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VOL.527 精液検査の落とし穴

2013年07月21日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.527 2013/7/21
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今週の内容__________________________________________________________

・今週の必読記事:精液検査の落とし穴
・連載企画:第9回 授かるもの パート3
・トピックス:ヨーロッパ生殖医学会(後半)
・編集後記


今週の必読記事_______________________________________________________

「今週の必読記事」をスタートします。

男性不妊治療の第一人者でいらっしゃる、獨協医科大学越谷病院泌尿器科教
授の岡田弘先生がブログ(http://maleinfertility.jp/)を始められ
ました。これまで、あまり、知られていなかったであろう、男性不妊に関す
る情報が発信されています。日本で最も多くの男性不妊の診療にあたってこ
られた岡田先生ならではの情報だと思います。

私たちは、これは皆さんと共有すべきと考え、「今週の必読記事」でピック
アップした記事を紹介していくことにしました。

不妊原因の半分は男性側にあるとされていますが、男性不妊と診断された場
合でも男性への診察や治療が十分になされているとは言い難いのが現実です。

男性不妊を専門とするドクターが圧倒的に少なかったり、男性のほうに問題
があっても最終的な治療は女性に施さざるを得なかったりといった事情から
でしょう。

ただ、男性不妊であろうと、なかろうと、男性の精子の状態を少しでも改善
することで、妊娠の可能性が高まるだけでなく、パートナーの女性への治療
が不要になったり、治療負担が軽減されたりする可能性も、また、高まるこ
とを、もっと、知ってもらいたいと思います。

是非、チェックしてみてください。

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「精液検査の落とし穴 PART.1」 

男性不妊の基本検査である、精液検査の落とし穴についてシリーズで解説し
ます。

まずは、精液検査は血液検査と違い、結果が大きく変動するという事をご存
じですか?
血液検査(赤血球濃度・白血球濃度・血色素濃度・血小板濃度)は、午前中
でも午後でもほとんど変化しません。もちろん、水分摂取によって多少は変
動しますが、午前中は貧血だったが、午後は多血症と診断されるということ
はありません。

しかし、精液検査ではこのようなことが、頻回に起こるのです。

多くの不妊クリニックでは、精液検査は忙しいご主人が来院して受けるので
は無く、仕事に出かける前に(早朝)、自宅で(奥さんの近くで)マスター
ベーションにより、容器に採取して、これを奥さんがクリニックに運んで、
検査を行なう、という流れになっていると思います。

しかし、ここに大きな落とし穴(罠)があるのです。

*続きはこちらから
http://maleinfertility.jp/blog/?p=312

▼「男性不妊バイブル」
http://maleinfertility.jp/
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記事についてのご意見やご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


アンガーマネジメントで妊娠しやすいココロづくり______________________

 第9回 授かるもの パート3
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こんにちは。

パート2でお話しした通り、私はあかちゃん待ちの間に、最も愛し最も大切
な存在である夫を傷つけ、彼からの信頼を失ってしまいました。本末転倒も
よいところです。夫婦がお互いを愛し合い、その結晶として子供を授かると
いう基本を忘れ、「あかちゃんが欲しい。」ところにだけ気持ちが走ってし
まっていたのでしょう。年齢的な焦りや不安が、気持ちの暴走に拍車をかけ
させていたのも事実です。

その原因となったひとつに、誤解が挙げられると思います。

私たちの場合は、小さな気持ちのすれ違い(男女で思考回路や受け止め方が
違うことが多々ありますよね。)が積み重なり、私は自分を理解してくれな
い(と当時思い込んでいた)夫に対して一方的に強い表現を使った感情的な
発言を繰り返していました。

妊カラでも一度取り上げられた小説『うさぎのたまご』(咲乃月音著 宝島
社)を読まれた方は記憶にあるかもしれませんが、この小説のあかちゃん待
ち主人公とパートナーも、ちょっとした会話からお互いの気持ちを誤解した
まま歳月を過ごしてしまいます。

