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妊娠しやすいカラダづくり No.512 2013/4/7
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今週の内容__________________________________________________________
・今月の特集（１） ミトコンドリアで働く栄養素を補充する
・編集後記
今月の特集（１） Apr.2013___________________________________________
ミトコンドリアで働く栄養素を補充する
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アメリカ生殖医学会誌「Fertility and Sterility」の２０１３年１月号の
巻頭特集のテーマは、「卵子や精子の老化」でした。
その内容は、年をとるにしたがって、ホルモンの分泌バランスが変化したり、
生殖器官の機能が低下したり、そして、なにより、卵子や精子そのものの老
化によって、妊娠しづらくなっていく中で、そのメカニズムを探りながら、
いかに妊娠の可能性を高めるべきか、というものです。
もはや、「卵子の老化」は先進国に共通の関心事のようです。
さて、もちろん、卵子そのものを若返らせることは出来ませんが、そんな中
でも、「出来ること」、「やってみる価値のあること」は、あるようです。
時間やお金は有限なので、後々、後悔しないためにも、科学的な根拠のある
ことに取り組むことが大切です。
そこで、アメリカ生殖医学会誌の特集記事の中から、セルフケアで実践可能
なテーマをピックアップして、この号から何回かに渡って、取り上げてみた
いと思います。
まずは、「ミトコンドリアで働く栄養素を補充する」ことからです。
━ ミトコンドリアの働きの低下
女性が年をとると、うまく育たなくなる卵子が増えてくるのは、卵細胞内の
ミトコンドリアの働きが低下することが主な原因ではないかとこれまでの研
究から考えられるようになっています。
ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを生み出している器官なので、エネル
ギー不足が、卵子の成熟や受精後の発育の障害になってしまうというわけで
す。
顕微鏡でしか見ることの出来ない小さな、小さな、卵子の元の細胞が、一人
の人間にまで成長するわけですから、それはもう莫大なエネルギーが必要に
なるであろうことは、誰にでもわかります。
それに加えて、活性酸素によるダメージの蓄積があります。
ミトコンドリアでエネルギーをつくる際に、活性酸素が発生し、細胞内のさ
まざまな物質やＤＮＡを傷つけてしまう危険が伴うのですが、通常、抗酸化
酵素がすぐに活性酸素を無毒化しています。
ところが、年をとることで、ミトコンドリアの働きが低下すると、活性酸素
の発生量が増え、反対にそのダメージを消去する抗酸化力が低下してしまい、
このことも卵子の質を低下させてしまう原因になり得るということです。
そのため、現在、卵子が正常に成熟し、妊娠の確率を高めるために、ミトコ
ンドリアの働きの低下をなんとか出来ないかという研究が進められているわ
けです。
━ ミトコンドリアで働く栄養素の減少
ミトコンドリアでは食べて摂り入れた糖質や脂質を分解し、代謝して、エネ
ルギーをつくっているのですが、そこでは、さまざまなたんぱく質や酵素、
補酵素、ビタミン、ミネラルが働いています。
そして、ミトコンドリアの働きが低下してしまうのは、身体がそれらを十分
な量とバランスで揃えることが難しくなっているからではないかと考え、中
でも、ミトコンドリアでエネルギーをつくる最後のプロセスで不可欠な役割
を担っているコエンザイムＱ１０をはじめとするミトコンドリアで働く栄養
素が注目されています。
コエンザイムＱ１０やアルファリポ酸、Ｌカルニチンは、エネルギー産生に
関わるだけでなく、強い抗酸化作用を有し、活性酸素を発生した途端、無毒
化しています。
実際に、体内でのコエンザイムＱ１０濃度は年齢とともに低下していくこと、
そして、もしも、正常とされている量から２０％少なくなると、エネルギー
産生効率が低下すること、さらに、３０～４５％の低下では、エネルギー産
生効率の悪化だけでなく、抗酸化力の低下を招き、活性酸素によって細胞が
受けるダメージが増加することが確かめられています。
そして、試験管内の試験では、コエンザイムＱ１０の補充が線維芽細胞のエ
ネルギー産生効率や酸化抗酸化バランスの正常化したことが検証されていま
す。
━ コエンザイムＱ１０の補充と卵巣機能
カナダのトロント大学医学部産婦人科のロバートキャスパー教授のグループ
は、高齢マウスを使った試験で、コエンザイムＱ１０の補充により、比較対
照マウスに比べて、卵巣刺激への反応が高まり、採卵数の増加が認められた
こと、ミトコンドリアの数が増え、エネルギー産生効率が高まったと報告し
ています。
同グループは、ミトコンドリアの機能の向上は、高齢女性の妊娠の可能性を
高めるはずであるとし、コエンザイムＱ１０をはじめとするミトコンドリア
で働く栄養素を補充することはそのことに寄与する可能性が高いとの見解を
示しています。
そもそも、ミトコンドリアで働く栄養素は体内で産生されているもので、女
性にも生まれ来る新しい命にとっても安全であり、卵子の減数分裂のための
正常な染色体分離のための十分なエネルギーを産生することで、染色体異常
のリスクを低減させることが期待できるとしています。
このように、コエンザイムＱ１０やアルファリポ酸などのミトコンドリアで
働く栄養素を補充することは卵子や胚の質を改善、そして、高齢女性の健康
な妊娠につながる可能性があると結論づけています。
━ ミトコンドリアと食生活、運動
ミトコンドリアで働く栄養素のサプリメントは、年齢とともにそれらの栄養
素が減少することから、外から補充しようというもので、あくまで１つのア
プローチです。
そもそも、ミトコンドリアでエネルギーを産生するためには食事で摂取した
糖質が正常に代謝され、ミトコンドリア内に運び込まれることが大前提で、
そのためには、全てのビタミンＢ群が不足させないことがとても大切です。
また、ウォーキングのような穏やかな有酸素運動の習慣はミトコンドリアを
増やし、エネルギー産生効率を高めます。
＊当社の開発したミトコンドリアで働く栄養素を補充するサプリメント
http://nature-g.com/shohin/naturesgift/07.html
＊参考文献
The aging oocyte―can mitochondrial function be improved?
Fertil Steril 2013;99(1):18-22
Mitochondria in the offspring of old mice exhibit alterations
similar to those seen in their mothers
Fertil Steril. 2010;94(Suppl):S57
Co-enzyme q10 supplementation improves ovarian response
and mitochondrial function in aged mice
Fertil Steril. 2009;92(Suppl):S31
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編集後記____________________________________________________________
３０代後半、４０代になって、卵子も年をとったからと言って、卵巣内の卵
子が全て同じように老化するわけではありません。まだまだ、妊娠する力を
備えた卵子もあるわけです。
今回、参考にしたアメリカ生殖医学会誌に掲載されている論文からは、「や
りようはある」という考えに立って、一緒に頑張ろうというドクターの熱意
が伝わってきます。
決して、あきらめず、かと言って、過大に期待もせず、まずは、自分たちの
日々の生活の質を高め、充実させるという観点で取り組むのがいいのではな
いでしょうか。
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妊娠しやすいカラダづくり［毎週末発行］ VOL.512
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