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妊娠しやすいカラダづくり No.589 2014/9/28
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今週の内容__________________________________________________________
・今月の特集:サプリメントは摂るべきか?「オメガ3脂肪酸」
・「体外受精のためのヨガセラピー」10月コース申込受付中!
・私たちが運営するサイト
・編集後記
今月の特集 Sep.2014_________________________________________________
サプリメントは摂るべきか?(4)「オメガ3脂肪酸」
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「サプリメントは摂るべきか?」の4回目です。
そもそも、サプリメントは「食事の補助」なので、サプリメントを摂るべき
かどうかは「補助が必要な食生活かどうか」について考えることから始めな
ければ意味がないというお話から始めました。
そして、食生活に不安がある、すなわち、5大栄養素を万遍なく摂れている
自信がないということであれば、まずは、そのことを見直し、その上で補充
すべき栄養素の優先順位の高いものから補充していくべきというお話でした。
マルチビタミンミネラルを選択するに超したことはありませんが、どれか1
つとなると、ビタミンの中で最重要なのが葉酸やビタミンDをお勧めしまし
たが、今回は脂肪酸です。
妊娠しやすい食生活の原著者のハーバード大学のチャバロ先生は、妊娠を望
む女性にとって脂肪の摂取で気をつけるべきこととして、「トランス脂肪酸」
を摂らないこと、そして、「オメガ3脂肪酸」を積極的の摂ることを強調さ
れています。
━ 体内でつくることができない脂肪酸「必須脂肪酸」
脂肪酸というのは脂肪の成分のことで、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、
不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に、多価不飽和脂肪
酸には、さらに、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸があります。脂肪の
性質はこれらの脂肪酸の含有比率で決まります。
そもそも、私たちは、脂肪を食べ物から摂っているので、バランスのよい食
生活を実行していれば、結果として摂取する脂肪酸も偏ることはないはずで
す。
ただし、私たちが体内でつくることが出来ない脂肪酸がオメガ6系脂肪酸と
オメガ3系脂肪酸で、絶対に外から(食べて)摂り入れなければならない脂
肪酸です。
そして、このオメガ6とオメガ3脂肪酸の摂取比率が私たちの健康に大きな
影響を及ぼします。当然、妊娠、出産に際しても例外ではありません。
ところが、現代の食生活では、どうしてもオメガ6脂肪酸を摂り過ぎ、オメ
ガ3脂肪酸が不足してしまい、それらのバランスの悪化がさまざまな身体の
不調を招くリスクが高くなると言われています。
そのため、オメガ3脂肪酸をサプリメントで積極的に補充することでそれら
の改善効果が認められています。
生殖機能の領域でも、オメガ6とオメガ3脂肪酸の比率と妊娠する力や子宮
内膜症、妊娠、出産のリスク、出生児のアレルギーや知能、さらには、産後
うつまで、関連についての研究報告が多数なされています。
━ オメガ3脂肪酸について
オメガ3脂肪酸は、低温でも液体にままで固まらないので、細胞膜の柔軟性
を保ちます。そして、血液脳関門(脳を守るために有害なものを通さない仕
組み)を通過し、脳神経の働くを支え、記憶を司ると言われている海馬に多
く存在するといわれています。
━ オメガ3脂肪酸と体外受精の治療成績
オメガ3脂肪酸の摂取は体外受精の治療成績に良好な影響を及ぼしそうです。
オランダのエラスムス大学の研究では体外受精を受ける235名の女性を対
象に脂肪酸の摂取量と胚の形態(グレード)との関係を調べましたところ、
オメガ3脂肪酸の摂取が多いほど胚のグレードが高いことを確かめています。
また、アメリカのワシントン大学医学部の研究では体外受精を受けている女
性200名の空腹時の血中のオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の比率と治療
成績の関係を調べたところ、オメガ6/オメガ3が高い女性ほど妊娠率が高
いことを確かめています。
さらに、韓国のウルサン大学の研究チームでは顕微授精を受けている原因不
明の受精障害の98名を対象に、1日1000ミリグラムのオメガ3脂肪酸
のサプリメントを摂るグループと対照グループにランダム分けて、顕微授精
の治療成績を比較したところ、採卵個数は変わりませんでしたが受精率はサ
プリメント摂取グループでは76.5%、対照群は50.4%で、着床率や妊娠率
もサプリメント摂取グループが高かったと報告しています。
━ オメガ3脂肪酸と子宮内膜症
オメガ3脂肪酸の炎症を抑制する働きは子宮内膜症の症状の悪化を緩和させ
ることに寄与するようです。
アメリカのハーバードメディカルスクールの研究チームは大規模な疫学調査
「Nurses' Health Study」のデータから脂肪の摂取状況と子宮内膜症
の発症リスクの関係を調べたしたところオメガ3脂肪酸の摂取量が多い女性
ほど子宮内膜症の発症リスクが低いことを確かめています。
また、自治医科大学産婦人科や東京大学医学部産婦人科の研究チームは子宮
内膜症のラットにオメガ3脂肪酸の豊富なエサを与えたところ子宮内膜症の
病変が縮小したことからオメガ3脂肪酸は子宮内膜症の症状緩和に働くので
はないかとしています。
━ オメガ3脂肪酸と出生児の健康
妊娠中のオメガ3脂肪酸の摂取は胎児の成育だけでなく、出生児の知能の発
達にも寄与しそうです。
アメリカのカンサス大学の研究者らは、妊娠中にオメガ3脂肪酸のサプリメ
ントを摂取した妊婦は偽薬を摂取した妊婦に比べて早産や低出生体重児のリ
スクが低かったと報告しています。
順天堂大学医学部の研究では妊娠中にオメガ3脂肪酸(DHA)を摂取した
妊婦は摂取しなかった妊婦に比べて出生児の生後18ヶ月時点の運動発達と
行動情緒発達が高かったことを報告しています。
