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妊娠しやすいカラダづくり No.585 2014/8/31
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今週の内容__________________________________________________________
・今週の必読記事:男性には亜鉛が必要か?
・今月の特集:サプリメントは摂るべきか?
・「体外受精のためのヨガセラピー」9月コース申込受付中!
・本の紹介:妊活カップルのためのオトコ学
・イベント開催告知「ふたりで取り組む不妊治療」
・私たちが運営するサイト
・編集後記
今週の必読記事______________________________________________________
男性には亜鉛が必要か?
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リプロダクションクリニック大阪院長の松林秀彦先生は、ブログにて「男性
には亜鉛が必要か?」というタイトルで、精子がつくられ、受精能力を獲得
していくプロセスで亜鉛の役割を調べた論文を紹介、解説されています。
以下、松林先生のブログから。
男性には亜鉛が必要と考えられていました。本論文は、ヒトの精子形成過程
における亜鉛の役割を調べた貴重なデータです。
*続きはこちらから
http://ameblo.jp/matsubooon/entry-11915244813.html
▼「松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ」
http://ameblo.jp/matsubooon/
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記事についてのご意見やご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
今月の特集 Aug.2014_________________________________________________
サプリメントは摂るべきか?
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サプリメントや健康食品について多くのご相談が寄せられます。だいたい、
「サプリメントは摂ったほうがよいのか」、もしも、摂ったほうがいいので
あれば、「どんなサプリメントがいいのか」、というものです。
サプリメントや健康食品についての情報は、ほとんどは、販売を「促進」す
るための情報です。つまり、宣伝のための「いい」情報です。ところが、い
いことばかり言われても、「自分にとって」いいのかどうか、必要なのかど
うかがよくわからないので、上記のような質問が寄せられるのだと思います。
必要なのは、自分たちが「判断」したり、「選択」したりするための情報で
しょう。
━ サプリメントは食事を補完するもの
サプリメントとは「補助」という意味で、なにを補助しているのかと言えば、
「食事」です。サプリメントの役割は、本来は食事で摂るべき栄養素を補う
ことです。
ですから、サプリメントが必要かどうか、どんなサプリメントが必要なのか
は、普段の食生活次第です。もしも、普段からバランスのよい食生活を心が
け、実際に出来ているのであればサプリメントは不要なのです。
つまり、サプリメントについて考える際に、普段の自分たちの食生活を、改
めて、考えることからはじめなければ全くの片手落ちということになります。
サプリメントは、あくまで、「サブ」であり、「チームプレイヤー」なので、
サプリメントだけではなにも出来ないのです。「メイン」とうまく連動して
はじめて、役に立てるようになる、そんな存在であることを、まずは、理解
しておくことが大切です。
━ バランスのよい食事とはどんな食事なのか
目指すべきは、「バランスのよい食事」ということなのですが、それでは、
そもそも、「バランスのよい食事」とはどんな食事なのでしょうか?
バランスとは「5大栄養素」のバランスのことで、バランスのよい食事とは
5大栄養素が過不足なく摂れる食事です。
5大栄養素とは、3大栄養素とよばれている、炭水化物、たんぱく質、脂質、
そして、2大栄養素とよばれている微量栄養素、ビタミンとミネラルのこと
です。
この5大栄養素こそが、私たちが生きていく上で、「絶対に必要な栄養素」
だからです。たんぱく質や脂質、ミネラルは私たちの身体を構成する材料と
なり、炭水化物や脂質、時に、たんぱく質は私たちが活動するためのエネル
ギー源になります。ビタミンやミネラルはその際の補助的な役割を担います。
そして、そのことは妊娠、出産に際しても全く同じです。
すなわち、卵子や精子の形成から、受精、受精卵の分割、胚の形成、そして、
胎児の成育と、それぞれの段階で、新しい命が健康に育まれるために「絶対
に必要な栄養素」が5大栄養素なのです。
この5大栄養素、どれか1つが不足しても、どれか1つを過剰に摂っても、
問題が起こるリスクが高くなってしまいます。
このように、5大栄養素というのは、妊娠や出産という生殖活動の基礎を支
えてくれている、まさに、縁の下の力持ち的な存在だと言えるわけです。
━ 多くの研究報告
バランスよく食べる、そんなことは当たり前でわかりきったこと、もっと特
別なことが知りたい!そう思われる方も少なくないかもしれません。
ところが、そんな当たり前なことを、きちんと取り組むことこそがなにを置
いても大切なのです。
たとえば、オランダのエラスムス大学医学部付属病院で初めて体外受精を受
けるカップルに、普段、どんなものをどれだけ食べているかについて、専門
の調査方法で調べ、治療成績との関係を統計学的に解析した研究があります。
それによりますと、1日4切れ以上の全粒粉パン、一価(多価)不飽和脂肪
酸、1日野菜200グラム以上、1日果物2切れ以上、週に肉210グラム
以上、週に魚を70グラム以上というオランダ政府の食生活ガイドラインに
あてはまる項目が多かったカップルほど妊娠率が高く、1項目増えるごとに
妊娠率が1.65倍になったとのこと。
バランスよく食べているかどうかが、体外受精や顕微授精の妊娠率を左右す
るというのです。
また、アメリカのハーバード大学は食事やサプリメントと男女の妊娠しやす
さの関係の研究においてはその量、質ともに、世界のトップです。
私(細川)は、その研究グループのリーダーの一人であるジョージチャバロ
先生の一般向けの本、「Fertlity Diet」を昨年、「妊娠しやすい食生活」
というタイトルで翻訳出版しました。
その際のインタビューでチャバロ先生がおっしゃっていたことは、「5大栄
養素のバランスが妊娠、出産には最も重要なことで、特定の食品や成分を摂
取することで妊娠率が高くなることはない」ということでした。
━ 問題は現代に特有の食環境
厚生労働省は妊娠の可能性があるすべての女性に葉酸の摂取を推奨していま
す。それは、葉酸が不足すると子の二分脊椎症のような先天異常のリスクが
高くなるからです。
現代の日本は「飽食」と呼ばれるほど食べるものが豊富です。ところが、そ
れにもかかわらず、妊娠、出産に際して最も重要なビタミンの1つである葉
酸はサプリメントで補充することが勧められるのはなぜなのでしょう?
