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VOL.621 新しい命を育むのは精子と卵子の協働作業

2015年05月10日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.621 2015/5/10
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今週の必読記事:黄体機能不全 学会のオフィシャルコメント
・最新ニュース解説:新しい命を育むのは精子と卵子の協働作業
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________
 
 サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2015年5月6日 曇り時々雨、のち晴れますように
同じ不妊だけど・・・
http://u111u.info/kQ4z
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2015年5月5日 美味しく楽しく食べよう
疲労回復のための生活の方法と栄養
http://www.akanbou.com/column/eat/20150505.html
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2015年5月5日 編集長コラム
断食体験がおしえてくれること
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20150505.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今週の必読記事______________________________________________________

 黄体機能不全:学会のオフィシャルコメント
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不妊治療を受けている読者の方から「黄体機能不全」と診断され、長く治療
を続けているが、なかなか、妊娠に至らないという質問が多い寄せられます。

今週の必読記事はリプロダクションクリニック大阪院長の松林先生のブログ
記事で、その「黄体機能不全」についてのアメリカ生殖医学会の公式見解が
紹介されています。

*松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ記事から

「黄体機能不全」という言葉をよく耳にすると思います。もっともらしい病
名に聞こえますが、実は「黄体機能不全」についてはよくわかっていないの
です。

黄体機能不全について、米国生殖医学会からオフィシャルコメントが出され
ていますのでご紹介いたします。

▼続きはこちらから。
http://ameblo.jp/matsubooon/entry-12023014081.html

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記事についてのご意見やご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 May.2015___________________________________________
 
新しい命を育むのは精子と卵子の協働作業
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男性の精子DNAの損傷度合いは精液検査ではわかりませんが、男性の「妊
娠させる力」の目安になるものと考えられています。

その精子DNAの損傷度合いをあらわす精子DNA断片化率が高くても妊娠
率に及ぼす影響は女性のほうの卵巣年齢次第であるとの研究報告がなされま
した。

精子DNA損傷度合いが大きくなっても卵巣年齢が若ければ妊娠率の低下は
見られなかったけでども、卵巣年齢が高くなれば妊娠率が低下するというこ
とを確かめたというものです。

━ 精子のDNA断片化率とは?

精子DNA断片化(フラグメンテーション)とは、精子の頭部に格納されて
いるDNAが損傷を受け、二重らせんの片方、もしくは、両方がちぎれるこ
とです。

そして、DNA断片化率とは射精精液中のDNAが断片化した精子の割合の
ことを言います。

精子DNAがちぎれてしまう原因としては主に酸化ストレス、すなわち、活
性酸素による攻撃によるものではないかと考えられています。

そもそも、精子の役割は男性のDNAを卵子の中に運び込むこと、この1点
に尽きます。精子が卵子に到達し、その中に進入し、役割を果たせば、瞬間
に消滅してしまいます。

ただし、それによって受精のスイッチが入り、新しい命の活動が始まるわけ
です。

そのDNAがちぎれていると、当然、受精しなかったり、受精できてもその
成育に障害が出るリスクが高くなってしまいます。

━ 精子DNA断片率と妊娠率の関係

これまで精子DNA断片化率と体外受精や顕微授精の治療成績の関係を調べ
る臨床試験がいくつも行われていますが、断片化率が治療成績に影響すると
いうものもあれば、影響しないというものもありました。

そのため、今回、中国の温州医科大学の研究チームは精子DNA断片化率の
妊娠率への影響を女性の卵巣予備能が正常な場合と低下している場合にわけ
て調べました。

2865組のカップルの男性パートナーの精子DNA断片化率を測定し、女
性の卵巣機能が正常なグループと低下しているグループにわけて、その後の
治療成績との関係を調べています。

因みに卵巣機能の低下は、FSH値が10以上、前胞状卵胞が6個未満、年
齢が38歳以上のうち少なくとも2つを満たす場合とし、いずれにもあては
まらなければ正常としています。

その結果、卵巣機能が低下している女性のカップルでは男性の精子DNA断
片化率が27%を超えると治療成績が低下していく傾向がみられましたが、
卵巣機能が正常であるカップルではそれらの関連性はみられませんでした。

