メルマガ

VOL.650 寄生虫と妊娠力が教えてくれる免疫システムの影響

2015年11月29日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.650 2015/11/29
____________________________________________________________________

今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:寄生虫と妊娠力が教えてくれる免疫システムの影響
・編集室からのお知らせ:不妊に関する市民公開講座
・当社製品&サービス
・編集後記


最新ニュース解説 Nov.2015__________________________________________
 
 寄生虫と妊娠力の関係が教えてくれる免疫システムの影響
--------------------------------------------------------------------
寄生虫が女性の妊娠する力を高めるとの研究結果がサイエンスに掲載され、
話題になっています。
http://www.sciencemag.org/content/350/6263/970

アメリカの研究者らは、南米ボリビアの先住民チマネ族の女性986人の寄生
虫感染と妊娠、出産の状況を9年間に渡って調べたあげた結果、腸内寄生虫
である回虫に感染している女性はこの部族の平均的な出産数よりも2名も多
くの子どもを出産していたというのです。因みにチネマ族では女性は平均9
名の子どもを産んでいるそうです。

ただし、それは寄生虫の種類によるようで、鉤虫に感染している女性は反対
に平均を3名下回る6名しか産んでいなかったとのこと。

特定の寄生虫をもっていると妊娠しやすくなるなんて奇異に聞こえるかもし
れませんが、そこには「免疫システム」が介在しているのではないかと考え
られています。

回虫の感染が免疫システムを妊娠に有利に働くようなメカニズムに関与して
いるのではないかというのです。

━ 免疫システムと妊娠力

そもそも、妊娠、出産がうまくいくかどうかは免疫システムにかかっていま
す。

精子や胚、胎児は、本来、母体にとっては「異物」であるため妊娠、出産が
正常に進むには免疫システムがそれらを排除しないように働く必要があるか
らです。

要するに、女性の妊娠力は免疫システムによってコントロールされている面
があるわけです。

その証拠に習慣性流産の原因の一つに免疫異常があります。

また、性交によって精子が女性の生殖器と接触することで、女性の免疫シス
テムが異物を排除しようとする働きが弱まることも研究で確かめられていま
す。

さらに、排卵期以外でも性交が免疫システムを妊娠に有利に働くように促す
ことも最近の研究で明らかにされていて、自然妊娠だけでなく、人工授精や
体外受精、顕微授精といった治療を受けていても頻繁に性交することで、女
性の身体が妊娠しやすくなると考えられています。

━ 現代人の免疫システム

現代人に自己免疫疾患やアレルギーが急増しているのは「清潔すぎること」
に原因があるのではないかとする説があります。

それらの疾患が上昇した時期と、それまで一般的だった子どもの感染症の多
くが激減した時期が見事に重なっているということがあります。

私たちが文明社会で暮らすようになる以前は、ワクチンなどなく、さまざま
なウイルスや細菌と接触していたため子どもたちの免疫システムが健全に働
いていたのに対して、現代では抗菌が徹底された環境下で生活しているため
免疫システムが過保護状態になってしまい、戦闘能力が正確に働かなくなっ
てしまったのではないかというものです。

このこと、すなわち、自然から隔離された環境での生活に慣らされてしまう
ことは、免疫システムの不調だけでなく、生活習慣病の遠因にもなっている
のではとの考えられています。

そのため、現在でも昔ながらの狩猟採集生活をおくっているアマゾンの先住
民を対象にした研究が盛んに行われています。

今回の研究もその一環なのですが、その他の研究では先進国に特有の糖尿病
や高血圧、動脈硬化、ましてや、肥満などはほとんどなかったといいます。

身体活動レベルが高く、野菜や果物、近くで狩猟した魚や動物を食べるよう
なライフスタイルが、そもそも、ヒトには最適なのでしょう。

━ 自分の免疫システムは自分で守る

現代社会に暮らす私たちにとって、免疫システムが正常に働くことは、妊娠、
出産に関わらず、健康で快適な生活を楽しむうえでもカギになるはずです。

自分の免疫システムは自分で守るしかありません。

ただ、だからといって、わざわざ、腸内で回虫を飼ったり、原始的な生活に
戻ったりというのは現実的ではないというか、私たちには、もはやリスキー
です。

やはり、免疫システムを守る「ライフスタイル」ということになると思いま
す。

心がけたいこととしては、まずは、自然に近い食べ物を食べるということで
しょうか。免疫の過剰反応を引き起こす異物抗原は主に食品から私たちの身
体に侵入するからです。

