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妊娠しやすいカラダづくり No.689 2016/8/28
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今週の内容__________________________________________________________
・今週の必読記事:妊娠中の食事、子のADHDと関連か?
・今週の更新記事
・最新ニュース解説:葉酸だけでなく、ビタミンDも妊娠前から大切
・イベント&セミナーのお知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記
今週の必読記事______________________________________________________
妊娠中の食事、子のADHDと関連か?
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妊娠中の脂肪や砂糖が多い食事と出生児のADHD(注意欠陥・多動性障害)が関連するかもしれないというイギリスからの研究報告が紹介されています。
最近、妊娠前や妊娠中の食生活がお腹の子どもの出生後の健康に影響を及ぼすという研究報告が相次いでいます。
これはエピジェネティックスというメカニズムによるものと考えられていて、胎児期の母親のお腹の中の栄養素の過不足が、子どもの遺伝子発現の度合いを調節する仕組みに影響を及ぼすというものです。
今回の研究では、妊娠中の母親の加工食品や菓子類による脂肪と砂糖の多い食事を摂ることで、子どものIGF2遺伝子の発現が抑制される傾向が、早発性の問題行動を持つ子ども、問題行動の少ない子どもの両方にみられることがわかったとのこと。
お腹の中でも、生まれてからでも、成育環境というのは、あらゆる意味で大切であることがよくわかります。
▼記事はこちらから。
http://goo.gl/RlBSYk
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2016年8月23日 曇り時々雨、のち晴れますように
がん生殖
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20160823.html
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2016年8月24日 曇り時々雨、のち晴れますように
もうすぐ9月
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20160824.html
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2016年8月25日 曇り時々雨、のち晴れますように
二人目どうする?
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20160825.html
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2016年8月26日 曇り時々雨、のち晴れますように
カウンセリング事例:体外受精(2)
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20160826.html
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2016年8月27日 最新ニュース
ビタミンD濃度と体外受精の治療成績の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2016082701.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
最新ニュース解説 Aug.2016_________________________________________
葉酸だけでなく、ビタミンDも妊娠前から不足を予防することが大切
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最新ニュースで紹介していますが、体内のビタミンDレベルの指標である血中25(OH)D濃度が高いほど受精率も高かったが、妊娠率や出産率にまでは関連しないというハーバード大学の研究をご紹介しました。
http://www.akanbou.com/news/news.2016082701.html
ビタミンDは脂溶性のビタミンでキノコ類や魚、卵などに含まれていて食事からも摂取していますが、それだけでは不十分で、紫外線を浴びることで体内でもつくられています。
その働きとしては、カルシウムやリンの吸収を促進し、骨をつくり、丈夫にすることが知られていましたが、近年、生殖機能にも深く関わっていることがわかってきました。
ところが、女性は紫外線を避けるためか、ビタミンDが妊娠や出産に適切とされるレベルに達していない日本人女性が半数以上もいるという調査結果があることから、最近、妊娠に重要なビタミンとして、葉酸だけでなく、このビタミンDにも関心が高まっています。
━ イギリス政府はサプリメントによるビタミンD補充を公式に推奨
先月、7月21日、イギリスの政府機関である「The Scientific Advisory Committee on Nutrition(栄養に関する諮問委員会)」は、1歳以上の子ども、及び、成人は、特に秋から冬にかけて、1日に10μgのビタミンDをサプリメントで補充することを推奨するという公式なガイドラインを発表しました。
秋から冬にかけては、日照時間が短くなり、ビタミンDの体内の産生量が少なくなるからですが、不足している人は、通年、補充するように呼びかけています。
当然、妊娠前、妊娠中の女性もです。
体内のビタミンDレベルが低いと、生殖機能の低下や妊娠、出産のリスクが高くなるだけでなく、がんや高血圧、糖尿病、リウマチ、精神疾患、認知症、パーキンソン病、子宮筋腫、アレルギー疾患など、あらゆる病気のリスクが高くなるという研究データが蓄積されたからです。
イギリス政府は世界に先駆けて、ビタミンDのサプリメント補充を推奨したわけですが、日本ではこの手の決定にはとても慎重で、葉酸の推奨の時もそうでしたが、先進国の動向を見極めた上で決定されるのが常です。
そのため、妊娠を望んでいる当事者としては、やはり、最新の情報に基づいて各自で判断すべきではないかと思います。
━ 体内のビタミンDレベルの指標「25(OH)ビタミンD」を測定
ビタミンDが必要なレベルにあるかどうか知るには体内のビタミンDレベルの指標とされている25(OH)Dを測定します。
ビタミンDの基準は正式には定められていないのですが、最近、日本内分泌学会で発表された基準値案は、以下の通りです。
30ng/mL以上 :望ましいレベル
20以上30ng/mL未満:不足
20ng/mL未満 :欠乏
血中の25(OH)D濃度で30ng/mLがビタミンDのサプリメント利用の目安になり、妊娠を望む女性にとっての1日の摂取量の目安は800-1000IU(20-25μg)です。
ただし、どこのクリニックでも測定してもらえるとは限りません。もしも、通院しているクリニックで測定してもらえなければ、上記の量であれば、自己判断でサプリメントを使っても、決して、過剰にはなりません。
不足を予防する目的でもビタミンDのサプリメントを利用する価値はあると思います。
━ 葉酸、ビタミンD、鉄
妊娠を望む女性にとって、妊娠の成立や胎児の成長、そして、その後の家族の健康のためにも、体内の環境を整えることがとても大切です。
この10年間の分子生物学の進歩によって、昔には考えられなかったことが明らかになってきました。
生殖補助医療は、その名前の通り、新しい命の誕生を補充する医療です。
新しい命が健全に成育するのは、周囲、すなわち、母親や父親になる女性や男性の体内の環境とやりとりをして、必要な酸素や水、栄養素を取り入れて実現するわけです。
私たちにできることは、まさに、新しい命のために環境を整えること、だけです。そして、そのためにはイギリス政府機関も指摘している通り、まずは、バランスよく食べることに尽きます。
ところが、妊娠や出産になくてはならない役割を担いながら、バランスよく食べても不足しがちな栄養素があります。
たとえば、水に溶け、熱に弱いため調理で失われてしまう葉酸、また、毎月の月経で失われてしまう鉄、そして、紫外線を避けるために必要とされる量がつくられていないビタミンDなどです。
既に葉酸や鉄はサプリメントで補充することが推奨されていますが、これからはビタミンDもサプリメントによる補充が合理的な方法になっていくでしょう。
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10月2日 「妊活」についてのシンポジウム(栃木県)
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編集後記____________________________________________________________
天候が不安定な日が続くと、気圧の関係か、湿度の関係か、体調が微妙に影響を受けていることがわかります。
私たちは環境と密接な関係にあることを実感しますね。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.689
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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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