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VOL.495 これでいいのだ!

2012年12月09日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.495 2012/12/9
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・編集長コラム これでいいのだ!
・マイライフストーリー 第六回 手当り次第
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2011年12月6日 最新ニュース
男性の精子濃度が17年で32%減少
http://www.akanbou.com/news/news.2012120601.html
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2011年12月4日 ドクターに訊く
妊娠しやすい思考ってあるのでしょうか?
http://www.akanbou.com/doctor/interview11/
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集長コラム Dec.2012_______________________________________________
 
 これでいいのだ!
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子どもをあきらめた途端に授かったとか、治療を休んだ途端に妊娠したとい
う話しは、本当によく聞きます。

「妊娠」というのは、まるで、追いかければ追いかけるほど、逃げていって
しまうかのような、そんなところがあるようです。

妊娠、出産は誰にでも備わった"当たり前な身体の働き"です。

ところが、あきらめた途端授かったというようなことを、繰り返し、目の当
たりにすると、新しい命を授かるかどうかは、"不妊原因があるかないか"、
"不妊原因が取り除かれているかどうか"ということだけでなく、"身体の
状態が授かる状態にあるかどうか"、すなわち、"身体の状態が新しい命を
育める状態にあるかどうか"ということも大切な要素なのではないかと考え
ざるを得ません。

そして、自分の身体でありながら、その状態を自らの意志でコントロールで
きないどころか、コントロールしようとする意志が強くなればなるほど、授
かりにくくなってしまう、そんなところもあるように思えてしまいます。

本当に悩ましい限りなのですが、考えてみれば、身体に備わっている"当た
り前な働き"というものは、そもそも、自らの意志でコントロールできない
ようになっているようです。

生命活動の源である心臓の鼓動や全てのホルモンの分泌、免疫活動、そして、
生殖器官の働き、しかり、です。

そして、それは、私たちの身体を構成している約60兆個の細胞は私たちの
意志とは無関係に、自律神経が調整しているからです。

自律神経には交感神経と副交感神経があって、それぞれは、正反対の働きを
して、お互いに綱引きをしながら、身体の働きや状態を調整しています。そ
して、交感神経は活動時に、副交感神経は休息時に優位になると言われてい
ます。

つまり、妊娠しようと頑張っている時には、妊娠しなかったというのは、交
感神経優位な状態が続き、身体が妊娠しよう、新しい命を育もうとする働き
を抑制していたからであり、頑張らなくなった、頑張ることを止めたら、授
かったというのは、交感神経と副交感神経が本来のバランスを取戻し、身体
が新しい命を育もうとする働きが正常化したからだと考えられるわけです。

実際に、免疫学者の新潟大学大学院医学部の安保教授によりますと、交換神
経の緊張が続くと、血流障害が起こりやすくかったり、顆粒球が増加し、活
性酸素の大量発生を招き、炎症を起こしやすくなったりすると言います。そ
のことは、卵の正常な成育や子宮内の着床環境の障害になる可能性がありま
す。

過度な「妊活」、すなわち、妊娠のために頑張り過ぎるのは、自律神経のバ
ランスに影響を及ぼし、かえって、妊娠しにくくさせる危険性をはらむわけ
です。

ポイントは、私たちのココロの状態とカラダの状態をとりもってくれている
「自律神経」に働きかけることのようですが、そのためには、私たちが、つ
いつい、「頑張り過ぎてしまう」根本の原因に目を向けることが、最も大切
なことだと思います。

私たちはこう考えます。

「妊活」とか、「妊娠力」、「妊娠法」という言葉は、妊娠するためには、
何か特別な力が必要で、そのためには「何か特別なこと」をやれなければい
けない、という誤解を招いてしまい、自分を不必要に追い立ててしまうので
はないかと。

そもそも、妊娠や出産は、私たちの身体に備わった当たり前な働きであり、
決して、特別なものではありません。

また、妊娠することは、新しい命が女性のお腹の中で育まれるはじまりであ
り、何かが成就されるわけでもありません。

もっと言えば、妊娠は一つの通過点にしか過ぎないわけです。

見つめるべきは、通過点(妊娠すること)よりも、全体(新しい命を育むこ
と)であり、妊娠する力というよりも、すこやかな命を「育む力」と捉える
べきではないでしょうか。

