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VOL.641 「卵子の老化」で片付けてしまってもよいのか?

2015年09月27日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.641 2015/9/27
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今月のトピックス:「卵子の老化」で片付けてしまってもよいのか?
・妊カラブックセレクト:泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2015年9月26日 曇り時々雨、のち晴れますように
老後
http://u111u.info/oa69
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2015年9月26日 授かるレシピ
【ピタッと着床レシピ】フレッシュトマトの冷製パスタ
http://www.akanbou.com/column/recipe/20150926.html
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2015年9月26日 最新ニュース
卵巣機能低下女性の年齢と移植胚数別出産率
http://www.akanbou.com/news/news.2015092601.html
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2015年9月26日 曇り時々雨、のち晴れますように
笑い
http://u111u.info/oa6q
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今月のトピックス Sep.2015___________________________________________

 「卵子の老化」で片付けてしまってもよいのか?
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女性は37歳頃から急激に妊娠しづらくなります。主に「卵子の老化」のため
です。卵子の老化は治療が困難ですから、その頃から治療効果は低くなり、
1回あたりの成功率も低くなってしまいます。当然、ある程度の回数の治療
を繰り返すことになり、治療期間が長くなってしまわざるを得ません。

そのような治療を繰り返す中で、「卵子の老化」は治療できないので、とに
かく、ひたすら同じ治療を繰り返すしかない、と受け止めてしまいがちです。

ですが、治療がうまくいかなかった時、「年齢」だけで片付けてしまっても
よいのでしょうか?

いや、たとえ、30代後半、40代でも「年齢だから」だけで片付けてしまうの
は早計ではないかというのが私たちの認識です。

誤解しないでいただきたいのは、「卵子の老化」は逆転できると考えている
わけではありません。

もちろん、「卵子の老化」はいかんともしがたいのですが、妊娠しにくくさ
せているものの中に「卵子の老化」以外のものがあるかもしれない、であれ
ば、それに対処することで少しでも妊娠に近づけるかもしれない、というこ
とをお伝えしたいのです。

そのあたりのことについて整理してみたいと思います。


━ どうにかなることとどうにもならないことの線引き

まず、「どうにかなること」、すなわち、自分でコントロールできることと、
「どうにもならない」、すなわち、自分でコントロール不能なことの線引き
をすることからはじめましょう。

他人はコントロールできませんが、自分のことはどうにかなります(もちろ
ん、例外もあるかとは思いますが・・・)。

ですから、強引に言ってしまうと、線引きは「他人か自分か」です。そして、
ここで言う「他人」とは「卵子(受精卵、胚を含む)」のことです。

つまり、妊娠できるだけの力を備えた卵子や受精卵、胚は、あくまで、「巡
り会えるかどうか」であって、卵子や受精卵、胚を妊娠できるようにつくる
ことは出来ません。

巡り会えるかどうかは「運(確率論)」次第であって、コントロール不能な
領域です。

一方、自分のことは、自分がその気になりさせすれば、どうにかすることは
可能です。

卵子や受精卵、胚、そのものをどうこうすることは出来ませんが、その成育
環境は自分の体内環境ですから、コントロール出来ます。

つまり、種、そのものの善し悪しはどうにもなりません(運次第です)が、
種が健全に育ってくれるように願い、水や肥料を絶やさず、成育環境を整え
てやることは出来るというわけです。


━ どうにもならないことをどうにかしようとするのは時間とお金の無駄

当たり前ですが、私たちが取り組むべきは、自分でコントロールできる対象
や領域であって、コントロール不能なことをどうにかしようとしても、全く、
生産的ではありません。

たとえば、卵子の質を高めるために高価なサプリメントや健康食品を使用し
てみたり、代替医療に頼ってみたりしても、気休めになったり、気持ちが救
われたりするかもしれませんが、現段階では実際の効果は期待出来ません。

老化を逆転しようとすることを目的にした途端、取り組み方や取り組み内容
を間違ってしまうことになります。

当たり前ですが。


━ どうにかなることに全力投球する

当然のことですが、どうにかなることに全力投球すべきです。

ただし、時間やお金、労力などの資源は有限ですから、「何に」全力投球す
べきかは、よく考えて、優先順位を決定することが、とても、とても大切で
す。

そこで、選択する際に参考にすべきは「証拠」があるかないか、また、「証
拠」のレベルでしょう。

具体的な取り組みを挙げてみます。

1)個別的な治療を提案、実施してくれるクリニックを選ぶ

治療がうまくいかなかった時、「年齢」や「卵子の老化」だけを理由にされ
れば、患者としては取り付く島がありません。

「卵子の老化」以外に妊娠しづらくさせている個別的なものやことを十分に
調べ、それに対しての治療法やケアを提案し、実施してくれるクリニックを
選ぶことが成功の確率を左右する要素になるはずです。