カナダのケベック州の北極地方に住むイヌイットの子ども109人を対象に、
オメガ3脂肪酸の摂取と知能の発育の関係を調べたところ出生時の臍帯血中
のオメガ3脂肪酸の濃度の高い子どもほど6ヶ月と11ヶ月に実施した知覚
力や記憶力、認知力のテストの成績が良好だったとのこと。
━ オメガ3脂肪酸と産後うつ
オメガ3脂肪酸の摂取量が少ない妊婦は産後うつのリスクが高くなるとの報
告が多数なされています。
オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究では妊娠中にオメガ3
脂肪酸の摂取量が多い妊婦ほど産後うつのリスクが低いことを確かめていま
す。
━ オメガ3脂肪酸を積極的に摂るために
オメガ3系脂肪酸には、亜麻仁油やしそ油、えごま油に豊富なアルファリノ
レン酸や魚油に豊富なDHA、EPAなどがあります。
亜麻仁油やしそ油、えごま油は加熱できませんので、ドレッシングなどに使
うのがお勧めです。
そして、週に2回は脂ののった魚を食べることです。
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
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不妊治療をやめたり、休んだりした途端、授かったということが、本当に、
よくあります。
そして、それは、治療のストレスから解放されたことによるものではないか
と、先生方はおっしゃいます。
それだけ、心の状態は妊娠の成立に大きな影響を及ぼすということなのかも
しれません。
時間もお金もかけて通院しているわけですから、当然、治療を受けた周期は
妊娠への期待が高まって当然です。
期待が大きければ大きいほど、妊娠に至らなかった時の落ち込みも大きくな
ります。
そんな、心のアップダウンは、本人が思っている以上なのでしょう。
それなら、治療を継続している時にこそ、そこから解放された心の状態にな
れれば一番いいのではないか、私たちはそう考えました。
でも、それは「言うは易し、行うは難し」でした。
この10年間、気功教室やリラクゼーションクラス、プレマタニティビクス
などのクラスの運営を通して、さまざまな経験を積み重ねてきました。
そこで学んだことは、これから治療周期がはじまるという状況において、気
功にしろ、リラクゼーション法にしろ、ヨガにしろ、エアロビクスにしろ、
ある一定のスキルを修得する時間はないということが一つ。
また、そのために頑張るということは、かえって、「心が解放される」こと
には逆効果になりかねないということでした。
そもそも、私(細川)は、2回、ヨガの継続に挫折しています。
そんな中、岡部先生とご縁があり、「リストラティブヨガ」に出会いました。
とにかく、頑張らないヨガで、ポーズやストレッチが一切ないヨガで、最初、
面食らいました。
補助具を使い休むだけ、なのです。疑い深い私ですから(笑)、最初はこん
なことで?と思いました。
けれども、それだけでいいのですね。誰でも出来ます。何のスキルも要りま
せん。
そして、昨日、9月コースが終了しました。
この世界では経験豊かで、リストラティブヨガの第一人者でいらっしゃる岡
部先生にプログラムいただき、素晴らしい実績をお持ちの小山先生と門倉先
生に受け持っていただき、さらには、東京慈恵会医科大学産婦人科で生殖医
療のリーダーでいらっしゃる杉本公平先生に監修いただき、万全を期したも
のの、初めての試みであったわけです。
昨晩、おそるおそる(笑)、皆さんに記入いただいたアンケートに目を通さ
せていただきました。
半分の方が5段階で最高の評価をいただくことが出来、取りあえず、ホッと
しております。それと同時に受講いただいた方々の声を聞かせていただき、
意を強くしました。
10月コースは10/11、10/18、10/25に開催です。現在、受講申込受付中
です。
自信をもってお勧めします。
▼体外受精のためのヨガセラピー公式サイト
http://www.akanbou.com/yoga/
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▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
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▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/
▼お子さんを望まれるふたりのためのサプリメント
→「BABY&ME」
http://babyandme.jp/
▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html
編集後記____________________________________________________________
昨年、ボストンで開催されたアメリカ生殖医学会で「妊娠しやすい食生活」
の原著者である、ハーバード大学のチャバロ先生に初めてお目にかかりま
した。
そして、今年のアメリカ生殖医学会は、来月、ハワイのホノルルで開催さ
れる予定ですが、今年もチャバロ先生とお目にかかれることになりました。
チャバロ先生を中心とするハーバード大学の研究チームは、この1年間、
食生活と生殖機能の関連の研究の成果をいくつもの論文として発表されて
います。
特に、男性の食生活や生活習慣と精子の質との関連や女性の葉酸の摂取量
と体外受精の治療成績との関連の研究はとても印象深いものでした。
今年もチャバロ先生にインタビューし、妊娠しやすいカラダづくりについ
ての最新の情報を仕入れてくるつもりです。
そして、このメルマガやサイトを通して、皆さんにお届け出来ればと思い
ます。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.589
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・自社配信: 1,615部
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・合計部数: 5,754部(9月28日現在)
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