もちろん、妊娠を妨げているものやことがあって、それを取り除くために、
「特別なこと」が必要な場合もありますが、その場合でも、その後に必要と
されるのは、健康ないのちを育む力です。

私たちが今年出会った「メディカルヨガ」の岡野朋子先生にいただいたアド
バイスは、「自己肯定感を高める」ということでした。

自己肯定感を高めることが、副交感神経を活性化させ、交感神経と副交感神
経のバランスをよくするというのです。

世間の言葉に煽られることなく、そして、自分を不完全な状態と捉えたり、
自分を責めたりするのではなく、自分を認め、許し、受け入れ、大切にする
ことこそ、自分の中の育む力を養う、そう信じます。

そこで、私たちからの提案です。

事あるごとに、自分に向って、「これでいいのだ!」と言ってあげましょう。

子どもをあきらめた途端に授かったり、治療を休んだ途端に妊娠するという
ことは、"授かる状態"、すなわち、"新しい命を育める状態"になるには、
本当にちょっとしたココロの持ち方次第であるという証拠ではないでしょう
か?

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↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/

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マイライフストーリー________________________________________________

マイライフストーリとは、私たちとご縁のあった方々に、赤ちゃん待ち期間
をどんなふうに過ごしたのかについて語っていただく、それぞれの物語です。

はんなさんのライフストーリーの六回目です。


第六回 手当たり次第________________________________________________

こんにちは、はんなです。
冬到来ですね。皆様暖かくお過ごしでしょうか。私の最近のお気に入りは、
インドのお土産で頂いたマサラティー。スパイシーな香りで、ふつうのお茶
よりも暖まる気がして、朝の定番になっています。

さて、一年以上のブランクから一転、治療再開です。

最初の人工授精のときとは違い、このときの私は不妊治療にすっかりのめり
込んでいました。

そんな私が片っ端から手を付けたことを、今回は書いてみます。

●化学治療の再開

前回の通り友人Rさんから紹介されたOB-GYN(産婦人科)のJ医師を訪ねまし
た。人工授精後の下腹部の痛みが続いていたので、ドクターJに、子供が欲
しい旨と同時に、そのことを相談しました。

ドクターJは内診の後、子宮も卵巣もきれいでおかしなところは無いと思う、
痛みは排卵痛かもしれない。不妊治療については私よりも専門医が近くにい
るから、そちらに紹介してあげようと言われました。

専門医の施設は我が家から車で5分。予約当日、高層ビルの3階にあるクリ
ニックへ主人と共に向います。

ドクターLは初老の男性で、前回のドクターPとは違い、包み込むような笑
顔で事細かに説明してくれました。

貴方はまだ若いし(前回も同じことを言われた...)、AIH(人工授精)もま
だ1度きりなら、とりあえずこちらで再開してみませんか。

治療の意志はふたりとも固まっていたので、まずはドクターLのすすめ通り
にやってみようと決めました。

その後は前回と一緒です。夫は精液検査、私は再度卵管造影検査を行います。
次の月経が始まるのを皮切りに、クロミッドを飲み始めました。

それが新たな問題の始まりでした。

薬を飲み始めて2日目、その日は友人を連れ車で移動しており、その帰り道、
私は突然めまいに襲われました。しかも高速道路を運転中!そこは悪路で、
路肩に止まるとかなりの確率でパンクします。家までインターひとつで、彼
女らを心配させまいと何も言わず自宅まで運転しました。

その判断が正しかったかはさておき、何とか辿り着いた私は友人と別れ、ベ
ッドに倒れ込み、病院に電話をしました。看護師は、薬の服用を止め、翌日
来院するよう言いました。

翌日、クリニックへ行き症状を訴えると、薬の副作用であろうとのこと。服
用は止めましたが、人工授精はやってみましょうと言われました。副作用で
苦しみ、動揺した上での人工授精。案の定、失敗に終わりました。