2)質の高い睡眠と規則正しい生活リズム

私たちの身体は、さまざまなサイクルの「リズム」をもっていて、生殖機能
のタイミングをコントロールし、調整しています。その「リズム」をつくり
だしているのが「体内時計」です。

そのため、体内時計のズレは卵巣機能を低下につながりますが、女性が30
代後半を過ぎると、その影響が出やすくなることが最新の研究で明らかにさ
れています。

若い頃は、少々、不規則で、睡眠不足の生活が続いても、なんとかなってい
ても、年をとるとそうもいかなくなるというわけです。

早く寝て、早く起きる。同じ時間に食事をする。そして、休日でも同じリズ
ムで生活することです。

3)栄養不良にならないように5大栄養素を過不足なる摂る

新しい命にとっての成育環境、すなわち、母親や父親になる女性や男性の体
内環境は卵子や精子、受精卵、胚が健康に成育するためにとても大切な要件
です。

当たり前ですが。

そして、あるべき(理想的な)環境とは、「必要なものが多過ぎず、少な過
ぎず、それと、不要(有害)なものが少ない」ということです。

必要なものとは、酸素、水、5大栄養素です。5大栄養素とはたんぱく質、
糖質、脂質、ビタミン、ミネラルです。

何が必要なのかは明快ですが、意外にもそれを実行するのは、現代社会では
簡単なことではありません。

まとめてしまえば、深く、長い呼吸を意識すること、きれいな水を飲むこと、
なんでもバランスよく食べることに尽きます。

中でも、バランスよく、美味しく食べることには、こだわって、損はありま
せん。

また、不足しやすいビタミンやミネラルがあることも厚労省の調査で明らか
ですから、葉酸や鉄、亜鉛、ビタミンD、もしくは、マルチビタミンミネラ
ルのサプリメントで予防的に補充すべきです。

もちろん、肥満ややせ過ぎ、あるいは、高血糖など、明らかに妊娠しにくく
なるような状態があれば、そのことを最優先で改善することは言うまでもな
いことではあります。

4)見過ごされがちな男性のこと

当たり前ですが、妊娠、出産は、よい卵子とよい精子、どちらも必要です。

女性が高齢になれば、体内時計と同じように精子側にあるマイナスの要素、
たとえば、DNAの損傷などの影響を受けやすくなります。

精子のDNAに損傷があっても、女性が30代前半までであれば、受精卵の修
復能力が高いため、どうにかなりますが、高齢になると修復できなくなると
いう研究報告があります。

そのため、たとえ、精液検査で(精子の数や運動率に)問題がなくても、精
子の質を高める取り組みは決して無駄にはなりません。場合によっては、受
精率やその後の胚盤胞到達率、妊娠率が高まり、流産率が低くなるかもしれ
ません。

男性が優先的に取り組むべきことは頻繁に射精することです。マスターベー
ションも含めて、週に3回程度、出来れば、4回でも5回でも、です。それ
によって、精液中に新鮮な精子の割合が増え、DNAが傷ついていない精子、
すなわち、質の高い精子が増えるようになるからです。

