJK1

▼医師がサポートするサプリメントセレクトショップ
→「ネイチャーズギフト」
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▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html

▼ツイッター
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://twitter.com/ninkara


編集後記____________________________________________________________

不妊経験や不妊治療経験は、時として、強いストレスを伴うもので、中には
軽いうつ症状を呈する方もいると言われています。

ただし、その場合でも抗うつ剤(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻
害薬)の服用は避けたほうがよさそうです。

アメリカの最新の研究でSSRIの服用は、妊娠率の低下だけでなく、流産
率の上昇、早産や妊娠合併症、お子さんの先天異常のリスクの増加に関連す
るとの報告があるからです。

もしも、ひどい落ち込みを感じるようなことがあれば、まずは、お薬の服用
ではなく、軽い運動やヨガ、リラクゼーション法など、安全で効果が証明さ
れている方法を採用すべきです。

抗うつ剤の服用は慎重の上にも慎重を期すべきです。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.491
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://p.tl/ONvi
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◎発行部数
・自社配信: 479部
・まぐまぐ: 4,783部
・合計部数: 5,262部(11月11日現在)
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