また涙が出ました。

●漢方

日本へ1週間、一時帰国をした折に母と街を歩いていると、とある薬局の看
板が目に入りました。そこは漢方専門薬局。中に入るとイケメンの薬剤師が
応対してくれました。NHKの番組に出たこともあるという、なかなかの有
名人のようです。

その薬局は母の実家の近くで、近しい場所だったこともあり、薬剤師含め3
人でなんとなく話が弾み、そのまま薬剤師に「舌診」をしてもらいました。

彼曰く、身体に水が溜まり冷えていて妊娠できないとのこと。漢方を続けれ
ば、3~4か月で身体の調子が良くなりますよ、との話でした。

処方されたもの全て揃えるとなかなかのお値段。迷いましたが、西洋医学の
治療と併用すれば効果があると言われ、お財布のひもが緩みました。某メー
カーの「婦宝当帰膠」はじめ3点を3か月分求め、試してみました。

確かに身体が暖まる気がしましたが、それだけと言えばそれだけ。

当たり前ですが、ハッキリと分かりやすい体調の変化などは無いまま、処方
された分はいつの間にか飲み切ってしまいました。

●鍼灸

当時通っていた英会話学校の講師Mは私のよき相談相手。彼女はある日言い
ました。私の娘は中国人の鍼灸に通っているの。そこは不妊治療で有名なの
よ。紹介しようか?

良い情報に飛びつく私。

前々回の「先生」がちらと頭をよぎりましたが、話を聞くだけと思い、紹介
してもらうことにしました。

鍼灸師Lは上海出身の移民で、高級住宅街にあるマンションに診療所を構え
ていました。舌診と脈を診てもらい、日本のイケメン薬剤師とほぼ同じこと
を言われました。

「水」に偏った状態ね、身体を温める施術をしましょう。経験からいくと、
6~7ヶ月で貴方も妊娠するわよ。

そこでは鍼灸と同時に、生の漢方を処方します。

漢方を煎じるのと保険申請の手続きが煩わしいため躊躇しましたが、ちょう
ど日本から持参した漢方を飲み切ったところだったので、ドクターJの治療
の合間に週一度、通うことにしました。

気づけば4か月通い続けましたが、少し体が軽くなったかな、位の感じで、
何も起こらないままでした。

こうして、仕事の合間の時間は殆ど不妊治療に充てられました。

これまでの人生、努力すればある程度の結果は出せてきた。ここまでやれば
何とかなるかもしれないし、後悔は無いだろうという気持ちでした。

でも何の結果も得られず、後悔無いどころか、益々、どんよりした気持ちで
毎日が過ぎていきました。

一方、反省すべきは家のこと。治療で頭がいっぱいで、今にして思えば夫は
おいてけぼりでした...。

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編集後記____________________________________________________________

以前から男性の精子は減少傾向にあるとの研究報告がいくつなされているこ
とは、ご存知の方もいらっしゃると思います。

ただし、そもそもの話し、精液検査は血液検査のような誰もが定期的に受け
る検査ではありませんので、調べる方法が限られているために本当のところ
は知りようがないところがありました。

ところが、一昨日、フランス衛生監視研究所が約2万6000人のフランス人男
性を対象に調べた結果が発表されて大変な話題になっています。

それは、この17年間で精子の濃度が32%も減っているというもので、毎年、
1.9%の割合で減っていることになります。

さらに、正常な形態の精子も33.4%減っているとのこと。

調査はパートナーの女性が卵管障害で体外受精を受けた男性を対象にしてい
ることから信ぴょう性が高いと考えられているようです。

原因は、もちろん、不明ですが環境ホルモンの影響が最も有力です。

社会的な環境だけでなく、生活習慣などもあるようです。

日本人男性のことはわかりませんが、同じ傾向にあるかもしれません。

自分の精子は自分で守らなければならない時代になったと言えるのかもしれ
ませんね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.495
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://p.tl/qUiu
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・合計部数: 5,292部(12月9日現在)
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