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妊娠しやすいカラダづくり No.709 2017/1/15
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・今月のトピックス:あらためてサプリメントの使い方について考える
・当社製品&サービス
・編集後記
今月のトピックス Jan.2017___________________________________________
あらためてサプリメントの使い方について考える
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前号では妊娠中のオメガ3脂肪酸のサプリメント摂取は、出生児の小児ぜんそくの発症率を下げるという研究結果をご紹介しました。
世界で最も権威のある医学雑誌の一つに掲載されたことから、各方面で話題になったようです。ただ、私はこの論文をみて、オメガ3脂肪酸の「有効性」もさることながら、その「効果の出方」のほうに強いインパクトを受けました。
具体的に言えば、血中のオメガ3脂肪酸の濃度が低かった人には有効だったけれども、血中濃度が中くらいから高いレベルにあった人には無効、すなわち、サプリメントを飲んでも飲まなくても、子どものぜんそくの発症率は変わらなかったというものです。
つまり、サプリメントは、その栄養素が不足している人には効果が期待できるけれども、足りている人は飲んでも飲まなくても一緒だということです。
これまでのサプリメントの有効性についての研究報告の中には、足りている人が飲むと、効果がないどころか、有害になることすらあります。
このことは、サプリメントの使い方について、とても大切なこと、すなわち、サプリメントは食事を補完するものなのだということを、私たちに教えてくれています。
栄養素の中には、自分の体内でつくれないので、外から、つまりは、食べて取り入れなければならない栄養素があります。
栄養学では、それらの栄養素を「必須栄養素」と呼んでいます。
たとえば、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は、一部を除いて、ほとんど、必須栄養素で、たんぱく質では9種類が必須アミノ酸、そして、脂質ではオメガ6とオメガ3が必須脂肪酸とされています。
このことが、食事内容によって、不足したり、バランスが崩れてしまう、根本的な理由なのです。
オメガ3脂肪酸にはDHAやEPAなどの脂肪酸があり、それらは、ほぼ、魚油から取り入れることになります。
ですから、冒頭の研究報告で言えば、血中のオメガ3脂肪酸の濃度が低い人というのは、魚を、あまり、食べていない人で、血中濃度が中から高いのは、魚をよく食べている人ということになります。
そして、普段、魚をあまり食べない人はオメガ3脂肪酸のサプリメントを摂る意味があり、魚を食べている人は、あまり、意味がない、もっと言えば、普段、魚を食べない人は、まずは、魚を食べるか、それができないのであれば、オメガ3脂肪酸のサプリメントを摂らなければならないということになるわけです。
これが、サプリメントの使い方です。
このことを妊娠希望の女性を想定して考えてみます。
まずは、バランスのよい食事を心がけます。
なぜなら、食事から取り入れる栄養素で、妊娠や出産に必要とされる栄養素の中には「食事からしか」摂れない栄養素があるからです。
このことが大前提です。
そして、次に、それらの栄養素、すなわち、妊娠や出産に必要とされる栄養素の中で不足している栄養素をサプリメントで補います。
ただし、ここで大問題です。
それは、どの栄養素が不足しているかわからないということです。
現実問題として、血液検査などで測定できるものもあります。たとえば、鉄やビタミンDなどですが、ただし、すべての必須栄養素を測定するわけにもいきませんし、正確に測定するのが困難な栄養素もあり、欠乏症などが発症しない限り、把握することは出来ません。
現実的な対応としては、妊娠、出産という大切なことを望んでいるわけですから、それに必要な栄養素は食事から摂ることを覚悟するということです。
そして、念のため、すなわち、不足を予防する目的で、重要な役割を担う栄養素で不足しやすいと考えられているものをサプリメントを利用します。
具体的には、葉酸や鉄、ビタミンDです。
さらに、念には念をいれて、そして、食事だけでは自信がない、不安だと感じる方は、マルチビタミンミネラルを利用します。
最後に魚をあまり食べない人は、それにオメガ3脂肪酸を加えます。
補足しますと、上記に挙げたビタミンやミネラルであれば、たとえ、足りていても、日本人の妊娠を希望する女性を想定して適切に設計された製品であれば、過剰になったり、有害なことが起こる心配はないと考えてよいと思います。
以上が必須栄養素の不足を補うという、ある意味、本来の使い方と言えるかと思います。
次に、必須栄養素以外の成分についてどう考えればいいのでしょうか。
さまざまなサプリメントがあります。
これについては、「不足しているかどうか」ではなく、「必要かどうか」ということになります。
ただ、この「必要性」の判断はとても難しいと思います。
不妊治療を受けているのであれば、主治医の先生に相談されるのがよいと思います。
もしも、主治医の先生から明確なアドバイスが得られない場合、或いは、治療を受けていない場合は、自分で考えるしかありません。
その際に気をつけたいのは判断材料は広告や販売情報ではなく、信頼のおける科学的根拠であるべきです。
確実に言えることは必須栄養素の不足を補充する以外で、特定の成分を補充することで妊娠の補助になるような成分は存在しないということです。
最低限、イソフラボンなどの植物性エストロゲンなどはホルモン環境に影響を及ぼし、かえって、マイナスに働いたり、有害なことが起こったりするリスクがありますから、主治医の勧めがない限りは避けるのが無難です。
ただし、繰り返しますが、個別な理由で有効に働くことが確かめられている成分は存在します。そして、それは、その個別な理由を把握している主治医が判断し、推奨する形で使うべきです。
自己判断は食事の補完のみに留めていくのがよいと思います。
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編集後記____________________________________________________________
今日はサイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の「授かり待ちのあなたのためのリストラティブヨガ」の岡部朋子先生が代表理事をつとめられている「日本メディカルヨガ協会」の第1回 YMSJカンファレンス 「医療とヨガセラピーのJapan Way」に参加してまいりました。
その中で、私たちが運営していた「体外受精のためのヨガセラピー」で、参加者の方々を対象に、ヨガの効果について論文を書かれた早稲田大学の三輪浦さんの研究結果が報告されました。
不妊治療がもたらすストレスとその対処療法としてのヨーガの可能性(東京都内ヨーガ・セラピー教室の事例)です。
あらためて、ヨガの可能性を認識し直した機会になりました。
最近、話題のマインドフルネスも、ヨガの世界では大昔から当たり前に実践されていたのですね。
妊活というタイミングでヨガで自分のカラダやココロを見つめ直すことは大変な財産になると思います
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.709
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