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VOL.494 妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?

2012年12月02日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.494 2012/12/2
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今週の内容__________________________________________________________

・ドクターに訊く:妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
・マイライフストーリー:第五回 治療中断、そして再開
・お知らせ
・編集後記


ドクターに訊く Dev.2012_____________________________________________

妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
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おしえて!ドクター、今回のテーマは、「妊娠しやすい思考」についてです。

"妊娠しやすい思考"というものがあるのだろうか?そんな素朴な疑問が今
回のインタビューのきっかけでした。

不妊治療では、どんな治療を受けるのか、どれくらい治療を続けるのかなど、
ふたりでいろいろな思いや考えを巡らせなければならない場面が多くありま
す。特に、体外受精が進歩、普及してからは、治療法やオプションが増えた
ことで、不妊治療は選択そのものと言っても過言ではなくなったように思い
ます。

そんな時に、後々、後悔のない、賢い選択をするには、どんなことに気をつ
ければいいのか、もっと言えば、より妊娠に近づける思考法のようなものが
あるのだろうか、そう思ったわけです。

妊娠しやすい身体のこと、たとえば、生活習慣のことはよく話題にのぼりま
すが、妊娠しやすい思考法についてはそれほど話題になることがありません。

もしも、「妊娠しやすい思考」というものがあるならば、何をおいても身に
つけておくべきではないでしょうか。

そこで、みむろウィメンズクリニック院長の三室卓久先生にインタビューを
お願いしました。

三室先生は、自ら患者さんとじっくりと話し合い、カウンセリング重視の姿
勢で日々の診療にあたっておられるからです。不妊治療に臨むにあたって、
妊娠しやすい思考というものがあるのか、もしも、あるならば、それはどの
ようなものなのか、これまでの先生の臨床のご経験から培われたお考えをお
伺いすることにしました。


━ 主体的にとりくむ

細川)今回のドクターに訊くは、「妊娠しやすい思考ってあるの?」をテー
マに三室先生にお話しをお伺いします。

まずは、そもそも、「妊娠しやすい思考」というものがあるのでしょうか?

三室先生)あると思いますね。不妊治療に臨むにあたって、女性特有の体の
仕組みや妊娠のメカニズム、検査や治療方法のことなど、知っておくべき知
識があるということはわかると思います。

細川)はい。

三室先生)ただ、不妊治療は妊娠というゴールにたどり着くのに、いくつも
の方法があるんだけど、どの方法を選ぶのかを決めるのは、医師ではなく、
患者さんなんです。だから、"自分たちはどうしたいのか"について、ふたり
でよく考える必要がありますよね。

細川)そうですね。

三室先生)もちろん、"お子さんが欲しい"ということなのですが、もしかし
たら、患者さんは「不妊治療を受けさえすれば妊娠できる」と、漠然と考え
ていらっしゃるかもしれません。けれども、生殖医療が進歩したと言っても、
限界があり、決して、万能ではないのです。それどころか、まだまだ、わか
らないところも多くて、こうすれば確実に妊娠できる方法を予め知ることは
難しいのです。

細川)はい。

三室先生)そのため、医者にまかせておけば、治療のベルトコンベアにのっ
ていれば、妊娠できるだろうという考えでは心もとないというか、後々、後
悔することになってしまわないわけです。ですから、ふたりが納得できる治
療を受けること、そして、そのために、 "先生まかせ"ではなく、ふたりで
主体的に治療に取り組むことが大事なのです。

細川)納得のいく治療を受ける、そして、そのためには主体性が大切だとい
うことですね。

三室先生)特に、最近のように患者さんの年齢が高くなるにつれて、卵子の
老化が主な不妊の原因になってくると尚更のことです。残念ながら、卵子の
老化に対する効果的な治療法はありませんので、少しでも妊娠の確率が高く
なるようなアプローチを試みます。それぞれの患者さんにあった方法を選択
するのですが、その際には、患者さんの身体の状態だけでなく、おふたりが
"どうしたいのか"ということが大切な要素になってくるのです。

