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VOL.592 「環境か遺伝か」ではなく「環境も遺伝も」

2014年10月19日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.592 2014/10/19
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:「環境か遺伝か」ではなく「環境も遺伝も」
・連載記事:第5回 疲労回復のための生活の方法と栄養
・編集室から:体外受精のためのヨガセラピーKさんとYさんからのメール
・私たちが運営するサイト
・編集後記


更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2014年10月18日 最新ニュース
妊娠中のカフェイン摂取は低出生体重児のリスクを高める
http://www.akanbou.com/news/news.2014101801.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Oct.2014___________________________________________
 
 「環境か遺伝か」ではなく「環境も遺伝も」
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妊娠中に摂るカフェインの量が多ければ多いほど低出生体重児を出産するリ
スクが高くなることがこれまでの研究データを統合し、分析した結果、明ら
かになったとの報告がありました。
http://www.akanbou.com/news/news.2014101801.html

そもそも、妊娠中はカフェインを分解、排泄するのに時間がかかるので、通
常よりも体内に長くとどまることになるそうです。

そして、胎盤への関門を通過し、胎児に移行するのだそうですが、胎児には
カフェインを代謝し、排泄する働きが出来上がっていないため、胎児にはさ
らに高濃度のカフェインが蓄積されるとのこと。

その結果、子宮胎盤の血管が収縮することで胎児の発育の遅れを招くのでは
ないかと書かれています。

ところで、この「胎児の発育の遅れ」は、単に、出生時の体重が重いか軽い
か、発育が早いか遅いかという違いだけでなく、赤ちゃんの体質の形成に影
響を及ぼし、低出生体重児は、成人後、生活習慣病にかかりやすくなること
がわかっています。

そうなると気になるのは、果たしてどれくらいのコーヒーで影響が出てくる
のかということです。

今回の研究では、カフェイン摂取量が多ければ多いほど低体重出生児を出産
するリスクが高くなり、コーヒー1杯程度でも、ほとんどカフェインを摂ら
ない人に比べてリスクが上昇することを確かめています。

ただし、これはこれまでの複数の研究データを統合し、解析した結果で、一
つ一つの研究結果をみてみると、驚くほどバラツキがあります。

つまり、妊娠中のカフェインの影響については個人差がとても大きいという
ことになるのです。

それは遺伝子変異によるものではないかという最新の研究結果がアメリカの
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームによって発表されました。
http://9oo.jp/dgvDHZ

コーヒーを習慣的に飲む12万人を対象に実施された研究で、カフェインを
代謝能力やカフェインの影響をどの程度受けるのかを決める遺伝性変異を、
2つずつ特定したというのです。

それらの遺伝子変異はカフェインが体内のとどまる時間やカフェインの作用
への感受性の違いをつくりだすというわけです。

その結果、同じ量のカフェインを摂取しても、その影響は個人によって違う
ということになります。

実際、このようなことはよくあって、たとえば、葉酸を体内で活性型の葉酸
に変換する酵素の働きにも遺伝的な要因で個人差があって、日本人の約15
%はうまく変換できない体質の持ち主とされています。

もしも、そのような体質の持ち主が野菜が不足するとその影響がより大きく
なり、葉酸不足に陥りやすくなるのです。

ただし、そのような体質でも、野菜をたくさん食べることや葉酸のサプリメ
ントを補充することでリスク上昇は回避できることもわかっています。

このように、私たちの身体の働きは、環境的な要因だけでなく、遺伝的な要
因を強く受けていて、全く同じライフスタイルでもその影響の出方は異なる
というわけです。

それでは、このような、一見、不合理に思える現実に対して、私たちはどの
ように対処すればいいのでしょうか?

実際、自分に備わった遺伝的傾向を完全に把握することは困難です。

ですから、妊娠前や妊娠中のように、さまざまなリスクの上昇が取り返しの
つかない時期は、バランスのよい食生活を心掛けたうえで、保険的な意味で
不足しやすい栄養素はサプリメントで補い、タバコやお酒、カフェインは遠
ざけることです。

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


連載企画____________________________________________________________
 
 納得して、美味しく、楽しく食べよう
 〜妊娠、出産にふさわしい「食」を考える
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この連載では、健康なお子さんの妊娠、出産を目指していらっしゃる皆さん
が、それにふさわしい体をつくるために、どのように食べたらいいのかとい
うことについての知識をお伝えし、日常生活で実践しやすい食事についてア
ドバイスさせていただきます。

第5回 疲労回復のための生活の方法と栄養

こんにちは。もうすっかりと日が短くなり、秋らしい季節になりました。台
風などの不安定な気候もありますが、秋の味覚であるさつまいも、さといも、
れんこん、ごぼう、きのこ類、栗などおいしい物に舌鼓をうつのが楽しい時
期になりましたね。ぶどう狩り、山登り、美術館めぐりなど、運動の秋、芸
術の秋のイベントが目白押しの方もいるでしょう。そんな忙しい日々の疲労
を上手に解消する生活の過ごし方と栄養について今回はお届けします。

