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VOL.647 男性不妊と酸化ストレス

2015年11月08日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.647 2015/11/8
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今週の必読記事:妊娠判定陰性の時の考え方:オプション検査の是非
・最新ニュース解説:男性不妊と酸化ストレス
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2015年11月5日 曇り時々雨、のち晴れますように
夫婦生活
http://urx.red/p5U4
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2015年11月5日 授かるレシピ
【授かるベーシックレシピ】トマトと卵の中華炒め
http://www.akanbou.com/column/recipe/20151105.html
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2015年11月2日 編集長コラム
うまくいく生活習慣改善のコツを考える
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20151102.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
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今週の必読記事______________________________________________________

 妊娠判定陰性の時の考え方:オプション検査の是非
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体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療でも1回の治療でお子さんを授
かる確率は、だいたい、25%程度です。これも全体の平均であって、女性の
年齢が高くなるとこれよりも低くなります。

そうなると、最初の治療で授かることができればラッキーで、何回かの治療
を繰り返し、妊娠、出産に至るというイメージをもっておくことが大切です。

ただし、その場合でも同じ治療を漫然と繰り返すのではなく、それまでの治
療の結果を踏まえて、より妊娠に近づけるような対策を講じていくことがポ
イントになってきます。

そのことを、リプロダクションクリニック大阪院長の松林先生がご自身のブ
ログでわかりやすく解説してくれています。

▼記事はこちらから。
http://ameblo.jp/matsubooon/entry-12090858103.html
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最新ニュース解説 Oct.2015__________________________________________
 
 男性不妊と酸化ストレス
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ブリーフタイプのような肌への密着度が高い下着を着用する時間が長くなる
ほど精子の質が悪化するというアメリカのスタンフォード大学の研究者らに
よる研究結果が報告されています。

501組の妊娠を望むカップルの男性パートナーを対象に下着の種類と精子の
質の関係を調べたところ、昼間はボクサー(トランクス)タイプを着用し、
寝る時には下着をつけないというパターンが最も精子の質が高かったという
のです。

