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妊娠しやすいカラダづくり No.604 2015/1/11
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・トピックス:なにをつづけ、なにをやめ、なにをはじめるのか?
・お知らせ:「体外受精のためのヨガセラピー」受講申込受付中
・私たちが運営するサイト
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2015年1月10日 最新ニュース
体外受精の副作用・合併症の発症率
http://www.akanbou.com/news/news.2015011001.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
今月のトピックス Jan.2015___________________________________________
なにをつづけ、なにをやめ、なにをはじめるのか?
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妊娠する前からの食生活をはじめとするライフスタイルは妊娠しやすさを
左右しますが、それだけでなく、お子さんの出生後の健康状態をも左右す
ることが、最近の研究で明らかになってきました。
未だ妊娠していない段階の、それも母親になる女性だけでなく、父親にな
る男性のライフスタイルが子どもの成人後の心臓病や糖尿病などの生活習
慣病へのかかりやすさを左右するというのですから驚きです。
つまり、生活習慣病の「生活習慣」とは、本人の生活習慣だけでなく、本
人が生まれる前の両親の生活習慣まで含むということになるわけです。
妊娠できるかどうか、ましてや、未だ見ぬお子さんが健康な人生を過ごせ
るかどうかなど、全く私たちの思い通りになるわけではありませんが、よ
い影響を及ぼすことやさまたげにならないようにすることは可能です。
新しい年のスタートに際してライフスタイルの見直しについて考えてみた
いと思います。
まずは、食生活から。
━ 食材や成分よりも食べ方(食事スタイル)
昨年末にハーバード公衆衛生大学院を中心とする研究グループが注目すべ
き研究報告を発表しました。
それは、地中海式食事スタイルに忠実な食生活をおくっている人ほど老化
が遅いことを確かめたというものです。
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g6674
一昨年、翻訳出版した「妊娠しやすい食生活」は看護師健康調査という大
規模な疫学調査で得られたデータをもとにしたものでしたが、こちらの研
究もこの看護師健康調査に参加した女性看護師4676名の食生活パター
ンと血液検査で得られた末梢白血球のテロメア長の関連を調べています。
その結果、食生活のパターンが地中海式食事スタイルに近いほどテロメア
の長さが長かったというのです。
テロメアというのは染色体の末端のことで、細胞分裂のたびに徐々に短く
なり、最終的に消失すると細胞は分裂できなくなることから、テロメアの
長さが老化の度合いを知る目安になると考えられています。そして、末梢
白血球テロメアの長さが全身のテロメアの長さの指標とされています。
地中海地方の昔ながらの食事スタイルが若さを保つ食べ方であることが分
子生物学的に確かめられたわけですが、このスタイルに近い食べ方をして
いるカップルほど、妊娠に要する期間が短いことが体外受精の治療成績が
よいという研究報告がいくつもなされています。
これまでの研究報告から受け取ることができるメッセージは、「若さを保
ち、妊娠力を維持する」秘訣は、特定の成分や食材ではなく、食べ方(食
事スタイル)にあるというものです。
具体的にみてきましょう。
1)バランスよく食べる
5大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバラ
ンス良く摂るということです。
[1]主食(ごはん、パン、麺類)
[2]おかず(肉、魚、卵、大豆製品)
[3]野菜(緑黄色野菜を意識的に)
[4]果物
[5]牛乳(ヨーグルト、チーズ含む)
この[1]~[3]を朝食、昼食、夕食の毎食、[4]果物と[5]牛乳
は運動量に合わせて1日1~2回程度摂ると5大栄養素をバランス良く摂
ることができます。
地中海式食事スタイルでは量的には以下のようになります。
・比較的たくさん摂る → 果物、野菜、豆
・中くらいに摂る → 魚介類
・中から少なめに摂る → 乳製品
・少なめに摂る → 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)
2)精製度の低い穀物
お米であれば玄米、パンやパスタであれば全粒粉を選ぶということです。
精製時に捨てられた微量栄養素を摂ることができ、食後の血糖値の上昇が
緩や
かになります。
3)加工度の低い食材
新鮮な食材を自ら調理することを心がけるということです。加工時に失わ
れたさまざまな微量栄養素を摂ることができます。
