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VOL.538 緑黄色野菜や果物は精子を守る

2013年10月06日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.538 2013/10/6
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:緑黄色野菜や果物は精子を守る
・連載企画:第15回 Let it go... それ、手放してしまいませんか?
・妊カラ編集室から:「Fine祭り2013」チケットを妊カラ読者にプレゼント
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2013年10月5日 最新ニュース
抗酸化物質の摂取と精子の質との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2013100501.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Oct.2013___________________________________________
 
 緑黄色野菜や果物は精子を守る
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2009年から2010年にかけて、18から22才の大学生の男性を対象に、ライフス
タイルと精液検査の結果との関係を調べた「ロチェスターヤングメンズスタ
ディー」という疫学調査があります。

アメリカのハーバード公衆衛生大学院の研究チームが中心となって実施して
いるのですが、この調査研究の結果はこれまでいくつもの論文になって発表
されています。

たとえば、乳製品の摂取と精子の質との関係について、全脂肪の乳製品、特
にチーズをよく食べる男性ほど正常精子形態率が低いことを確かめています。
http://www.akanbou.com/news/news.2013052301.html

そして、運動と精子の質の関係では、よく運動し、テレビを見る時間が少な
い男性ほど、精子数や精子濃度が高いことを確かめています。
http://www.akanbou.com/news/news.2013020701.html

また、食事パターンと精子の質との関係も調べていて、魚や鶏肉、果物、野
菜、豆類、そして、全粒(精製していない)穀物を多く食べている男性ほど、
前進する精子の割合が高いことを確かめています。
http://www.akanbou.com/news/news.2012082001.html

そして、最新の報告が、抗酸化物質の摂取と精子の質の関係についてで、β
カロテンやルテインを多く摂る男性ほど精子の運動率が高く、リコペンを多
く摂る男性ほど正常精子形態率が高いことがわかったとのこと。

それにしても、これだけの疫学調査をそれ相応の予算を割いて実施している
ということは、アメリカの男性のライフスタイルや食生活は、相当、精子の
健康に悪いだろうという危機意識のあらわれなのかもしれません。

いずれにしても、これだけの研究結果を日本人の妊活カップルが活用しない
手はないと思います。

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男性にとって、抗酸化作用を高めることは、パートナーの妊娠の確率を高め
ることは、これまでの多くの研究で明らかなのですが、抗酸化物質と一言で
言っても、無数と言っていいくらいあるのです。

ですから、どのように抗酸化作用を高めるのが、精子をつくる働きを維持、
向上させ、そして、精子の質を維持させるのに、本当に有効なのか、きちん
と考えておかなければなりません。

まず、食生活全般で言えば、バランスのよい食事を心掛けることに尽きます。

特に、主食には精製度の低い穀物、具体的にはお米であれば玄米、パンやパ
スタであれば全粒粉のものを食べる、そして、牛や豚、鶏、魚を偏りなく食
べ、野菜や豆類、果物をしっかり食べるということになります。

また、適度な運動も欠かせません。

まさに、基本的な健康は、精子の健康にもなるというわけです。

それでは、抗酸化物質の摂り方はどうでしょうか。

今回の研究でわかったことは、βカロテンやルテイン、リコペンを多く摂っ
ている男性ほど精子の質が高かったというものなのですが、実は、同じよう
な研究は、これまで、スペインとアメリカで2回、行われているのです。

そして、食物摂取頻度調査で、普段の食事でなにをどれだけ食べているのか
を調べたところ、いずれの試験の結果でも共通しているのは、カロテノイド
を多く摂っている男性ほど精子の質がよかったということです。

因みに、カロテノイドというのは、黄色や赤色などの色素で、いくつもの種
類があります。たとえば、βカロテンやリコペン、アスタキサンチン、クリ
プトキサンチン、ルテインなどがよく知られていますが、まだまだ、たくさ
んあります。

要するに、「カロテノイドを多く含む食物をたくさん食べている男性ほど精
子の質が高かった」というわけです。

どんなものかと言えば、ニンジンやカボチャ、ほうれん草、トマト、スイカ、
柿、グレープフルーツ、みかん(かんきつ類)、ブロッコリーなどです。

もうおわかりですよね。

ハーバード大学の研究チームも、カロテノイド、そのものが精子の質に寄与
しているというよりも、カロテノイドを多く含む野菜や果物に含まれる未知
の成分を含めて、トータルで精子の質を守る働きをしているのではないかと
言っています。

その一方で、サプリメント摂取と精子の質との関連を調べた研究報告をみて
みると、効果があったとするものと効果がなかったとする、相反する結果が
出ています。

つまり、抗酸化物質と言えども、単一の成分だけが精子をつくる働きや精子
の質を維持することに影響しているのではなく、特に、緑黄色野菜や果物に
含まれるさまざまな成分がチームで働いているのではないかというわけです。