また、卵巣機能が正常なカップルでも、男性の精子DNA断片化率が27%
を超えると初期流産のリスクが高くなることがわかりました。

━ 新しい命を育むのは精子と卵子の協働作業

これまで、卵子には精子のDNAの損傷を修復する働きがあることが動物実
験により確かめられています。

今回の試験でヒトの卵子でも同様の働きがあることが確かめられました。

精子のDNAに、多少、損傷があっても、卵子が修復し、事なきを得ること
もあれば、修復できず、妊娠に至らないこともある、そんなふうに考えられ
ます。

つまり、男性の精子の質の低下は、ある程度は女性の若さでカバーできるけ
れども、女性の年齢が高くなると男性側の精子の「質」が妊娠の要件になっ
てくるというわけです。

━ 精子のDNAを活性酸素から守るために

精子のDNAの断片化は、活性酸素の攻撃によるダメージが主な原因である
と考えられています。

男性は女性とは違い、毎日、新しい精子がつくり続けられています。

そのため、精子の質を低下させないようにすることは可能です。

これまで有効性が報告されている方法を挙げてみます。

1)頻繁に射精する

精子は、毎日、つくられていますので、禁欲期間が長くなればなるほど精液
中に古い精子が増えていきます。精子が古くなるとDNAに損傷を受けた精
子が増えていき、精子DNA断片率が高くなります。

そのため、頻繁に射精し、新しい精子の割合を増やすことが最も簡単で最も
有効な方法です。

具体的には、最低でも週に3回程度、これまでの研究では、毎日、射精する
男性ほどDNA断片率が低いことが報告されています。

2)活性酸素対策~禁煙

喫煙は活性酸素を大量に発生させ、精子DNAを攻撃し、確実にダメージを
与えます。

もしも、タバコを吸うのであれば、この機会に禁煙することをお勧めします。

3)活性酸素対策~食生活

新鮮な野菜や果物をよく食べる男性ほど精子DNA損傷率が低いという研究
があります。

特に色の濃い野菜や果物はポリフェノールの宝庫で強い抗酸化作用がありま
す。

3)活性酸素対策~抗酸化サプリメント

治療前から男性が抗酸化サプリメントを服用するカップルはそうでないカッ
プルに比べて、妊娠率、出産率も高くなることを確かめた研究報告が多数な
されています。

信頼のおける試験で報告されているのは、ビタミンC、ビタミンE、コエン
ザイムQ10などです。

4)薬(抗うつ剤)の服用

パロキセチン(商品名パキシル)というSSRI(選択的セロトニン再取込
阻害薬)系の抗うつ剤は、精子DNA損傷率を高めるとの報告がなされてい
ます。

特に、注意が必要なのは、精液検査の数値には影響を及ぼさず、DNA断片
率だけを高めるということです。

━ 年齢による妊娠率の低下をどう捉えるか

女性の場合、年齢が高くなるほど妊娠率が低下しますが、それに関わってい
るのは、決して、卵子の老化だけではありません。

つまり、卵子の老化はいかんともしがたいですが、それ以外に「どうにかで
きる」原因もあるわけです。

もちろん、影響力という観点で考えると、決定的と言えるレベルではないこ
とは間違いありません。

ただし、少しでもマイナスになる要因を取り除くことは、無駄ではありませ
ん。

ましてや、妊娠、出産、その後の生活の「質」まで考えに入れると、とても
意味のあることになると思います。

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当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・ヨガクラス:体外受精のためのヨガセラピー
 http://www.akanbou.com/yoga/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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編集後記____________________________________________________________


カラダの中にある内臓、その中でも、子宮や卵巣などの大切な臓器は、じぶ
んの身体であるにもかかわらず、手足のように、ちょとつかれたら、さすっ
たり、もんだりしたりして、いたわることができないところです。

でも、直接、さわることができなくても、その臓器を心の中でイメージして、
意識し、日頃の働きに感謝することで、いたわることはできるそうです。

もちろん、身体の外からさすったりするのもいいと思います。

間接的なタッチや感謝の気持ちhが絶大な威力があることが医学的にも証明
されているそうです。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.621
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理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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・自社配信: 1,997部
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