また、精子の質を低下させる一番の犯人は、活性酸素による酸化ストレスで
すから、食事をはじめ、健康的な生活習慣も大切です。

これも予防的に高用量のCoQ10などの抗酸化作用のあるサプリメントを摂取
することも意味のあることです。


━ 最後に

妊娠、出産は、とても複雑、かつ、神秘的なメカニズムによって進むものの
ようです。

医学が進歩すればするほど、わからないこと、どうにもならないことがある
ということが、どんどん明らかになってきたと言ってもよいと思います。

そのため、なかなか授からない期間が長くなってくると、奇跡を求める心情
が芽生えてくることは、当然というか、とても理解できます。

ところが、高度生殖補助医療の進歩や普及は、同時にどうにかなることがあ
ることも、また明らかにしてくれました。

であれば、自分たちの身体の働きへの科学的、合理的な理解を深め、自分た
ちにできることを、理性的に優先順位をつけて、全力で取り組むことが大切
だと思います。

ただし、あくまで、「不妊原因」ではなく、「リスクファクター」ですから、
無理(ストレス)なく取り組むことも、一方では大切なことです。

ストレスになって、新たなリスクファクターを抱え込んでしまうくらいなら、
はじめからやらないほうがましだからです。

そうは言うものの、全部、「当たり前なこと」ばかりです。

当たり前なこととは、すなわち、妊娠、出産だけでなく、長い目でみても当
たり前なことなです。

妊娠できた暁には、妊娠、出産のリスクの低減にもなるでしょうし、授かっ
た曉にはお子さんの健康もつながるはずです。

もちろん、残念で悲しいことですが、妊娠に至らなかった場合でも、二人の
健康のベースにもなることだと思います。

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


妊カラブックセレクト_________________________________________________
 
 泌尿器科医が教えてるオトコの「性」活習慣病
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妊カラブックセレクトでは、「妊娠しやすいカラダづくり」の運営、編集に
携わるスタッフが、自分で読んでみて、「この本は皆さんにお勧めしたい」
と思った本をご紹介しています。

書名:泌尿器科医が教えてるオトコの「性」活習慣病(中公新書ラクレ)
著者:獨協医科大学越谷病院泌尿器科・医師 小堀善友
価格:864円(税込)
Amazon: http://u111u.info/oa6J

男性不妊の原因としては、どうしても「精子」にスポットがあてられがちな
ように思います。

ところが、男性不妊の原因はそれだけでなく、勃起できない、射精できない
といった性機能障害も少なくありません。

射精できないといっても、マスターベーションはできるけども膣内では射精
できないといったケースから、ある特定の環境というか、条件のもとでない
と射精できないといってケースもあり、とても個別性が高いもののようです。

そして、このようなことは、そうなってみないと、お子さんが授からないと
いう悩みを抱えてみないと、問題が顕在化しないというか、対策を講じられ
ないとうケースも少なくないようです。

この本は、性機能障害や男性不妊を専門とする泌尿器科医が、その豊富な臨
床経験から、その現状を伝え、その予防法や対処の仕方が説明されています。

「性」活習慣病とあるように、男性の性機能障害の中には、それまでの習慣
が原因になっているものが多く、薬物や外科治療で簡単に治せるものではな
いことに驚かれると思います。

とにかく、小堀先生、特有のセンスや視点からか、あるいは、臨床経験から
か、とてもおもしろく読めてしまいます。

もしも、性交がうまくいかないことに悩んでいるカップルは、もちろん、妊
娠を希望しているカップル、治療を受けているカップルも必読です。

そして、声を大にして言いたいのは、射精障害などの男性性機能障害に正確
に対応して(治して)くれる泌尿器科や医療機関は、ほとんど、ないという
現実です。

もしも、それによって性交がうまくできないことに悩んでいるカップルがい
らっしゃったら、小堀先生のいる(現在、小堀先生はアメリカのシカゴに留
学中ですが)獨協医科大学越谷病院のリプロダクションセンターでご相談さ
れることをお勧めします。

・獨協医科大学越谷病院・リプロダクションセンター
http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/repro/

・泌尿器科医が教えてるオトコの「性」活習慣病
http://u111u.info/oa6J


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/


編集後記____________________________________________________________

前号で触れましたが、2013年に行われた体外受精や顕微授精では40歳以上
の治療数が全体の41%、39歳以上が50%と、患者の高齢化は、まだまだ、
進行しています。

卵子の老化が主因なわけですが、よくよく考えてみると(よくよく考えなく
ても)、それは、特殊なことでも、不合理なことでもなんでもなく、当たり
前なことです。

卵も一緒に年をとっていくというわけで、そのような生理的なメカニズムが
あるということです。それ以上のことでも、それ以下のことでもありません。

そんな、否定し、動かし難い、自然なメカニズム、言ってみれば、太陽が東
から昇り、西に沈むとか、夏は暑く、冬は寒いというようなことを、楽観し
たり、悲観してみても、事態はなんにも変わりませんね。

なので、だからどうするのかについて、知恵をしぼったほうが現実的です。

たとえて言えば、暑いことを嘆くよりも、少しでも快適に過ごしたり、逆手
をとって、夏を楽しんでみる、そんな態度でいたいなと。

年齢は単なる数字です。

暦の上の年齢とカラダやココロの年齢は異なるものです。

そして、年齢をどう考え、どう行動するのかが大切なことではないかと思い
ます。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.641
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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◎発行部数
・自社配信: 1,475部
・まぐまぐ: 3,763部
・合計部数: 5,238部(9月27日現在)
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