このことが、今回、最も言いたかったことです。

もちろん、有効なサプリメントもあります。

これまで単一の成分で精子の質を改善するという信頼できる試験結果が得ら
れているのは、コエンザイムQ10やLカルニチンくらいでしょうか。

以下、まとめです。

男性が妊娠する力を維持し、高めるためには、基本的な健康を心掛けながら、
特に、緑黄色野菜や果物を、毎日、たくさん食べること、そして、コエンザ
イムQ10やLカルニチンを主成分にした信頼のおける品質のサプリメントを
摂取するのがいい。

これが、これまでの研究結果に基づいた、「男性が取り組むべきこと」にな
ると思います。

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info@akanbou.com


アンガーマネジメントで妊娠しやすいココロづくり______________________

 第15回 Let it go... それ、手放してしまいませんか?
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こんにちは。

今日は最初に、ブッダのこの言葉に目を通してみてください。

怒りを抱くことは、
熱い炭をつかんで
誰かに投げつけようとするようなもの。
やけどをするのは、
あなた自身である。

自分の体に怒りを溜め込んだり、怒りの対象であるモノや人を何とかしてや
りたい、という気持ちに駆られることがいかに危険で不健全であるかを、何
千年も前に生きたブッダが指摘しています。彼の時代も今も、怒りはやっか
いな感情であることに違いはないようです。

さて、今ここを読んでくださっているみなさんは「誰かに怒っている」とい
う訳ではないかも知れません。が、誰かのひとことに傷ついていたり、思う
ようにならない自分の体にイライラや怒りを感じていたり、不都合な数字や
データに日々不満や心配を募らせていたりしませんか。これら、ココロが穏
やかでいられなくなる「熱い炭」を知らず知らずに掴み、それをどこに投げ
るとも知らず気づかず、自らやけどを負っているのかも知れません。

それ、全部手放してしまいませんか?

とはいえ、手放す、忘れる、って意外に難しいですよね。ひとりでは思って
も行動に移せなかったり、意固地になってしまったり。英語のLet it go.は、
「流してしまいなさい。」といったニュアンスなのですが、私はこのフレー
ズを、とても辛いと思っていた当時、ある人から言われたことがきっかけで、
「嫌な気持ちにさせるものを手放す」ことを意識しはじめました。それは簡
単なことではなかったのですが、手のひらに熱い炭を感じたら、Let it go・
・・と、呪文のように唱えたりもしていました。

今日は、みなさんに「手放すため」の理論的で実行しやすい方法をご紹介い
たします。それは、「怒りの点数法」です。

イラッ、ムカッ、グサッ、と来た時。その感情を1~10点までの点数で記録
してみてください。例えば、「義母に電話でそろそろ子供を考えた方がいい
んじゃないの、と言われてムカッとくる。6点!」などといったふうに、で
す。ちょっと嫌らしいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これを
書き留めておきます。

とはいっても、なかなか点数にするのは最初からぱっとできるものでもあり
ません。

ここで参考までに点数化の際のレベルを記しておくと、0点‐穏やかな状態、
1~3点‐イラッと不愉快、4~6点‐腹が立つ、カッと来る、7~9点‐爆発寸
前、10点‐爆発!といった感じです。

最初はちょっとしたことにでも高得点をつけてしまう傾向がどうしてもある
でしょう。

でも10点満点というのは、例えて言うなら怒りで人を刺してしまうくらい
(ちょっとひどい例えですが。)の強い強い憤怒です。そしてこの記録を続
けて少し経って、気持ちが落ち着いている時に、その内容と自分のつけた点
数を振り返ってみて欲しいのです。すると、同じ内容なのに点数が4点、7点
とばらついていることに気がついたり、「これってこんなに怒ることだっけ?」
と冷静に自分の感情を分析する機会になります。

「怒りの点数化」でレベル分けをする習慣が身に付くと、まずはとっさのカ
チン!やムカッ!に自分が支配されなくなります。「えっと、今のは何点く
らい?」と考えることでその怒りの対象から気持ちを切り離す効果もあり、
その場で沈められる(=気にしない、忘れる)ことだって出来るようになっ
てきます。同じ内容に、ストレスレベルが高い/ホルモンバランスが崩れが
ちな時だと高得点をつけてしまう、といった気づきを得ることで、自分の感
情や体調に敏感になれるでしょう。こうして、目に見えない「感情」が数字
となって具体化されることで、イライラや不安に自分が支配されるのではな
く、自分の感情を自分が支配できるようになるのが目標です。

今日はここで終わりにしますが、分かりにくい点や、説明の足らない部分は
また補ってゆきたいと思います。

怒りの点数化へのご質問やご意見、またこちらのコラム一般へのご質問や感
想なども大歓迎ですので、是非以上のテクニックを実践の上、不明な点はい
つでもお問い合わせください。

お待ちいたしております。

(ロワ佐奈子)

*この連載は隔週でお届けしています。
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妊カラ編集室から____________________________________________________

「Fine祭り2013 」 チケットを妊カラ読者20名様にプレゼントします!
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2013年11月3日(日・祝)に、恒例のイベント、『Fine祭り2013 ちゃんと知
りたい!男女の不妊』が開催されます。

不妊をテーマにした、最も内容が充実し、かつ、最も規模の大きいイベント
です。主催は、不妊当事者団体であるNPO法人Fineです(http://j-fine.jp/

