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VOL.651 夫婦仲良く、が基本中の基本

2015年12月06日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.651 2015/12/6
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今週の必読記事:「葉酸」安全性・危険情報(国立健康・栄養研究所)
・編集長コラム:夫婦仲良く、が基本中の基本
・今週のおすすめ本:卵子老化の真実
・編集室から:不妊相談会のお知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記

更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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15年12月4日 最新ニュース
原因不明の習慣性流産の男性パートナーの精子DNA断片化率
http://www.akanbou.com/news/news.2015120401.html
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2015年12月4日 曇り時々雨、のち晴れますように
おやつ
http://urx2.nu/pH3p
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2015年12月3日 授かるレシピ
【ピタッと着床レシピ】トマトジュースでお手軽スープ
http://www.akanbou.com/column/recipe/20151203.html
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15年11月29日 最新ニュース
男性不妊の男性は精巣がんの発症リスクが高い
http://www.akanbou.com/news/news.2015112901.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今週の必読記事______________________________________________________

 「葉酸」安全性・危険情報(国立健康・栄養研究所)
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妊娠前から葉酸のサプリメントを摂ることでお子さんの神経管閉鎖障害など
の先天異常のリスクが大幅に低くなります。

ところが、妊娠中の葉酸サプリメントはお子さんのアレルギーの発症リスク
を高くするとの報告があり、妊娠中も葉酸サプリの継続が懸念されることが
あります。

今回、国立健康・栄養研究所から妊娠中の葉酸のサプリメントと子の喘息発
症リスクとの関連についての研究報告が紹介されました。

以下の通りです。

2013年5月までを対象に5つのデータベースで検索できた症例対照研究また
はコホート研究5報について検討したメタ分析において、妊娠期の葉酸サプ
リメント摂取と子どもの喘息発症リスクに関連は認められなかったが、2.5
歳未満の子ども362名 (症例150名、平均1.73±0.79歳、中国) を対象とし
た症例対照研究においては、妊娠中の葉酸摂取量が36,000μg/日未満で喘
息発症リスク低下、72,000μg/日以上でリスク増加が認められた。

要するに、葉酸の摂取量次第であり、1日に36mg未満であれば喘息の発症
リスクは低下、72mg以上でリスク増加とのこと。

現在、厚生労働省が推奨しているのは1日400μg、すなわち、0.4mgです
ので、量的には喘息発症リスクについて神経質になるには及ばないというこ
とになります。

▼記事はこちらから。
http://hfnet.nih.go.jp/notes/detail.php?no=1217

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記事についてのご意見やご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集長コラム Dec.2015_____________________________________________
 
 夫婦仲良く、が基本中の基本
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リプロダクションクリニック大阪院長の松林先生は、ご自身のブログで「不
妊クリニック通院前にして欲しいこと」として、次のように書かれています。

そのまま、転載します。

「子供が欲しいけどなかなかできない」という方に是非チャレンジして欲し
いことがあります。それは、「1ヶ月間、できるだけ毎日セックスして下さ
い」ということです。本当は、1ヶ月と言わず3ヶ月くらいは毎日セックス
して欲しいと思います。それでもできなければ、不妊クリニックの受診をお
勧めします。実際、個人的に親しい方から相談を受けた時には、私はこの話
からしています。それだけで妊娠される方も少なくありません。これは、プ
ロとしての真面目なアドバイスです。

そして、最後に、「1ヶ月間文字通り「死ぬ気で」頑張ってみて下さい。」
というアドバイスで締め括られています。

どうですか?、一瞬、我が目を疑うような表現ですよね。

とにかく、セックスしまくれ!(すみません、直接的で)というのです。

お子さんを望まれるカップルに勧められるのは、たいていは、タバコやお酒、
カフェインのこと、体重のこと、葉酸のサプリメントのこと、そして、セッ
クスのタイミングについて、といったところではないでしょうか。

ところが、それらは妊娠率を上げるためではなく、妊娠率を下げないために
「自分たちで出来ること」なのです。

タイミングをあわせることは妊娠率を高めるように思われているかもしれま
せんが、そのようなエビデンスはありません。

妊娠率を上げるために「自分たちで出来ること」で確固としたエビデンスが
あるのは、セックスの「タイミングをあわせる」ことではなく「回数を増や
す」ことなのです。

ところが、このことが正確に伝わっていないように思えてなりません。

そこで、今年の最後の月のコラムで、改めて、排卵期に関わらず、不妊治療
を受けているいないに関わらず、とにかく、たくさん、セックスすることが
妊娠を目指す上で最も大切で有効であることをお伝えしたいと思います。

━ どれくらい確率が高くなるのか

セックスのタイミングや回数が妊娠率にどのように影響を及ぼすのかを調べ
た研究では、毎日、セックスを行っているカップルの周期あたりの妊娠率は
33%、それに対して、週1回では15%と、半分以下に下がっています。

また、今年のヨーロッパ生殖医学会で大変話題を集めた発表がありました。

それは、通常、人工授精では男性パートナーはクリニックのメンズルームで
採精(マスターベーションで精液を採取すること)し、人工授精を行うので
すが、その際に2回続けて(1時間以内に)採精し、2回目の精液で使った
ところ平均の妊娠率が3倍になったというものです。