ピタッとした下着ではなく、ゆったりとした風通しのよい下着、もっと言う
と、なにもつけないのがいいというわけです。

ポイントは「熱」です。

肌に密着した下着だと「熱」がこもるので、精子にストレスを与えることに
なるのです。

それほどに、精子は「熱」に弱いのです。

━ 「体温」でさえ精子には大きなストレスになる

精子をつくっている精巣は、体内ではなく、袋に入って体外にぶら下がっ
ています。

それは、ひとえに「熱」のストレスから逃れるためで、だいたい、32〜34℃
に保たれています。

つまり、平常時の体温である37℃でさえ、精子には大きなストレスになると
いうわけで、この、たった、3〜5℃が精子にとっては「命取り」になるわけ
です。

その証拠に「停留精巣」といって、なんらかの障害で精巣が体内に留まって
いる異常があると、ほとんど精子はつくられませんし、つくられても死んで
しまいます。

このように、たとえ、体温程度の「熱」でも精子をつくる働きが損なわれて
しまうのは「酸化ストレス」が関係していることがこれまでの研究で明らか
にされています。

━ 酸化作用 vs 抗酸化作用

そもそも、男性不妊の7割以上は、原因が見当たらないけれども精子の数が
少なかったり、精子の運動性能が悪かったりするというケースです。

そのようなケースの多くで「酸化ストレス」が関与しているといわれていま
す。

酸化とは、たとえば、リンゴを切ったままにしておくと色が変わったり、鉄
が錆びついたり、 油が古くなると黒ずんだりして、劣化してしまうことを言
います。

要するにモノが空気中の酸素に触れ、反応することで起こる現象のことです。

同じような現象が体内でも起こり得ます。

体内で発生する「活性酸素」によって細胞が酸化され、障害されます。その
結果、細胞の質が低下し、働きが悪くなり、さまざまな不調や病気の原因に
なります。

酸化の犯人は「活性酸素」です。

一方、私たちの体内には活性酸素を無毒化する働き(抗酸化作用)が備わっ
ています。

その中心は抗酸化酵素です。

また、ビタミンCやE、グルタチオン、コエンザイムQ10、ポリフェノー
ルなどの抗酸化物質があります。

━ 酸化力と抗酸化力のバランスが酸化力のほうに傾いた状態

通常、酸化力と抗酸化力はバランスがとれています。

ところが、活性酸素が過剰に発生したり、もしくは、抗酸化力が低下したり
すると、酸化力が抗酸化力を上回った状態になります。

このような状態を「酸化ストレス」と言います。

つまり、酸化力と抗酸化力のバランスが酸化力のほうに傾いた状態が「酸化
ストレス」なのです。

活性酸素の発生源は多岐に渡ります。そもそも、細胞内のミトコンドリアで
エネルギーをつくる際に発生しています。

そのため、過激な運動は活性酸素を過剰に発生させます。

また、精神的なストレスや睡眠不足、そして、タバコや大量の飲酒、肥満、
高血糖、食品添加物、高温、放射能、紫外線、重金属、殺虫剤などの有害な
もの、さらに、精索静脈瘤、前立腺などの炎症、奇形精子、古い精子からも
活性酸素が大量に発生します。

さらには、禁欲期間が長くなると酸化ストレスを受けやすくなります。

一方、偏った食生活による微量栄養素不足は活性酸素から細胞を守る抗酸化
作用を低下させてしまいます。

━ 男性不妊の背景にある酸化ストレス

酸化ストレス状態、すなわち、活性酸素が過剰になって酸化力が抗酸化力を
上回ると、精子の頭部に格納されているDNAを傷つけたり、体部や尾部の
細胞膜の脂質を酸化したりします。

そもそも、精子には活性酸素から細胞を守る抗酸化酵素が十分に備わってい
ません。

また、細胞膜は主に酸化されやすい多価不飽和脂肪酸から出来ています。

つまり、精子は宿命的に酸化ストレスに弱いのです。

そのため、活性酸素は男性の遺伝情報があるDNAの二重らせんをちぎってし
まったり、精子細胞を劣化させてしまうのです。

DNAが傷つけられるとDNA損傷率が高くなり、受精率が低下したり、流産率
が高くなったりします。

また、細胞膜の脂質の酸化は細胞膜の柔軟性を低下させ、精子細胞のタンパ
ク質の酸化もあわさって運動性能が悪くなってしまいます。

このように男性不妊の背景には酸化ストレスがあるのです。

━ 精液検査が悪かったら、体外受精を繰り返しても結果が出なかったら

もしも、精液検査の結果、基準値を下回り、原因不明の乏精子症とか、精子
無力症と診断されたら酸化ストレスに着目したほうがよいかもしれません。

酸化ストレスで一時的に精子の質が低下している可能性があるからです。

また、精液検査に問題がなくても、体外受精を繰り返しても妊娠に至らない
という場合でも同様です。

体外受精、特に、顕微授精を受けるようになると、精子の数や運動率ではな
く、質が大切になってきます。

そのために酸化力と抗酸化力のバランスを意識することです。

生活習慣を見直し、活性酸素の過剰な発生を抑え、酸化力を低下させ、抗酸
化サプリメントを摂取し、抗酸化力を高めることです。

また、精索静脈瘤や前立腺炎などがないか、泌尿器科医の診察を受けておく
ことも大切です。

最後に付け加えておきたいのは、酸化ストレスは精子をつくる働きを低下さ
せる要因の1つにしか過ぎないということです。

ですから、酸化ストレス対策ですべてが解決できるわけではありません。

ただし、自らの体内環境を整え、精子の周辺の環境をよくするということは
最も大切なセルフケアであるはずです。

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・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________

オランダでヒトの精子が発見されたのは今から300年、ちょっと前だそう
です。

最初は、その特殊な形から細胞ではなく精液中の寄生虫ではないかと疑われ
ていたそうです!わかるような気がしますが(笑)。

そして、体内で作られる生殖細胞であることがわかり、さまざまな研究が行
われるようになったのは250年前になってからだそうです。

そう考えると、今や、たとえ、精液中に精子がなくても、精巣の中の精子を
用いて子供を授かることが可能になったわけで、医学の進歩には驚嘆するし
かありません。

ただ、精子をよくしたり、ましてや、つくったりすることは、まだまだ、実
際の医療現場では実用化されていません。

そう考えると、今ある精子を悪くさせないことこそが、実はとっても大切な
ことだと、つくづく、思います。

精子を大切にすることは、すなわり、自らの心と体を大切にすることに他な
りません。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.647
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理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・自社配信: 1,546部
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・合計部数: 5,293部(11月8日現在)
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