「疲れる」ことは悪いことでしょうか。私はそうは思いません。仕事でも勉
強でも生活を営むうえでも、人は、一生懸命、取り組むことで何かを得て、
それまでの自分よりも向上します。何かに一生懸命、取り組めば疲れるのは
当たり前です。ただ、疲労が厄介なのは溜めてしまうとケガや病気につなが
ることです。疲労は効率よく解消することが大切です。何かに一生懸命取り
組む→疲れる→休養をとる→回復してまた頑張れる。このメリハリの効いた
繰り返しが前向きで健康的な暮らしにつながると、私は思います。

私は「休むことは悪いことかしら」と考えてしまう性格です。じっとしてい
るのが苦手なタイプ。でもそれでどんどんと疲労を溜めて、ついには、ばた
んと寝込んでしまうことがよくありました。休養をとることは悪いことでは
なく、努力をしたことを次に活かすために必要なプロセスなのだと考えるよ
うになりました。

休養には消極的休養と積極的休養があります。消極的休養は睡眠、読書や映
画鑑賞など運動量を少なくすることです。積極的休養は入浴、ジョギング・
散歩・ストレッチなど軽い運動を行う休養です。休養というとごろごろした
り、じっとすることだけと思われがちですが、軽く体を動かし、汗をかくこ
とでバランスよく休と心が癒されて疲労回復はよりスムーズになります。ち
なみに私の疲労回復法は、まずたっぷりと寝ること。そして家の中をぴかぴ
かにきれいにして、お散歩がてらお買い物に行き、おいしいものを作って楽
しく食べて、いつもより少し長めにお風呂に入ってストレッチして寝る。こ
う考えてみると消極的休養と積極的休養が織り交ざっていますね。時間があ
るときは自転車に1時間ほど乗ったりお散歩をしたり、軽めのハイキングに
行くことも好きです。自分が「あー気持ちいい!」と感じる消極的・積極的
休養の方法を見つけることをぜひお勧めします。

さて、疲れを癒すようで癒さないものもあります。喫煙、飲酒、どか食いで
す。私たちの体内では血管という川があり、血流にのって酸素や栄養素が体
の隅々まで巡って人は元気になります。しかし喫煙をすると血管が収縮する
ので有益なものが体内を巡るのに時間がかかります。つまり疲れから癒され
にくくなるのです。喫煙により怪我や手術後の治癒が遅れるというデータも
あります。

疲労回復のキーポイントとなる栄養の一つはビタミンB群です。これらは炭
水化物や脂質が燃えてエネルギーとなるのを助けてくれる、潤滑油的な役割
を果たします。不適切な量の飲酒や、甘いもの、こってりとした食べ物をど
か食いするとビタミンB群の消耗が激しくなり、結果的に疲労回復が間に合
わなくなります。加えて胃腸にも負担がかかるので、体力が失われます。飲
酒やどか食いは一時的には解放感に浸れるかもしれませんが、その後のご自
身の体調に着目してください。思ったよりも元気が回復していなかったらそ
れは正しいリカバリー方法とは言えません。

普段の食事で疲れを癒すためには栄養バランスの良い食事をすることに尽き
るのですが、疲労回復のための具体的なアイデアをご紹介します。我が家で
はごはんは白米だけでなく、玄米、麦ごはん、数種類の雑穀入りごはん、古
代米入りのごはんを日替わりで食べるようにしています。炭水化物だけでな
く、ビタミンB群、食物繊維、アントシアニンなどの抗酸化物なども摂るこ
とができます。微量ですが、主食として毎日食べるものなので、あるのとな
いのとでは大きな差となるのではないでしょうか。

また、おかずの食材の中にはピーマンやにんじんなど色の鮮やかな野菜を欠
かさず入れます。レタスやきゅうりで済ませがちなサラダにはにんじんの千
切りを入れてビタミンをアップさせます。私が「常備菜の3種の神器」と呼
んでいるものがあり、それはひじきの煮物、きんぴらごぼう、切干大根の煮
物です。ひじきには鉄と食物繊維、ごぼうには炭水化物と食物繊維、切干大
根はカルシウムが豊富です。栄養が豊富なこれら煮物の中にさらにいんげん
やにんじんなど色鮮やかな緑黄色野菜を入れます。煮物はたくさんできたら
冷凍にしてもいいですし、冷蔵庫でも2、3日はもつ、優れものです。すご
いごちそうではないですが、毎日の食卓で行う小さなことで日頃の疲れを癒
せたらいいですね。

*この連載は月1回お届けしています。

▼著者プロフィール
山田聡子(やまだあきこ)
管理栄養士。日体協公認スポーツ栄養士。健康運動指導士。
現在、Jリーグ大宮アルディージャの専属栄養士として、また、これまで、
全日本男子柔道やプロスポーツ選手をスポーツ栄養士としてサポート。さら
に、一般の方への栄養サポートの他、専門学校や栄養セミナー講師として活
動中です。
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集室からのお知らせ________________________________________________

体外受精に臨む女性の"リラックス"をお手伝いするプロジェクト
「体外受精のためのヨガセラピー」受講された方からのメール
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「体外受精のためのヨガセラピー」はリストラティブヨガをベースにしたプ
ログラムです。

