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妊娠しやすいカラダづくり No.712 2017/2/5
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・編集長コラム:自分の身体や生活を知ることからはじめるべき
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年1月29日 最新ニュース
生殖補助医療によって生まれた子どもの認知や運動、言語発達
http://www.akanbou.com/news/news.2017012901.html
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編集長コラム Feb.2017______________________________________________
自分の身体や生活を知ることからはじめるべき
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アメリカ生殖医学会誌の2017年1月号に「Optimizing natural fertility:a committee opinion」という記事が掲載されています。
タイトルを直訳すると「本来備わっている妊娠力を最適化(最大化)する:学会見解」というもので、まさに、アメリカ生殖医学会が推奨する「自然妊娠に近づく方法」ということになります。
2003年に最初に掲載され、今回は改訂版ということですが、内容はほとんど変わっていません。
http://www.akanbou.com/topics/topics/57.html
そこで、2017年のスタートにあたって、あらためてライフスタイルの改善について考えてみたいと思います。
まずは、学会見解の改訂版の要約と推奨事項をみてみます。
■「Optimizing natural fertility:a committee opinion」の要約
・「ファータイルウィンドウ(妊娠の可能性がある性交日)」は排卵日までの6日間で、けい管粘液の量と質が変化する(量が増え、粘り気が増す)。
・ファータイルウィンドウの期間中の毎日か1日おきの性交が最も妊娠率が高くなる。ただし、週に2〜3回の頻度の性交でも同じレベルの妊娠率が得られる。
・「特定の日だけ性交すること」や「性交の体位」、「性交後の安静」などは妊娠しやすさに関係しない。
・性交回数が多くないカップルにとっては、排卵検査薬が役立つかもしれない。
・1日に1〜2単位のアルコールや1日に250mg以上のカフェインの摂取は妊娠にマイナスの影響を及ぼすかもしれない。
※アルコール1単位は、日本では中ビン1本、缶チューハイ1缶、ワイングラス1杯、日本酒で 1合とされています。また、カフェイン250mgはコーヒーで3、4杯です。
■推奨事項として
最後に以下の推奨事項を挙げています。
◎女性の年齢が高くなるほど妊娠するまでに長い期間かかるようになるので、35歳以上であれば半年間、頑張っても妊娠に至らなければ、専門医に相談するべきである。
◎月経周期が規則正しい女性であれば、ファータイルウィンドウが始まる前から毎日、もしくは、1日おきに性交するのが最も妊娠しやすくなる。
◎妊娠しようとするなら、喫煙、1日2単位以上の飲酒、ドラッグ、潤滑剤(ゼリー)の使用はやめるべきである。
■公式見解が根拠とするもの
ここまでご覧になっておわかりのように、「自然妊娠を目指すなら、とにかく、たくさんセックスしなさい!」と言っているわけです。
具体的には、「毎日」、少なくても「1日おき」、です。
これがアメリカ生殖医学会の公式見解、すなわち、不妊治療に携わるドクターが患者さんにアドバイスする際の学会指針なのです。
あとは、タバコはいけない、お酒やカフェインはほどほどに、というものです。
要するに、これらは、自然妊娠の妊娠率を左右することが検証されている「エビデンス」なわけです。
つまり、セックスの回数を増やせば、統計的に有意に妊娠率が高くなり、反対にセックスの回数が少なければ低くなることが科学的な方法で確かめられていると。
タバコやお酒、カフェインしかりです。
もっと言えば、セックスの体位や性交後の安静については、まことしやかに言われていても、きちんとした方法で確かめてみれば、妊娠率に影響しなかったということになります。
■食事については?
それでは、セックスの回数やたばこ、お酒、カフェイン以外はどうでしょうか?