細川)よくわかりました。

三室先生)また、妊娠する力は、ライフスタイルにも左右されます。

細川)そうですね。

三室先生)ですから、すべて治療頼みではなく、自分たちのライフスタイル
を見直すことも大切です。

当院では、不妊治療のスタートにあたって、知っておくべき情報を提供する
とともに、患者さんとよく話し合ったうえで、治療の方針を決定しています。

細川)主体的にとりくめるような環境を整えていらっしゃるわけですね。

三室先生)そういうことです。


━ ふたりが同じベクトルをもつ

三室先生)ふたりが納得のいく治療を受けたり、ライフスタイルを見直した
りするうえで、ふたりでよく話し合い、協力しあうことが大切なのは、当然
のことですよね。

細川)そうですね。

三室先生)ところが、「夫がわかってくれない」とか、「協力的でない」と
いう声をよく耳にすることも、また、現実です。

細川)はい。

三室先生)ただ、よくよく考えてみると、動物としてのオスとメスは子孫を
残すうえで、その役割が違うのですね。

そのことを忘れてはいけないと思うんですよ。

細川)オスとメスの違い。

三室先生)そうです。ほにゅう類は、子孫を残すうえでメスの負担が大きく、
排卵し受精してからも、子宮で胎児を育て、産んでからも赤ちゃんに母乳を
飲ませます。そもそも、ほ乳類は、子づくりにおいて、オスメスの役割は極
端に不公平に進化してしまったのです。

細川)なるほど。

三室先生)ですから、お互いにわかるわけがないのですよ。

細川)わからなくて当たり前だと。

三室先生)当然です。オスとメスは違うということを認識することから始め
るべきだと思うんですよ。

細川)はい。

三室先生)ただ、誤解しないでほしいのは、そういうふうになっているから
我慢しろと言いたいわけではないということ。

そうではなくて、まずは、ほ乳動物としてのオスとメスでは担っている役割
や本能が違うということを認識し、受け入れた上で、どのように不妊治療に
臨むのかをお互いに話し合い、考えるわけです。

細川)本能の違いを理性で補えと。

三室先生)そうです。お互いに同じ意識を持つことを求めるのではなく、役
割や本能が違うオスとメスが、どのようにタッグを組めばいいのかを考える
のです。ふたりのベクトルを合わせる、すなわち、役割と意識は違っても、
新しい家族を迎えたいという思いや方向を合わせるのです。

細川)違うことを嘆くのではなく、違うからどうするのかを考えるというこ
とですね。

三室先生)そうです。


━ 幸せになれることに絶対の自信をもつ

三室先生)不妊治療は出口の見えないトンネルだとよく言われますよね。

細川)はい。

三室先生)先が見えないという意味ではその通りなんだけど、実際のところ、
なぜ子どもが欲しいのか、よく考えてみて欲しいんですね。

細川)はい。

三室先生)結婚して何年たったからそろそろ、なんていうのは全くの表面的
な理由であって、今、ふたりが幸せだからでしょ?

細川)そうですね。

三室先生)もしも、別れようと思っていれば、子どもが欲しいとは思わない
じゃないですか。

細川)はい。

三室先生)そもそも、なぜ結婚したのか?子どもをつくるためじゃなくて、
一緒にいたいと思ったからでしょ。

ふたりが出会って、ずっと一緒にいたいから結婚して、そして、今のしあわ
せな生活があるからこそ、子どもを望むようになったわけですね。

だったら、不妊治療は、ふたりで生活をこうしようとか、あそこに旅行しよ
うとか、こんな生活をしようというのと同じことなんですね。

そんなふうにふたりで相談しながら、協力しながら、やらないと現実になる
わけがないのです。家族計画って言うでしょ、家族計画の目的は家族全員の
幸福なんです。それを実現するためのステップとして不妊治療があるのです
から、授かるかどうかの見通しは立ちにくくても、決して、出口が見えない
とか、出口がないなんてことはありえないわけです。

細川)なるほど、よくわかります。

三室先生)ですよね。実際に、これまでの経験で言えば、自分たちは幸せに
なるんだ、なれるんだという絶対的な自信をもっているカップルほど、妊娠
しやすいところがあるように思います。