4)精製度、加工度の低い油
工業的に搾り、精製された油の代わりにエキストラバージンオリーブオイ
ルを調理に、亜麻仁油やしそ油、えごま油でドレッシングに使うことで必
須脂肪酸のバランスがよくなります。
5)間食はナッツやドライフルーツ、ヨーグルト
ナッツやドライフルーツ、ヨーグルトを間食に選ぶことで、食後の血糖値
の上昇が緩やかになり、微量栄養素を摂ることができます。
━ 和食をベースに地中海式食事法のエッセンスを取り入れる
これまで和食と生殖機能の関係を調べた研究はありませんが、よくよくみ
てみると、地中海式食事法と和食には多くの共通項があります。
それは、野菜や豆類を多く摂り、魚中心であるところです。
また、元々、和食には脂肪が少ないため、地中海式食事法の特徴であるオ
リーブオイルをふんだんに使うことを取り入れてみましょう。
おひたしや納豆、冷奴、焼き魚にオリーブオイルを使ってみると、驚くほ
ど相性がよいようです。
━ 美味しく、体調がよくなり、習慣化する
食生活とは、食べることそのものだけでなく、献立を決めること、食材を
調達すること、調理し、用意すること、片付けることを含み、まさに生活
に密接で、切り離せないものです。
そのため、食生活を見直すことは、それに付随する生活も一緒に見直すこ
とになり、レストランでメニューを選択するようにはいきません。
自分の中でしっかりとした動機づけをしなければ、簡単にはいかないと思
われます。
ただし、美味しい食事は人生の最も大きな楽しみの一つになり得るもので
すし、それによって体調がよくなるのを実感すれば、必ず、習慣化できる
とも思います。
━ 地中海式生活法につながる
妊カラで地中海式食事法のことをあれこれ取り上げるようになって数年に
なりますが、結局、地中海式食事法とは、食材の調達から、つくること、
食べることに手間ひまかけて、美味しい食事を家族で楽しみ、人生を味わ
うという生き方に密接につながっているのだなと、つくづく、思います。
実際に生活したことがないので本当のところはわかりませんが、南欧の人
たちは、伝え聞くような経済的な苦境なんてないかのごとくに、楽しそう
に生活しているように見えます。
健康なお子さんを授かったり、家族が健康になることは、あくまで、よい
食事をした結果であって、目的ではありません。
食べることは、生きていくためであると同時に楽しむためのものであり、
だからこそ、感謝し、いただくものです。
食べることを大切に考えることは、生活を大切に考え、自分や家族を大切
にすることに他ならないと思います。
お金で時間と労力を買うような方向性では、到底、おぼつかないと思いま
す。
今年も美味しく食べることにこだわり、良質な生活を楽しみたいものです。
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体外受精のヨガセラピーとは体外受精の補完療法として、「リストラティブ
ヨガ」をベースにしたプログラムです。
体外受精の補完療法とか、リストラティブヨガとか、わかりづらいところが
あると思いますので、以下のページで解説しています。
http://www.akanbou.com/yoga/idea.html
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妊治療を受けていない方も大歓迎です。
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http://funinavi.edia.ne.jp/index.html
編集後記____________________________________________________________
翻訳書「妊娠しやすい食生活」は、ハーバード大学の研究に基づいた妊娠し
やすい食べ方を紹介したものですが、あくまで、アメリカ人を対象に行われ
た研究結果です。
翻訳の際にそのことを考慮に入れ、編集が施されてはいますが、これまでは
日本人を対象にした疫学調査が行われていなかったため、海外のものを参考
にするしかありませんでした。
実際のところ、これまではアメリカのハーバード大学しかきちんとした研究
が行われていなかったわけです。
ところが、昨年から日本人を対象にした栄養と生活機能の関連を調べる試験
がスタートしています。
また、ヨーロッパでも食事スタイルと体外受精の治療成績の関係についての
信頼性の高い方法による研究がスタートしました。
今後、それらの結果が次第に明らかになってくることでしょう。
妊カラでは、それらの研究をしっかりとフォローし、皆さんに役に立つ情報
として発信していきます。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.604
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理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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