アメリカ生殖医学会の見解は明解です。
「DIET AND LIFESTYLE」という章がありますが、英語のDIETは日本語で言うところの「ダイエット」ではなく、「食事」という意味です。
まずは、「肥満」や「やせ」の女性は、いずれも、妊娠率が低い、そして、排卵障害の女性にとって健康的な生活習慣は妊娠力の改善につながることが確かめられているとしています。
ところが、排卵がある女性にとって、どんな食べ方が妊娠力に影響するのかについてのデータは乏しい。たとえば、菜食や低脂肪食、ビタミンが豊富な食事、抗酸化剤やハーブ療法などはエビデンスにはなっていないとの見解を示しています。
ただし、妊娠しようとする女性は出生児の神経管閉鎖障害の予防のために1日に400μg以上の葉酸のサプリメントを服用すべきだとしています。
葉酸摂取だけはエビデンスだというわけです。
■食事についてのエビデンスを考える
アメリカ生殖医学会は食事は妊娠する力に影響することは認めるけれども、どんな食事がいいのかについてのエビデンスがないと言っています。
エビデンスがないと言っていますが、だからと言って、どうでもよい、どんな食べ方でもよいと言っているわけではありまでん。
これはどのように受け止めればいいのでしょうか。
そもそも、食生活、すなわち、栄養素の摂取は、私たちの健康を維持し、増進するうえで、絶対に避けられない大切な要素であることは間違いのないことです。
ところが、妊娠しようとするカップル、特に、妊娠しづらいという問題を抱えているカップルにとって、妊娠しやすくなるように働く「食べ方」が明らかになっていないと。
もっと言えば、適正な体重を維持したり、葉酸のサプリメントを摂取したり、毎日か1日おきにセックスしたり、タバコをやめたり、お酒の飲み過ぎやカフェインの摂り過ぎを注意することは、妊娠を希望するすべてのカップルに言えるけれども、食事については共通に言えることがないということになります。
つまり、今のままの食べ方でいいのか、それとも、改善すべきなのか、そして、改善すべきであれば、具体的、かつ、現実的にどのように改善すればいいのか、それぞれのカップルによって異なるというわけです。
このことに尽きるのではないでしょうか。
であれば、現実問題として、食事についてのエビデンスは自分たちで導かなければならないということになります。
■まずは、自分たちの身体に対する意識を高めることからはじめるべき
大切なことは自分たち、自分たちの身体の状態、そして、生活について知ること、意識を高めることからはじめるということです。
これは、他人まかせにできないことです。
そして、そのことによって、自分たちのカラダに対しての意識を高めることで、その時々のカラダやココロの「くせ」や「傾向」、「体質」に気づくことになるはずです。
また、自分たちの食生活や生活スタイルに対しての意識を高めることで、毎日の食事の「嗜好」や「傾向」、「くせ」に気づくことになるはずです。
そして、それらの「個性」のよい面、悪い面、すなわち、自分たちのカラダやココロ、食事、生活スタイルの個性の中で、妊娠、出産によい影響を及ぼすと考えられるもの、悪い影響を及ぼすと考えられるものを整理します。
その上で、現実的な問題を考慮にいれ、改めること、新たに取り入れること、止めることを考えてみて、計画にまで落とし込んでみるのです。
繰り返します、自分たちの「現在地」を把握することがスタートです。
ここが抜け落ちていては、よいとされている方法を取り入れても、効果的なライフスタイル改善にはなり得ません。
■最後に
もう一つ、強調したいのは、継続すること、試行錯誤することです。
食事や生活習慣は、特効薬のようにその効果がすぐにあらわれるわけではありません。やはり、それ相応の時間が必要になります。
そのため、継続し、試行錯誤しながら、ベストなスタイルを求めていくことが大切だと思っています。
私たちは、そのために役立つような情報を提供していきたいと考えています。
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編集後記____________________________________________________________
年が改まって、いろいろ計画を立てた方も多いことでしょうということで、改めてライフスタイルの改善について考えてみました。
ただし、いろいろと頑張る上で、キーワードは、"気持ち良く"感じること、だと思っています。義務感で取組んでも 長続きしませんし、効果があるかも大いに疑問です。 そういう意味で、義務や無理は禁物です。
朝、散歩するにしても、 朝早く、起きるのが、毎日、億劫に感じるのであれば無理することはないと思います。朝の新鮮な空気をカラダ一杯に取り込んで、カラダを動かすことが本当に気持ち良く感じるからの散歩です。
妊娠のため、健康のため、ではなく、 気持ちの良いことをみつけてみるという感覚です。
気持ちの良いことは長く続きます。
子づくりもしかり、ですね。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.712
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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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