細川)ああ。

三室先生)そこを忘れてしまって、ついつい、子どもが欲しいとか、妊娠す
ることだけにフォーカスしてしまいがちなんですね。大切なことを忘れて欲
しくないですね。

細川)今日は、本当に希望のもてるお話しをお伺いすることが出来ました。
ありがとうございました。


[三室先生プロフィール]

みむろウィメンズクリニック院長。医学博士。日本産婦人科学会専門医。
1986年聖マリアンナ医科大学卒業後、東京女子医科大学産婦人科にて臨
床研修。医学博士学位取得後、オーストラリアのシドニー大学教育病院ウェ
ストミードホスピタル不妊センター留学、聖マリアンナ医科大学産婦人科講
師を経て、2006年みむろウィメンズクリニック開院。

▼みむろウィメンズクリニックサイト
http://mimuro-cl.com/

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


マイライフストーリー________________________________________________

マイライフストーリとは、私たちとご縁のあった方々に、赤ちゃん待ち期間
をどんなふうに過ごしたのかについて語っていただく、それぞれの物語です。

はんなさんのライフストーリーの五回目です。


第五回 治療中断、そして再開_________________________________________

こんにちは、はんなです。寒くなってまいりましたが、皆様お元気でお過ご
しでしょうか。

さて、初めての人工授精に失敗した私は、ドクターPから2回目をすすめら
れましたが、英語での治療疲れと妊娠出来なかったショックで、暫く何もせ
ずしょんぼり過ごしました。

その後も、当時、就職活動を始めたのと、卵管造影テストの後で妊娠し易く
なっているはず、との思いがあり、不妊治療はお休みすることにしました。

そんな折、主人の友人とその奥さんのAさん、3歳の娘さんと我々夫婦の5
人で食事をしました。その席でAさんが「オーラ」について話し出しました。

彼女はアメリカで教職につき、教えつつそういったスピリチュアルな世界に
傾倒しており、そのギャップが面白く、話に聞き入りました。

Aさんには日本人の「先生」がいるそうで、彼女はその「先生」のセッショ
ンに定期的に通っているとのことでした。

「セッションでは私のオーラを見てくれて、その状態やこれからのことにつ
いて説明してくれるの。私は将来もうひとり子供が出来るみたい。楽しみだ
わ。私も少し見えるようになってきたのよ。はんなさんのオーラはパールっ
ぽい色で、女性らしい柔らかい感じね。

それまで占いなどは経験したことが無く、そんなことを言われたのは初めて
で、ほお、へえ、と面白く聞き入りました。

Aさん達と食事に出かけてから数日後、就職活動先から、ビザの関係で今回
は雇用を見合わせたいとの連絡が来ました。追い打ちをかけるように、次の
サイクルも生理が来てしまいました。

再び落ち込む私。

子どももいなくて仕事もさせてもらえなかったら、一体どうやって毎日過ご
せばよいの?

夫にその気持ちを話しますが、彼も出張が続き、私とじっくり話す時間がと
れません。唯一治療のことを話していた先述のNさんも、自身のお子さんの
幼稚園の手続き等で忙しく過ごしており、結局誰にも話ができずにいました。

そんなとき、「先生」の話を思い出しました。

気分転換?もしや助言が得られるかも?そんなことを思い、Aさんから貰っ
た連絡先に電話してみると、三か月後に個人セッションをしてもらえること
となりました。

1セッション300ドル!

私も思いつめていたものです。

さて三か月後。

その間もタイミングを合わせてトライしていたもののやはり妊娠せず、重い
気持ちで「先生」の事務所を訪れました。

「先生」は中年女性で、おそらくこの職業に特有の、話し上手で同時に相手
の言いたいことを素早く理解する能力に長けているように見受けられました。

彼女に聞きたかったことは二つ。

この異国の地で仕事はできる?そして、赤ちゃんを授かることはできる?

