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妊娠しやすいカラダづくり No.715 2017/2/26
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説:年齢が高くなるほど生活リズムを大切にしたい
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年2月24日 最新ニュース
男性のカフェインやアルコール摂取と精液所見やART治療成績との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2017022401.html
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2017年2月23日 最新ニュース
職場での肉体的負担や夜勤と卵巣の予備能や反応性の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2017022301.html
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今月のトピックス Feb.2017___________________________________________
年齢が高くなるほど生活リズムを大切にしたい
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夜勤や肉体的な負担の大きい仕事は、卵巣年齢を高めたり、排卵誘発剤への反応の低下を招いたりするおそれがあり、その影響は37歳以上の女性や肥満の女性に強くあらわれることが、アメリカのハーバード大学とその関連病院のマサチューセッツ総合病院の共同チームによる研究(EARTH Study)で明らかになりました(1)。
ライフスタイルは妊娠する力に影響することが知られていますが、この研究はその影響は年齢やBMIによることを教えてくれています。
■生活リズムは妊娠しやすさに影響する
生活リズムと妊娠しやすさの関係は、これまでも多くの研究報告がなされています。たとえば、同じハーバード大学による大規模調査「Nurese's Health Study3(看護師健康調査3)」では、夜の勤務のある女性は、お昼のみの勤務の女性に比べて、月経サイクルが乱れやすかったと報告しています(2)。
ただし、これまでは、月経サイクルや妊娠するまでにかかった期間を「妊娠しやすさ」の目安にしてきましたが、今回の研究をはじめとして、最近の研究報告では、妊娠率や流産率、採卵数など、妊娠しやすさを、より、直接的に把握できる目安を使われるようになっています。
生活リズム、生活パターンが妊娠しやすさに関係することが、ますます、明確になってきたというわけです。
■夏時間への移行が流産率の上昇に関係する
夏時間(Daylight Saving Time: DST)への移行が体外受精の治療成績にどのように影響するのかを調べた研究結果がボストン大学の研究グループから発表されています(3)。
アメリカでは一部の州を除いて、夏に標準時を1時間進めます。因みに2017年のサマータイムは3月12日(日)に始まり、11月5日(日)に終了します。そのため3月12日の深夜2時に、1時間進めて、3時になり、11月5日の深夜2時に、今度は1時間遅らせて1時になるという制度があるのです。
そのため、規則正しく生活している人でも、移行日には生活リズムが強制的に1時間狂わされてしまうのですが、そのことの妊娠力への影響を調べようという研究なわけです。
具体的には1,654の体外受精の治療周期を、移行の日(DST)が治療開始から胚移植前迄に起こったグループ、DSTが胚移植から21日迄の間に起こったグループ、そして、DSTが治療周期1日目から10週間後に起こったグループの3つのグループにわけ、妊娠率や流産率を比較しています。
その結果、胚移植後の21日間に夏時間に移行したグループ、すなわち、胚移植後から21日以内に1時間、時刻が進んだグループの流産率が有意に高かったというのです。全体の流産率が15.5%に対して24.2%になっています。それ以外はグループ間で違いはなかったとのこと。
専門家の間では、夜勤や夏時間の移行が治療成績に影響を及ぼすのは、いずれも体内時計が生殖機能を調節していることによるものと考えています。
■年齢が高くなると体内時計がズレやすくなる
EARTH Studyの結果で、特筆すべきは、夜勤の影響が37歳以上の女性でより明確にあらわれたということでしょう。
要するに、同じように夜の勤務がある女性でも、年齢が37歳未満と37歳以上でマイナスの影響の出方が違うというわけです。
これは、年齢による「体内時計の修復能力の差」によるものと考えられているようです。
実際に、大阪大学や立命館大学などの研究チームがマウスを使った実験で、出産適齢期の若いマウスでは体内時計のズレの影響は受けなかったのに、人間では30代半ばから40代に相当する高齢のマウスでは排卵しづらくなったことを確かめています(4)。
体内時計のズレによる影響は若い雌マウスでは修復できるけれども高齢の雌マウスではそれが出来なかったと考えられると。
■年齢が高くなるほど生活リズムを大切にしたい
年齢が高くなるほど妊娠しづらくなり、それは、主に、卵子の老化によるものと考えられています。
そして、そのことは「仕方のない」こと、すなわり、どうにもならないこと、改善のしようがないこととされています。
老化現象には逆らえないと。
ところが、年齢による妊娠率の低下や流産率の上昇の原因に、どうしようもない卵子の老化以外に生活リズムによる体内時計の乱れが修復しきれていないことがあればどうでしょう。
生活リズムを整え、体内時計をメンテナンスすることで、多少なりとも妊娠率の改善が期待できるかもしれません。
あくまで、可能性のお話ですが。
■体内時計のメンテナンス法
そこで、年齢が高くなるほど、ライフスタイルの質を意識することをお勧めします。
1)早く寝る:どんなに遅くとも23時迄には寝る。
2)早く起きる:起床後14~16時間後にメラトニンの分泌が始まります。
3)起床後太陽光を浴びる:出来れば45分以上散歩して。
4)朝食は必ず食べる。:起床後2時間以内に。
5)朝食はバランスよくしっかり食べる:リセット効果が高まる
6)以上のことを毎日同じ時間に行う:週末も同じリズムを維持
7)夜は暗くする:メラトニンの分泌
8)夜はスマホやPCをみない:メラトニンの分泌
◎文献
1)Occup Environ Med. 2017 Feb 6. [Epub ahead of print]
2)Scand J Work Environ Health 2015; 2: 194.
3)Chronobiol Int. 2017 Feb 3:1-7. [Epub ahead of print]
4)Cell Rep. 2015; 9: 1407-13.
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編集後記____________________________________________________________
体内時計を整えることは、全く、当たり前な生活習慣ばかりですね。最近では夜のスマホの操作の影響が言われています。
どれも簡単なことですが、実行が難しいものばかりと言えるかもしれません。
そして、それに代わる対策はありません。
その辺りがポイントになってくるようです。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.715
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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・まぐまぐ: 3,394部
・合計部数: 5,397部(2月26日現在)
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