このようにセックスの回数が多くなるほど、また、セックス(射精)の間隔
が短いほど、妊娠率が2~3倍に高くなることが確かめられています。

━ セックスの回数が増えるほど妊娠率が高くなる理由

セックスの回数が多くなるほど妊娠しやすくなるのは3つの理由が考えられ
ます。

1つはタイミングが合いやすくなること。2番目は精子の質が高くなること、
3つ目は女性の免疫システムが妊娠をサポートするように働くようになるこ
とです。

以下に順にみていきます。

まずは、結果としてタミングがあうようになるということ。

セックスのタイミングで最も妊娠しやすいのは排卵の2日前、その次に前日
とされていますが、現実には排卵のタイミングを予め予測することが難しい
ため、1回でタイミングを合わようとすると、かえって、はずれてしまう可
能性が高くなってしまいます。

それよりも、隔日、もしくは、毎日、セックスすることで確実性が飛躍的に
高まるはずです。

次に、精子の質が高くなるということ。

セックスの回数が増えるほど、男性の射精頻度が高まり、精子の質も高くな
ります。

前述の人工授精の際に連続した採精を行い、2回目の精子を使うことで妊娠
率が3倍になったのは精子の質がよくなったからだと考えられます。

精子の質とは精子のDNAに損傷がないということです。男性は、毎日、精子
がつくられていますが、時間がたつほど活性酸素のダメージでDNAに損傷を
受けた精子が増えていきます。つまり、精子も古くなるほど質が低下してし
まうというわけです。

そのため、頻繁に射精するほど精液中に新鮮な精子の割合が高くなり、当然、
妊娠の確率が高くなります。

最後に免疫システムのこと。

まず、妊娠、出産がうまくいくかどうかは免疫システムにかかっているとい
うことを理解しておく必要があります。

精子や胚、胎児は、本来、母体にとっては「異物」であるため妊娠、出産が
正常に進むには免疫システムがそれらを排除しないように働く必要があるか
らです。

要するに、女性の妊娠力は免疫システムによってコントロールされている面
があるわけです。

そんな中で性交で射精された精子が女性の生殖器に接触すると、その刺激に
よって、女性の免疫システムが精子や胚、胎児を攻撃しなくなるように働く
ことがわかっています。

また、女性の月経サイクルを通した性行為、そのものが、同じように女性の
免疫システムが妊娠をサポートするように働くようになることもこれまでの
研究で確かめられています。

━ 夫婦仲良く、が基本中の基本

以上のように、排卵前であろうとなかろうと、不妊治療を受けていてもいな
くても、たくさん、セックスすることによって妊娠の確率が高くなるように、
私たち人間の身体は出来ているようです。

もしも、体外受精や顕微授精を受けるようになると、その必要がなくなった
と思い、セックスがなくなってしまっていれば、認識を改めたほうがよさそ
うです。

さらに、セックスすることによって、夫婦の関係性がよくなることは、違う
次元で有利になるはずです。

最後に、しつこいようですが、もう一度、松林先生からのアドバイスで締め
くくります。

「子供が欲しいけどなかなかできない」という方に是非チャレンジして欲し
いことがあります。それは、「1ヶ月間、できるだけ毎日セックスして下さ
い」ということです。本当は、1ヶ月と言わず3ヶ月くらいは毎日セックス
して欲しいと思います。それでもできなければ、不妊クリニックの受診をお
勧めします。実際、個人的に親しい方から相談を受けた時には、私はこの話
からしています。それだけで妊娠される方も少なくありません。これは、プ
ロとしての真面目なアドバイスです。

1ヶ月間文字通り「死ぬ気で」頑張ってみて下さい。

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↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今週のおすすめ本__________________________________________________

 卵子老化の真実
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「卵子の老化」が、マスコミで盛んに取り上げられて久しくなります。ただ、
「卵子が老化すると妊娠しにくくなる」という事実を知らしめるだけでは、
無闇に、焦らせたり、煽ったりするだけ、ということになってしまいかねま
せん。

大切なのは、年齢による身体の機能の変化をどのように受け止め、それを、
「自分らしい選択」にどのように活かすかだと思います。そのために必要な
情報が得られる本です。

・妊娠しやすいカラダづくりBOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/isbn10-4166609068.html

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com

編集室からのお知らせ________________________________________________

 不妊相談会のお知らせ
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東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第15回不妊相談会が12月
13日の日曜日に開催されます。院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治
療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不
妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。

当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣~高齢
不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事
にしています。
http://www.akanbou.com/doctor/interview06/

神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望
むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かって
いることが多くなったこと。また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわ
ち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリ
ン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。

これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべき
ことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説してい
ます。

個別相談も可能です。

◎第15回不妊相談会
日程:2015年12月13日(日)
時間:14:00~16:00
場所:調布市文化会館「たづくり」
定員:26名
費用:無料

・参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
042-480-3105(担当:看護師 日浦)
・詳細ページ
http://home.j07.itscom.net/ivfjinno/setumeikai.html
・ウイメンズクリニック神野サイト
http://home.j07.itscom.net/ivfjinno/index.html


当社製品____________________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

「妊活」とは妊娠しやすくなるような活動のことを言うのであれば、極論は
すれば、毎日、セックスするのが最も有効な妊活ということになります。

まずは、ここを基本とし、たくさん、セックスすることの障害になっている
ことやものを、どのようにクリアするかを考え、実行することこそが、真の
妊活ではないでしょうか。

妊娠、出産のために「自分たちに出来ること」を考える場合、有効性から考
えた優先順位です。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.651
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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◎発行部数
・自社配信: 1,578部
・まぐまぐ: 3,759部
・合計部数: 5,337部(12月6日現在)
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