私から見ると、とても冷静で優しい気持ちの持ち主の主人公ですが、誤解に
よってお互いの気持ちがすれ違ってゆくところはどんなカップルも同じなん
だなぁと。

そこで、みなさんも、誤解が大きくなる前に話し合うことをおすすめしたい
と思います。方法はそれぞれ、いろいろあるかとは思います。第4回でお話
しした、夫婦の「べき」を話し合うのもひとつ。難しく考えず、ふたりでと
りあえずたのしくお酒を飲むのもひとつ。

私自身、この経験を通して、そしてアンガーマネジメントを身につけた今、
ひとつ自信を持って言えることがあります。

それは、

なくした信頼は取り戻せる。
けれど、時間がかかる。

ということ。

実は、私は今もその代償を払い続けています。

でも、そんな自分を責めたり悲観し続けるのではなく、それを強みに夫婦の
絆を強くできる、と信じているし、実際そうなっていると思います。そして
そのために実践していることがいくつかあるのです。

骨董品の金継ぎをイメージしてみてください。「だめになったら捨てる」で
はなくて、今持っているもの(いまの夫婦関係)が割れたりひびが入っても、
修正しながら大切にする。歳を重ねて、その継ぎ目さえも美しくいとおしく
思えるものに仕上げていく。そして、新品のころにはなかった年季が入り、
より強くなっているのが目標。

そんな感じです。

次回最終章では、私も現在実践中である「大切な人とのコミュニケーション
を向上させるいくつかの具体的なテクニック」をご紹介いたします。

(ロワ佐奈子)

*この連載は隔週でお届けしています。
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トピックス Jul.2013_________________________________________________

 ヨーロッパ生殖医学会から(後半)
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去る7月7日(日)から10日(水)まで、2013年のヨーロッパ生殖医
学会がロンドンで開催されました。先週に引き続き、学術集会で発表された
最新の研究の中から皆さんに参考にしてもらえそうな報告をご紹介します。

男性の年齢の問題です。女性の年齢が高くなればなるほど、妊娠しづらくな
ることは、よく知られていますが、男性の年齢も精子の質に影響を及ぼすよ
うです。

▼男性の年齢と精子の質との関係

ブラジルからの報告です。不妊治療クリニックに通院しているカップルの男
性パートナー1500名を、年齢別に、35歳以下、36~45歳、46歳
以上の3つのグループに分け、精液検査の結果を比較しました。

その結果、精子濃度は年齢による違いはありませんでしたが、精子正常形態
率や運動率は年齢が高くなるほど低くなり、反対に、精子の頭部中の核に空
胞や断片化がある精子の割合は高くなることがわかりました。

▼男性の年齢と体外受精や顕微授精の治療成績との関係

トルコからの報告です。体外受精や顕微授精の3336治療周期を男性パー
トナーの年齢が40歳未満と40歳以上の2つのグループにわけ、女性の年
齢やBMI、不妊期間、卵巣刺激法などの条件を揃えたところ、受精率、妊
娠率ともに40歳未満グループのほうが統計学的に有意に高く、流産率が低
かったとのこと。

このように、男性の年齢が高くなるにつれて、精子の質が低下し、妊娠させ
る力が低下していく傾向があるようです。

このことは、精液検査の結果にかかわらず、男性も40歳以上であれば、抗
酸化作用を高めるような生活を心がけたり、抗酸化サプリメントを摂取した
りして、精子の質を維持することが大切です。

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編集後記____________________________________________________________

ヨーロッパ生殖医学会では、他にも、自分が母親のお腹の中にいた時に母親
がタバコを吸っていたり、また、成長が遅かった男性は、思春期を迎えて以
降、生殖機能に問題を起こしやすくなるとの発表がありました。

この20年で男性の精液の質、特に精子濃度が低下していると言われていま
すが、その原因の一つとして、男性を取り巻く環境の変化が指摘されていま
す。

環境ホルモンや有害物質、食品添加物などが挙げられていますが、母親のお
腹の中にいる時の環境にも関連しているとは驚きです。

それだけ、子孫を残すための身体の働きやその力は、私たちに備わったさま
ざまな働きの中でも、最もベーシックなものだということですね。

妊娠する力、妊娠させる力を低下させないために、また、取り戻すためには、
より、単に、なにか、特別なものを摂ったり、特別なことをやったりするよ
りも、日々の生活や生き方など、よりベーシックなところに働きかけること
が大切だということなのかもしれません。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.527
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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