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妊娠しやすいカラダづくり No.705 2016/12/18
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説:運動習慣は男性の妊娠させる力によい影響を及ぼす
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2016年12月16日 妊娠報告
AIH10回、IVF1回の治療後、お休み中にシリンジ法で妊娠しました
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2016121601.html
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2016年12月13日 最新ニュース
3つの運動スタイルの妊娠させる力への影響:無作為比較対照試験
http://www.akanbou.com/news/news.2016121301.html
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2016年12月13日 編集長コラム
大切な栄養素の不足は「自己防衛」しなければいけない国
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20161213.html
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2016年12月9日 最新ニュース
身体活動と精子の質の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2016120901.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
最新ニュース解説 Dec.2016___________________________________________
運動習慣は男性の妊娠させる力によい影響を及ぼす
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運動習慣のない男性は、週に3-5回の運動を始めると3ヶ月から半年で精液所見が改善されることがランダム化比較対照試験で確認されました。
━ 運動習慣は男性の妊娠させる力によい影響を及ぼす
運動と男性の「妊娠させる力」の関係については、これまでは、主に、運動習慣と精液所見との関係を調査した研究でした。それらは、普段、どんな運動を、どれくらいの強度と頻度で行っているかを尋ね、精液検査の結果とどのように関連するのかを調べたもので、研究結果は相反するもので、関連するというものもあれば、しないというものもありました。
そもそも、日常の運動習慣を正確に把握するのが難しいということもあるでしょうし、ある時点の運動習慣と精液検査結果との関係がどれだけの意味を持つのかという懸念もあります。
そこで、運動習慣が果たして男性の妊娠させる力によい影響をもたらすのかを確かめるべく、ランダム化比較対照試験が行われたというわけです。
その方法は、普段、運動習慣のない男性397名をランダムに4つのグループにわけ、3つのグループには強度別の運動プログラムを6ヶ月間行ってもらい、1つのグループは、普段通り運動しないままで、定期的(運動開始前、運動開始12週間後、24週間後、運動終了7日後、30日後)に、精液検査結果や精子DNA損傷度、そして、炎症や酸化ストレス、抗酸化に関連するマーカーを4つのグループで比較するというものです。
因みに3つの強度別の運動プログラムは以下の通りです。
1)中程度の強さの継続的トレーニング
最初の3ヶ月は中程度の強さの有酸素運動(歩行/ジョギング)を1日に25-30分を週に3-4日、その後、1日に40-45分、週に4-6日に増やす。また、運動前と後には10-15分のウォーミングアップとクールダウンを行う。
2)高い強度の強さの継続的トレーニング
最初の3ヶ月は1日に40-50分のランニングマシン(強度が最大酸素摂取量の70-75%を10分、50-60%を3分を1セットとして4セット)を週に3回、その後、50-60分、5セットに増やす。また、運動前と後には10-15分のウォーミングアップとクールダウンを行う。
3)高い強度の強さのインターバルトレーニング
最初の3ヶ月はランニングマシンでインターバルトレーニング(強度が最大酸素摂取量の75-85%を1分を10セット、その間に45-50%で1分間のリカバリー)を週に3回、その後、15セットに増やす。また、運動前と後には10-15分のウォーミングアップとクールダウンを行う。
因みに、最大酸素摂取量70%とは運動直後の1分間の脈拍数が30代で145、40代で140、同様に50%とは30代で120、40代で115の運動強度のことです。
いずれの運動強度のグループも、インストラクターがフォローし、午後5時から7時の間に行われました。
最終的に261名がプログラムを完了し、その結果は、運動プログラムに取り組んだグループの男性は運動しなかったグループの男性に比べて、精液検査結果でも、その他のマーカーでもいずれも改善されました。
運動強度でみると中程度の継続的トレーニング、すなわち、適度な強度の有酸素運動を行ったグループの男性が最も改善されました。
この研究で、運動習慣は男性の妊娠させる力によい影響を及ぼすこと、そして、1日に30-40分、週に3回程度の適度な強度の有酸素運動が最も効果的であることがわかりました。
━ 運動がよい影響を及ぼすメカニズム
今回の研究では、精液検査だけではなく、精子DNA損傷度や炎症、酸化ストレス、抗酸化力のマーカーも測定しています。
そして、適度な強さの有酸素運動を行ったグループでは、炎症を促進するようなサイトカインと呼ばれる生理活性物質や酸化ストレスのレベルの低下、反対に抗酸化力の上昇が確認され、それに伴って精子DNAの損傷度が低下しています。
要するに、適度なペースのウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を習慣的に行うことで、炎症が起こりにくくなり、活性酸素と活性酸素を消去するバランスが整うことで精子にダメージを与える酸化ストレスが低くなることで、精子が悪くならないような体内環境が促進されたのではないかと、研究グループは指摘しています。
その結果、精子の量や運動能力が上昇し、質もよくなったというわけです。
━ 運動の効果は計り知れない
運動習慣による効果は妊娠させる力によい影響を及ぼすことだけに止まりません。
これまでに膨大な数の研究が行われていて、運動は、脳によい影響を及ぼし、ストレスに強くなるだけでなく、幸福感が高まったり、海馬(記憶に関わる脳の器官)が大きくなったりすることが確かめられています。
また、細胞のエネルギー産生器官であるミトコンドリアの数を増やし、活性を高めることが検証されている唯一の方法が運動なのです。
つまり、脳にも、身体にも、最も効果的なアンチエイジングが運動というわけです。
━ 運動が女性にとっても、男性にとっても妊活の柱
ウォーキングやジョギングは、工夫さえすれば、誰でも、ほとんど、コストがかからずに取り組めます。
そして、効果は多岐に渡ることを考えれば、最もコストパフォーマンスが高く、妊活の柱になると言っても過言ではないと思います。
ただし、私たちが生活する現代社会は、運動をしない、あるいは、させないで済むような仕組みが出来上がっています。
そのため、1日に30-40分の有酸素運動を週に3回以上、習慣的に行うのは簡単ではないと思います。自分たちの生活環境にふさわしい、継続できる運動の方法を考え、工夫し、実行できるかどうかがポイントになるのではないでしょうか。
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・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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編集後記____________________________________________________________
季節柄、風邪が流行しているようです。妊娠、出産に重要な働きを担うとされて、注目されているビタミンDは免疫を整える働きもあって、サプリメントで補充することでインフルエンザにかかりにくくなるという研究報告があります。
もちろん、バランスのよい食生活を心掛けることが基本ですが、やはり、免疫機能を向上させる食材もあるようです。
たとえば、「ネギ」です。
昔からネギは風邪予防にいいと言われてきましたが、富山大学でマウスを使った試験で、ネギの抽出物がインフルエンザウイルスの増殖を抑え、免疫機能を高めることを確かめたと報道されています。
驚くことに、ネギを与えたマウスは、与えなかったマウスに比べて、ウイルス投与後の抗体が3倍近かったとのこと。
ネギパワー、おそるべし!です。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.705
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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