ただし、リストラティブヨガといっても、まだまだ、あまりというか、ほと
んど知られていないので、「ポーズをとらないヨガ」といっても、なかなか、
イメージしづらいところがあると思います。

そこで、今週は参加された方からのメールをご紹介させていただくことにし
ます。


[Kさん(41歳)からのメールここから]------------

リストラクティブヨガ、とてもリラックス出来ました。
斬新な企画だと思います。
頑張らなくていいんだなぁと感じます。
といっても頑張ってしまうのですが。
楽しい3コースでした。
ありがとうございました。
スタッフの皆さんが、いい方ばかりで、治療をしている私達を心から応援し
てくださっているのだと感じました!
私は来月の治療で最後にしようと決めているのですが、結果はどうであれ、
このようなヨガがあることもわかったので、これからの楽しみが増えました!
本当にありがとうございました!

[Kさん(41歳)からのメールここまで]------------

Kさん、こちらこそです、ありがとうございました。

[Yさん(45歳)からのメールここから]------------

ちょうど採卵が済んでまもなくで、その後の分割がいまひとつ芳しくなく、
気持ちが沈みがちな状態での参加だったので、妙に先生の言葉が心にしみい
り、気がつけば涙がこぼれてしまっていました。失礼しました。
自覚はしてなかったのですが、多分、がんばって、自分を責めて、いっぱい
いっぱいの状態だったんでしょうね。先生の「自分を責めずに、自分が今こ
こにいる・・・それだけでいい」との言葉にとても勇気づけられ、元気をい
ただきました。

何もしないと聞いていたとはいえ、本当にこれでいいの?って感じで過ごし
ましたが、リラックスできて、元気になりました。

昨日、さっそく、家で代用できる物を使って2つのポーズをやってみました。
手がじんわりとして、気がつけば半分寝てしまっていたようで、タイマーの
音にびっくりして起きました。
ヨガをしたためかどうかはわかりませんが、いつにも増して昨夜は熟睡でき
たように思います(いつも熟睡してますが(笑))。勇気を出して参加して
みて、本当によかったです。ありがとうございました。

[Yさん(45歳)からのメールここまで]------------

Yさん、こちらこそです、ありがとうございました。

只今、11月コースの受講申し込みを受け付けています。
http://www.akanbou.com/yoga/


---開催概要---

・内 容:ヨガセラピー(70分)×3回
・日 程:毎月第2、3、4土曜日の15:20~16:30
・受講料:13,200円(税込)
・定 員:12名
・講 師:小山 紀枝 先生
・場 所:スタジオトゥルシー(東京都港区芝5-13-14)

---体外受精に臨む女性の"リラックス"をお手伝いするプロジェクト---

・監修者:ルナワークス代表 岡部朋子先生
http://medical-yoga.luna-works.com/index.html
http://www.akanbou.com/medical_yoga/

・監修者:東京慈恵会医科大学産婦人科講師 杉本公平先生
http://www.akanbou.com/doctor/interview18/

・運営者:株式会社パートナーズ・妊娠しやすいカラダづくり 

▼只今、11月コースのお申し込み受付中です

1)メールにてお申し込みください。
メールに「ヨガセラピー11月コース受講希望」とし、お名前、年齢、連絡
先をお知らせください。
2)受付確認と受講案内のメールをお送りします。
事務局から受付確認と受講案内のメールをお送りします。
・メール送付先:info@akanbou.com
*コース内容の詳細や受講に関してのお問い合わせもメールにて受付ます。
*体外受精のためのヨガセラピーとしていますが体外受精を受けていない
 方でも受講いただけます。

▼体外受精のためのヨガセラピー公式サイト
http://www.akanbou.com/yoga/

皆さんの受講をお待ちしています。

主催:株式会社パートナーズ・妊娠しやすいカラダづくり
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ヨガセラピーに関してのお問い合わせは下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


私たちが運営しているサイト__________________________________________

▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/

▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/

▼お子さんを望まれるふたりのためのサプリメント
→「BABY&ME」
http://babyandme.jp/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html


編集後記____________________________________________________________

いくら生殖医療が進歩しようとも、いや、生殖補助技術が進めば、進むほど、
命の誕生は人間にはまったくコントロールできない領域で進むものだという
ことを、より思い知らされるようです。

本当に、命は授かりもの、つまりは、贈り物だということですね。

命は贈り物なのであれば、私たちが生きているように自覚していても、生か
されているということになります。

自分のもののようにみえて、実は、預かり物なのだと言えるのかもしれませ
ん。

であればこそ、預かっている命は、大切に扱いたいものです。

命が喜ぶようなものを身体に取り入れ、常に、活き活きとした状態でいられ
るように、手入れして、そのおかげで営めている生活を、感謝しつつ、思う
存分、楽しみたいと、心から思います。

そんな心もちで、あたらしい命がやってくるのを待ちたいと思います。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.592
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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◎発行部数
・自社配信: 1,655部
・まぐまぐ: 4,129部
・合計部数: 5,784部(10月19日現在)
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