近年、加工食品やスナックが爆発的に私たちの食生活に入り込んでいます。

さまざまな添加物や化学調味料など、大量生産された生鮮食品や鶏肉、獣肉
には殺虫・殺菌剤、ホルモンや抗生物質が使用されています。

食べるものを選ぶのに悩ましいのは、種類や量で明確な線引きができないこ
とです。

神経質になってしまうのも考えものですが、安全で自然に近い食べ物を基本
にすることです。


また、腸内環境を整えることも重要なテーマです。

あと、最近、ビタミンDが免疫システムに深く関与していることもわかって
きました。不足しないように日光浴を心がけ、ビタミンDのサプリメントを
摂ることも必要かもしれません。

ただ、大切なことは心や身体全体のバランスです。免疫システムはホルモン
や自律神経とも密接に関係しています。

規則正しい生活で、快眠、快食、快便、そして、毎日、自分にあったリラク
ゼーションを習慣化し、ストレスをうまくマネジメントし、ワクワクのある
日々を楽しむことが基本です。

--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集室からのお知らせ(1)_________________________________________

 不妊に関する市民公開講座のお知らせ
--------------------------------------------------------------------
茨城県つくば市で「不妊症と向き合う」というテーマで市民公開講座が開催
されます。

開催概要は以下の通りです。

日時:2015年12月6日(日)
時間:9:30~12:00
場所:つくば国際会議場2階中ホール200
費用:無料

プログラム:
講演
9:40~10:10 「不妊治療中の私の選択」
        NPO法人Fine公認ピア・カウンセラー 池田麻里奈先生
10:10~10:55「不妊治療・健康・アンチエイジング・美肌は表裏一体
        :最先端の不妊治療から」
        ウイメンズクリニック神野 院長 神野正雄先生
11:00~11:45「子宮頸がんについての最近の話題・子宮頸がん検診と不妊」
        慶応義塾大学医学部産婦人科診療部長 青木大輔先生
質疑応答

共催:茨城県 茨城県不妊専門相談センター 茨城県産婦人科医会

・茨城県産婦人科医会
http://www.ibaog.jp/
・詳細は以下のチラシをご覧ください(PDFファイル)
http://qq2q.biz/pnRl


編集室からのお知らせ(2)__________________________________________

 不妊相談会のお知らせ
--------------------------------------------------------------------
東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第15回不妊相談会が12月
13日の日曜日に開催されます。院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治
療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不
妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。

当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣~高齢
不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事
にしています。
http://www.akanbou.com/doctor/interview06/

神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望
むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かって
いることが多くなったこと。また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわ
ち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリ
ン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。

これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべき
ことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説してい
ます。

個別相談も可能だそうです。

◎第15回不妊相談会

日程:2015年12月13日(日)
時間:14:00~16:00
場所:調布市文化会館「たづくり」
定員:26名
費用:無料

参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
042-480-3105(担当:看護師 日浦)

・詳細ページ
http://home.j07.itscom.net/ivfjinno/setumeikai.html
・ウイメンズクリニック神野サイト
http://home.j07.itscom.net/ivfjinno/index.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

11月26日、27日の2日間、第33回日本受精着床学会総会・学術講演会が東
京の有明のビッグサイトにて開催されました。不妊治療では最も大きい学会
の一つです。

私たちも例年通り、企業ブースを出展し、製品を展示しました。
http://www.babyandme.jp/blog/9699

お世話になっている、たくさんの先生方にブースにお目にかかることができ、
日頃の不妊治療の診療現場でどのように私たちのサプリメントをご利用いた
だいているのか、また、配合内容や使い方について多くのご意見やご要望、
アドバイス等、貴重な情報をいただくことが出来ました。

また、さまざまなシンポジウムやワークショップにも参加し、勉強させてい
ただきました。

大変実り多き学会でした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.650
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,568部
・まぐまぐ: 3,764部
・合計部数: 5,332部(11月29日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決し
てありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログ
ラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく
場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、
掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容
の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負い
ませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属しま
す。一切の無断転載はご遠慮下さい。