私たちは、第一回目の開催から協賛企業として参加しています。内容は以下
の通りです。

◎『Fine祭り』とは 
http://j-fine.jp/activity/event/fine_matsuri.html

不妊当事者と医療関係者や企業などのサポーターが一堂に会するイベントと
して、毎年開催しています。今年は、ホールでの講演&トークセッション、
ホワイエで協賛企業による展示や販売、また不妊スペシャリストの無料相談
コーナーなど、さまざまな方面から当事者を支援したいとのこと。

◎精子と卵子の話から最新情報まで

「卵子の老化」が話題になっていますが、不妊の原因の半分は男性にあると
も言われています。今年は、男性不妊症の最前線で活躍する泌尿器科医と、
精巣精子を用いたICSIによる妊娠例の日本初の報告をした不妊専門医が講演
します。

不妊治療中の人はもとより、これから妊活を始めようとする人々、その周り
の人々や一般の方々にも、ぜひ知ってほしい内容です。

◎ヒキタクニオ氏(作家)が男性不妊体験を語る

トークセッションのゲストは、『「ヒキタさん、ご懐妊ですよ!」男45歳・
不妊治療はじめました』(光文社)の著者、ヒキタクニオさん。『妊活バイブ
ル』(講談社)の著者、白河桃子さんも登場し、不妊治療や妊活、ライフプラ
ンの参考になるトークが展開される予定です。

■開催概要(http://j-fine.jp/matsuri/2013/matsuri.html
◆日時:2013年11月3日(日・祝)10:00~16:00(予定)
◆会場:THE GRAND HALL(東京・品川)
◆講演・トークセッションの内容:

「男性不妊の新常識 ~最前線の現場から~」
石川智基先生(リプロダクションクリニック大阪 CEO)

「本質から考えたい不妊治療
 ~正しい知識と理解から、正しい不安と安心を~」
浅田義正先生(浅田レディースクリニック 理事長)

「子どもを持つ、育てるということ~"不妊"や"妊活"の視点から~」
ヒキタクニオ氏(作家)、白河桃子氏(ジャーナリスト・ライター)、池上
文尋氏(不妊治療ジャーナリスト)、松本亜樹子(NPO法人Fine 理事長)

◆展示コーナー
不妊当事者を応援する企業等が参加、商品やグッズの展示・販売など。私た
ち、株式会社パートナーズも出展します。

◆不妊スペシャリスト相談コーナー
不妊症看護認定看護師さん・エンブリオロジストによる無料相談。

◆入場料
前売り券 1000円、チケットぴあにて発売中
(*前売り券が余った場合のみ当日券販売予定、1500円)

このメールマガジンをご購読の方で、Fine祭りに参加したいという方に、チ
ケットを20名様にプレゼントします。

メールにて、お名前、ご住所、電話番号を記載の上、ご応募ください。メー
ルのタイトルに「Fine祭りチケットプレゼント応募」を書いて、以下のアド
レス宛にお送りください。
info@akanbou.com

尚、ご応募が20名以上になった場合は抽選とさせていただきます。

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info@akanbou.com


運営サイト__________________________________________________________

私たちはお子さんを望まれるカップルを応援します。

▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/

▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/

▼お子さんを望まれるふたりのためのサプリメント
→「BABY&ME」
http://babyandme.jp/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html


編集後記____________________________________________________________

ハーバードメディカルスクール准教授のJorge Chavarro先生は、今回、紹介
したライフスタイルと精液検査の結果との関係を調べた「ロチェスターヤン
グメンズスタディー」という疫学調査だけでなく、女性のライフスタイルと
妊娠する力の関係を調べた「The Nurses' Health Study」から多くの研究論
文を発表されています。
http://www.hsph.harvard.edu/jorge-chavarro/

その結果に基づいて一般向けに「The Fertility Diet」を書かれています。
この本のことは、これまで妊カラでも何度となく紹介してきました。
http://www.health.harvard.edu/books/Fertility-Diet

まさに、妊娠しやすいカラダづくりについての研究では、アメリカの第一人
者でいらっしゃいます。

そして、この度、念願が叶い、この「The Fertility Diet」を日本で翻訳出
版することになりました。

妊娠しやすいカラダづくりについて科学的根拠に基づた情報を発信したいと
いう、私たちの願いが、一つ実現できました。

是非とも、皆さんに手にとってもらいたいと思っています。

本の出版に先立ち、来週、アメリカのボストンで開催されるアメリカ生殖医
学会で、著者のChavarro先生にお目にかかり、インタビューする機会をいた
だきました。

とにかく、先生に、これまでお聞きしたかったこと、教えてもらいたかった
ことを、全部、ぶつけてこようと楽しみで仕方ありません。

そして、それで得たことを、また、このメルマガやサイトで発信し、皆さん
のお役に立てるようにしたいと考えています。

頑張ります!どうぞ、ご期待ください。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.538
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・自社配信: 1,071部
・まぐまぐ: 4,286部
・合計部数: 5,357部(10月6日現在)
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