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妊娠しやすいカラダづくり No.541 2013/10/27
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今週の内容__________________________________________________________
・今月のトピックス:アメリカ生殖医学会ハイライト(前半)
・妊カラ編集室から:Fine祭りで会いましょう!
・編集後記
トピックス Oct.2013_________________________________________________
アメリカ生殖医学会ハイライト(前半)
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去る10月12日から17日までアメリカ生殖医学会がボストンで開催され
ました。その学術集会では生殖医療の研究や臨床に携わる世界中のドクター
によって日頃の成果が発表されますので、不妊症や不妊治療についての最新
と最先端がつかめる機会になります。
今週は、その中から妊カラの読者の皆さんに参考にしてもらえるような食生
活や生活週間に関する研究発表をご紹介したいと思います。
そもそも、「妊娠しやすさ」や「健全な妊娠、出産」、そして、「生まれく
る子どもの健康」には、母親になる女性や父親になる男性が健康であること
が大切であることは言うまでもないことで、誰だって理解できることでしょ
う。
ただし、健康と言っても、漠然としたところがありますので、伝承や個人の
経験則、単なる好き嫌いではなく、妊娠しやすさと食生活の内容や一つ一つ
の生活習慣がどのように関連するのか、やはり、きちんとした調査研究を実
施して、その結果から原則を導いてくるべきです。食生活や生活習慣の変化
の大きい現代では、尚更のことでしょう。
そして、この領域で最も規模が大きく、質の高い研究を実施し続けているの
がアメリカのハーバード大学です。アメリカの国家プロジェクトである大規
模な疫学調査「看護師健康調査」から得られた信頼のあるデータや大学の関
連病院で不妊治療を受けている患者を対象にした試験などから多くの研究結
果を報告しています。
今回、その研究チームのリーダーの一人であるハーバード大学メディカルス
クール準教授のチャバロ先生にインタビューした内容も含めて、ご紹介した
いと思います。
まず、ハーバード大学の研究チームが、現在、高い関心をもって研究を進め
ているテーマが、「食生活(栄養)と体外受精の治療成績との関連」と「食
生活や生活習慣と男性の妊娠させる力との関連」です。
現在、ハーバード大学関連病院であるマサチューセッツ総合病院とブリガム・
アンド・ウィメンズ病院で体外受精を受けている患者さんを対象に栄養と体
外受精や顕微授精の治療成績との関連を明らかにすべく試験を実施しており、
最終的な結果は数年後になるとのことですが、今回の学会ではその一部が発
表されました。
◎タンパク質の摂取と胞状卵胞数との関係
ハーバード大学の研究チームは関連病院で不妊治療を受けている167名の
女性患者を対象に、食物摂取頻度調査から得られたタンパク質の摂取状況と
超音波検査による胞状卵胞数との関係を調べました。
その結果、タンパク質総摂取量と胞状卵胞数には関連性は見られなかったが、
タンパク質の種類(動物性タンパク、乳製品、非乳製品、植物性タンパク質)
別に摂取量で4グループに分けたところ、乳製品にのみ統計学的な有意差が
みられ、乳製品を多く摂る女性ほど胞状卵胞数が少ないことがわかりました。
胞状卵胞数は初期発育卵胞の数で、多いほど体外受精時の採卵数も多くなる
傾向があり、AMHやFSHとともに卵巣機能をはかる指標の一つです。
ただし、くれぐれも誤解しないでいただきたいのですが、乳製品を食べると
採卵数が少なくなるというわけではありません。疫学調査の目的は、食物を
妊娠や不妊によいものと悪いものにわけることではなく、食生活や生活習慣
が妊娠する力にどのような影響を及ぼすのか、その原則を知ることです。原
則は、私たちが自分たちの食や生活をつくりあげていくときの心強い味方に
なります。そもそも、妊娠にいい食べ物や悪い食べ物などありません。
さて、乳製品の摂取と卵巣機能の関係については、ハーバード大学が実施し
た看護師健康調査でも明らかにされていて、それは無調整の乳製品よりも、
低脂肪や無脂肪の乳製品が排卵障害のリスクを高めるというものでした。そ
して、その背景として、乳製品の脂肪に含まれるホルモンの影響ではないか
とのことでした。
今回の結果も乳製品の脂肪に含まれるホルモンが影響しているのかもしれま
せん。
妊娠や出産をコントロールする生殖ホルモンの中には脂溶性のものがあり、
脂肪の種類や摂取量、そして、体内に蓄積された脂肪の量(肥満度)はホル
モン環境に大きな影響を及ぼし、妊娠しやすさを左右することがあります。
次は、「看護師健康調査」のデータから脂肪や乳製品の摂取と子宮内膜症の
発症リスクとの関係を調べたものです。
◎脂肪や乳製品の摂取と子宮内膜症発症リスクとの関係
ハーバード大学の研究チームは約4万人の看護師の食生活と生活習慣を20
年間に渡って追跡し、脂肪や乳製品の摂取量と子宮内膜症の発症リスクとの
関係を調べました。
脂肪酸の種類別に摂取量で4グループのわけて発症リスクとの関連を調べた
ところ、脂肪の総摂取量や飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取量には関連は
見られなかったものの、多価不飽和脂肪の摂取量が多かった女性ほど子宮内
膜症の発症リスクが高く、多価不飽和脂肪酸を最も多く摂取していた女性は
最も少なかった女性に比べて痛みの伴う子宮内膜症を発症するリスクが41
%も高かったことがわかりました。
一方、乳製品では、乳製品の摂取量で5グループにわけたところ、乳製品の
