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VOL.619「出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来」を読んで

2015年04月26日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.619 2015/4/26
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・本の紹介:「出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来」
・お知らせ:体外受精のためのヨガセラピー
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2015年4月25日 美味しく楽しく食べよう
自分の体の管理をしましょう
http://akanbou.com/column/eat/20150425.html
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2015年4月24日 曇り時々雨、のち晴れますように
外国の不妊カウンセリング事情(1)アメリカ
http://u111u.info/kkdt
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2015年4月23日 最新ニュース
労働環境や健康と精子の質との関係
http://akanbou.com/news/news.2015042301.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


本の紹介 Apr.2015___________________________________________________
 
 「出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来」
河合 蘭 著
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河合蘭さんの新刊書「出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未
来」を読みました。

なんて言えばいいのか、的外れに思われるかもしれませんが、それまでモノ
クロでしか見えていなかった「出生前診断」がカラーで見えるようになった
ようだというのが正直な感想です。

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河合蘭さんと言えば、あの、「卵子老化の真実」を書かれた方です。

30代後半、40代で妊娠、出産を目指すカップル、特に不妊治療を受けて
いる女性にとって、卵子老化と出生前診断は連続したひとつづきのテーマだ
と思います。

それは、治療中は、事あるごとに、「卵子の老化(染色体異常)」を意識さ
せられ、妊娠できたらできたで、流産を心配するようになり、流産の心配を
しなくてもよくなったらなったで、今度はお腹の子に先天性疾患がないかど
うかを心配するようになり、「出生前診断」を意識するようになるからです。

一時期、「卵子は老化する!」という、マスコミが一斉に右にならえしたよ
うなセンセーショナルな報道が続いたことがありました。

高齢不妊と闘っていた私の周囲の女性たちはそんな状況にうんざりしていま
したが、「卵子老化の真実」を読み、冷静に前を向けるようになった、救わ
れたようだという感想を話してくれました。

そして、今回の「出生前診断」でも、きっと、そんな女性たちの、自分たち
らしい選択に、役立つようになると思います。

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従来、「妊娠中の胎児に医学的な問題があるかどうかを調べる出生前診断」
には、安全だけど精度が低い検査か、ほぼ正確に診断できるけど流産のリス
クが伴う検査しかありませんでした。

そんなところに、安全、かつ、精度の高い検査(確定診断ではありませんが)、
新型出生前診断(NIPT)が日本に入ってきました。

最近、出生前診断についての情報が増えたのはこのことが引き金になってい
ます。

私の周囲でもいろいろなことがありました。

2012年の夏にNIPTのことが新聞に出た後、すぐに二人の女性から電
話がありました。一人は長い不妊治療のすえに妊娠反応が出たばかりの37
歳の女性、もう一人は不妊治療中の42歳の女性からで、それぞれ、NIP
Tを受けてみたい、受ける、という、相当、前のめりな雰囲気であったのを
よく覚えています。

ところが、その後、37歳の女性からはいろいろ調べると、安易な感覚で出
生前診断を受けてはいけないように思うようになった、また、その後妊娠し
た42歳の女性からは最後のチャンスかもしれないと思うと出生前診断を受
ける勇気なんてないという心境の変化を聞くことになりました。

また、私たちが5年間運営していたファティリティレッスンに通ってくれて
いた女性が6年間のいろいろと苦労した不妊治療のすえにダウン症のお子さ
んを出産されたということがありました。

それまで、いろいろな相談にのり、彼女が頑張っている姿をみてきた身とし
ては、3人でランチに行った時の、言葉では言い表せない感情を今でも忘れ
ることは出来ません。そんな彼女から、最近、本当に幸せだなとしみじみ感
じているというメールをもらいました。

その一方で、この何年間か、ハンデのある人たちが働く社会福祉法人でお昼
ご飯を食べている関係で、毎日、ダウン症の人たちが明るく働いているのを
目の当たりにもしています。

元々、出生前診断、イコール、「お腹の中の子のダウン症の診断」、そして、
「命の選別につながりかねない」という、いろいろな意味で表面的な理解し
かありませんでしたが、いろいろなことがあって、出生前診断については、
単に、技術的な情報だけでは、到底、追いつかないし、足らないと思ってい
ました。

そんな私にとって、この本はそれまで知らなかった、知りようがなかったこ
とを教えてもらい、大切なことを気づかせてもらうことができました。

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この本の第1章、第1節は、出生前診断の本来の目的は「治療」という見出
しで始まります。

私は、そもそも、胎児治療のことについては、その存在すら知らなかったの
で、いきなり、「出生前診断」の見方が180度変わりました。

もちろん、胎児の先天性疾患で子宮内で治療可能なケースはほんの一部に過
ぎないようですが、胎児の状態に応じた分娩施設を選んだり、体制を整えた
りできるということは大きなメリットです。

そして、染色体異常は胎児の先天性疾患の4分の1にしか過ぎないこと、と
もすれば万能の検査にように思われているNIPTでわかるのはダウン症を
含めた3つの染色体異常だけであること、また、NIPT以外でも特別な画
像診断や画像診断と母体血清マーカー検査を組み合わせたコンバインド・テ
スト等、少なくともクアトロテストよりも精度の高い出生前診断があること
なども初めて知りました。

さらには、当事者である女性たちがどんな思いで出生前診断を体験したのか、
そもそも、日本ではなぜ出生前診断がタブー視されてきたのか、医師はどの
ように考え、行動してきたのか、それまでぼんやりしていたことをあきらか
にしてくれているストーリーは、まるで、推理小説を読んでいるかのようで
した。

---

生殖医療の進歩によってそれまで女性のお腹の中で進んでいたプロセスを見
ることができるようになり、妊娠の判定は昔に比べて早くから可能になり、
出生前の検査技術の進歩によって、お腹の胎児が見えるようになりました。

見たり、調べたりすることができるようになって、よい面だけでなく、同時
に、悩ましい面があることがわかりました。

ただし、現在、いずれの段階でも、知ることができるようになっただけで、
卵子や精子をつくったり、よくしたりすることや胎児治療も、全くの研究途
上です。

つまり、知ったうえで、受け入れざるを得ないということです。

出生前診断では、よく「命の選別」と表現されるからか、まるで、疾患を受
け入れるか、受け入れないかを選択できるかのように語られることがあるよ
うに思えてなりません。

ところが、どうしても疾患は受けざるを得ないのが現実です。

そして、受け入れた上でどんな選択をするか、そして、どんな選択をしたと
しても、その選択をも受け入れなければならないということだと思います。

だからこそ、最新、かつ、正確な情報を得て、全力で自分たちらしい選択を
することが大切だと思うのです。

その結果、自分たちの選択を受け入れるということは、それぞれの命を、そ
れぞれの生活を大切にするということにつながると信じます。

河合蘭さんの「出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来」は、
すべてのカップルに読んでいただきたい、読むべき本だと思います。

*「出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来」河合蘭 著
http://u111u.info/kllI

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編集後記____________________________________________________________

今日から日本生殖医学会が横浜で始まりました。最新、最先端を勉強できれ
ばと思います。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.619
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理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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