彼女は両方とも、大丈夫、と太鼓判を押した上で、細かなアドバイスをして
くれました。要約すると、前者については具体的な場所を挙げ、そこで働い
ている貴方が見えます。後者については、今の努力を続ければ、1年以内に
できると思う、とのこと。

悩みを吐き出せたこと、それに一年という区切りをつけて貰えたこと(これ
も今思えば何の根拠も無かったのですが)に、再び希望がわいてきました。

実際その後仕事が決まり、週に3日通うことになりました。

そして妊娠はできないまま1年が経ちました。毎サイクル、排卵チェッカー
を使いタイミングを取っていたのですが、生理を繰り返す毎に、自然にでき
たらという希望は消え失せていきました。かと言って再び病院に通うのも億
劫で、目の前の仕事に没頭しておりました。

一方、時間が経ち、「先生」のところには先の一度きりで、行くことはあり
ませんでした。時間が経ち落ち着いてみると、少なくとも仕事ができたのは
彼女のスピリチュアル的な力ではなく、自分自身の運と能力とやる気、それ
に周りのサポートのお蔭だったな、と実感したのです。

ちょうどこの頃、アメリカ国内で引越しをしました。

新居の近所には日本人のコミュニティーがあり、私はその中のRさんと親し
くなりました。彼女は江戸っ子、乳児含む3人のお子さんがいる元気なママ
でした。

そういった訳で、Rさんとの会話にはどうしても赤ちゃんや子供が登場しま
す。ある日、私も欲しいんだけどね、とぽそっと呟いたところ、彼女はこう
言いました。

「もし他にアテが無ければ、私が出産した(彼女はアメリカで第3子を出産
された)OB-GYNを紹介しようか?はんなさんの家から近いし、女医さんでま
あまあよかったよ。何か調べたり質問くらいならできるかもしれないしね。」
Rさんはそう言って、手帳からお医者様の名刺をくれました。

人工授精が失敗してから1年3か月。私は34歳になっていました。仕事は
そこそこ順調でも、このまま流産はおろか一度も妊娠できずに年齢を重ねて
いくのが不安でしょうがありません。

オーラよりは医学。

もう一度治療に、今度はもう少しきちんと向かい合う、これは良いきっかけ
かもしれない。

私はそう思い、貰った名刺に連絡をしてみることにしました。

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お知らせ____________________________________________________________

「おしえて!不妊ナビ」のスマートフォン対応について
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大変お待たせいたしました!12月3日から、docomoのスマートフォンでも
「おしえて!不妊ナビ」をご利用いただけるようになりました。

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トになり、2012年12月3日以降、スマートフォンへ機種変更後もサイト
のマイメニューは引継ぎされ、引き続き、当サイトをご利用いただくことが可
能となります。

現在すでにdocomoのスマートフォンをご利用の方は、新たにマイメニュー登
録をお願いいたします。

■アクセス方法
dメニュー>メニューリスト>住まい/生活情報/恋愛/育児>出産/育児

auとsoftbankのスマートフォンにつきましては、順次対応を行う予定ですの
で、また対応可能になりましたらご案内させていただきます。

ご迷惑をお掛けいたしますが、もうしばらくお待ちいただきますようお願いいた
します。


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私たちはお子さんを望まれるカップルを応援します。

▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
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▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
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▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html

▼ツイッター
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://twitter.com/ninkara


編集後記____________________________________________________________

12月がスタートしました。

寒さが一段と厳しくなる、これからの季節ですが、冷え対策の本質は冷えに
くいカラダをつくることで、その基本は食事と運動です。

あたためることは大切ですが、常に、こたつを持ち歩くわけにはいきません
からね(笑)。

体内の熱の産生と伝導効率を高めることに尽きるかと思います。

三室先生のインタビューの中で、「自分たちは幸せになるんだ、なれるんだ
という絶対的な自信をもっているカップルほど、妊娠しやすいところがある
ように思う」というお話しが、強烈に印象に残っています。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.494
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://p.tl/iRvz
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◎発行部数
・自社配信: 536部
・まぐまぐ: 4,757部
・合計部数: 5,293部(12月2日現在)
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