摂取量が多かった女性ほど子宮内膜症の発症リスクが低く、最も多かった女
性は最も少なかった女性に比べて23%リスクが低く、痛みを伴う子宮内膜
症の発症リスクは31%低かったとのことです。
研究チームは、脂肪の摂取については、多価不飽和脂肪酸、特に、オメガ6
脂肪酸の影響ではないかと推測しています。これまでの試験でもオメガ3脂
肪酸は子宮内膜症の進行を抑制させることを確かめています。反対にオメガ
6脂肪酸は体内で炎症を促進する生理活性物質に変換されることから子宮内
膜症の程度を重くするリスクが高まると考えられるからです。
ハーバード大学の研究チームの発表は以上です。ただし、男性の食生活や生
活習慣と精液の質についても、いくつかの興味深い研究結果を発表していま
すので、それらは来週にご紹介するようにします。
さて、睡眠の質は良質な卵の発育にはとても大切であることは盛んに言われ
ていますが、これまで実際にその関連についての研究報告はありませんでし
た。今回、韓国の研究チームが発表していましたので最後にご紹介します。
◎睡眠時間と体外受精の治療成績との関係
656名の体外受精を受けている女性を対象に、治療周期に入る前に睡眠時
間について調査し、その後の体外受精の成績との関連を調べました。
平均の睡眠時間は7.4時間で、睡眠時間で3つのグループに分けました。
4~6時間が120名、7~8時間が445名、9~11時間が91名でし
たが、採卵数や受精率には違いが見られませんでしたが妊娠率は、順番に、
45.8%、52.6%、42.9%と、7~8時間の女性が最も高かった
とのことです。
このことから、睡眠時間は7~8時間が最も体外受精の妊娠率が高く、それ
より短くても、長くても、妊娠率が低くなることがわかりました。
研究チームは、睡眠時間はホルモン環境に影響を及ぼすのではないかとして、
短かったり、長かったりすると体内時計に悪い影響を及ぼすのかもしれない
としています。そして、睡眠時間は7~8時間、そして、体内時計を整える
という観点で言えば、毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが望ま
しいとの見解を示しています。
次号の後半では男性不妊についての研究報告をご紹介する予定です。
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
妊カラ編集室から____________________________________________________
「Fine祭り2013 」で会いましょう!
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いよいよ、次の日曜日(11月3日)、Fine祭り2013が開催されます。こ
のメルマガでもご紹介してきましたし、読者の皆さんにチケットのプレゼン
トもさせていただきました。
テーマは、ちゃんと知りたい男女の不妊、ここがポイント!精子&卵子と最
新治療情報です。
改めての詳細はこのページをご覧ください。
http://j-fine.jp/matsuri/2013/matsuri.html
当日は、私たち、株式会社パートナーズとして、企業ブースを出展する予定
です。ですので、妊カラの読者の皆さんには、是非とも私たちのブースにお
立寄りいただければと思います。
ブースでは、このイベントのためにつくった、「妊娠しやすいカラダづくり」
ダイジェスト版を無料で配布させていただく予定です。
是非とも、お気軽にお声をかけてくださいね。
それでは、Fine祭り2013で会いましょう!
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運営サイト__________________________________________________________
私たちはお子さんを望まれるカップルを応援します。
▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/
▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
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▼お子さんを望まれるふたりのためのサプリメント
→「BABY&ME」
http://babyandme.jp/
▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html
編集後記____________________________________________________________
今日は昨日までとはうってかわって、さわやかな秋晴れです。
今朝のウォーキングはいつものコースなんですが、とっても気持ちよかった
だけでなく、新鮮な感覚を得ることも出来ました。
人間って、本当に環境に左右される動物ですね。なので、自分で出来るだけ
環境を整えることが生活の質を高めることになりますね。
翻訳本「Fertility Diet(妊娠しやすい食生活)」は最終の原稿チェック
に入っています。
翻訳特有の変な日本語を直したり、細かいニュアンスを、再度、著者のチャ
バロ先生にメールで確かめたりと、意外に骨の折れる作業である反面、また、
新たな発見や勉強になることがあり、楽しくもあります。
11月3日は、東京近郊の方だけで恐縮ですが、Fine祭りで会いましょう!
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.541
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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