それは、食べ物の「量」は必要以上に多くても、その「質」は低くなってい
るということに他なりません。
おそらく、主には、加工食品、調理済食品、輸入食品の増加によるものだと
考えられますが、そのため、「個々にバランスのよい食生活を心掛けていて
も、不足してしまいがちな栄養素がある」ということでしょう。
もしも、その栄養素の不足が妊娠前から妊娠、出産に至るプロセスでなんら
かのリスクを高めるようなことになれば、取り返しがつきません。
現代に特有の栄養バランスの崩れを効率的に解消するための1つの手段とし
てサプリメントがあるというわけです。
━ サプリメントを賢く活用するための取り組む順番
食事で摂りきれない栄養素をサプリメントで補うということなのですが、そ
れでは、それはサプリメントを摂れば解決出来るかというと、そんな単純な
ものではありません。
大切なのはバランスです。
サプリメントで微量栄養素であるビタミンやミネラルをせっせと補充するだ
けでは十分ではないということです。
3大栄養素のバランスは食生活を改善することでしか解決できません。その
ため、まずは、毎日の食事のバランスをよくし、その上で、ビタミンやミネ
ラルのサプリメントを活用するのが正しい順番です。
━ サプリメントを賢く活用するための補う成分の優先順位
もう1つ大切なことは、サプリメントで補充すべき成分には優先順位がある
ということです。
世間では、「妊娠にいい」とか、「不妊にいい」という魅力的なキャッチコ
ピーでさまざまなサプリメントや健康食品が販売されています。
実際にどんな成分が配合されているのかチェックしてみると、驚くほど多彩
です。
これでは、いったいどれがいいのか、どれが自分たちに必要なのか、迷って
しまいます。
それぞれに身体によい働きがあるのでしょう。ただし、いくらよい働きをす
るからと言って、それらを全て摂るわけにはいきません。また、本当に宣伝
文句通りの働きがあるのかどうか、証拠が揃っているわけでもありません。
そのため、優先順位に照らす必要があります。それは、妊娠、出産になくて
はならない、すなわち、重要度の高いものから補充するというものです。
これまで説明してきた通り、それは5大栄養素です。そのためにはバランス
のよい食生活を実践し、そして、ビタミンやミネラルのサプリメントを選ぶ
べきです。
その上で、お金の余裕があって、自分たちに必要であるという合理的な判断
が出来てはじめて加えるべきでしょう。
ここをおろそかにしたまま、いくら、高価なサプリメントや健康食品を摂っ
ても、その効果はこころもとないと言わざるを得ません。
基礎が不安定なままで、いくら立派な建物を建てても、お金や労力をかける
順番(ところ)が間違っているというのと同じことです。
「サプリメントは摂るべきか?」はここまでです。次号では引き続き、機能
性食品について特集してみたいと思います。
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ふたりで取り組む不妊治療
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大阪のリプロダクションクリニック大阪の開院1周年を記念して開催される
フォーラム「ふたりで取り組む不妊治療」のお知らせです。
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の方にも妊娠治療について正しい認識を持ってもらうことを目的に開催され
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1組でも多くのカップルが「ふたりで取り組む」きっかけにしていただきた
いと願い、このイベントをご紹介させていただきます。
■開催概要
【日 時】2014年9月6日(土曜日)12:00~17:30
【会 場】グランフロント大阪北館4F ナレッジシアター
http://www.reposaka.jp/forum/images/accessmap.pdf
【参加費】1,000円/一人
【人 数】380名(※申し込み先着順)
【主 催】リプロダクションクリニック大阪
【内 容】松林秀彦先生(院長)による「妊娠へのアドバイス」をテーマと
した基調講演と「ふたりの明るい未来に向けて~キャリアプラン
も含めて~」をテーマとしたパネルディスカッション。
パネリストは、鈴木英敬氏(三重県知事)や町亞聖氏(フリーア
ナウンサー)、森瞳氏(NPO法人umi~卵子の老化を考える会代
表)、石川智基先生(リプロダクションクリニック大阪CEO)。
▼イベントの詳細や申込はイベントサイトから
http://www.reposaka.jp/forum/index.html
▼リプロダクションクリニック大阪のサイト
http://www.reposaka.jp/
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イベントについてのお問い合わせは下記のアドレス宛お寄せ下さい。
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私たちが運営しているサイト__________________________________________
▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
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▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/
▼お子さんを望まれるふたりのためのサプリメント
→「BABY&ME」
http://babyandme.jp/
▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html
編集後記____________________________________________________________
体外受精に臨む女性の「リラックス」をお手伝いするプロジェクト「体外
受精のためのヨガセラピー」の9月コースは、開催の2週間前になりまし
たが、一部、キャンセルが出ているため予約可能です。
お早めにお申し込みください。
▼体外受精のためのヨガセラピー公式サイト
http://www.akanbou.com/yoga/
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.585
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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◎発行部数
・自社配信: 1,574部
・まぐまぐ: 4,163部
・合計部数: 5,737部(8月31日現在)
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