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妊娠しやすいカラダづくり No.717 2017/3/12
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・トピックス:ポリフェノールをうまく活用するために
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年3月8日 曇り時々雨、のち晴れますように
友達代行
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20170308.html
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2017年3月6日 編集長コラム
妊娠力は「高める」というより「手入れ」するもの
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20170306.html
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今月のトピックス Mar.2017___________________________________________
ポリフェノールをうまく活用するために
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スーパーフードとして知られているブラジル・アマゾン原産の果実、「アサイー」に子宮内膜症の抑制効果があるかもしれないというマウスを使った研究結果が発表されました(1)。
http://www.akanbou.com/news/news.2017030401.html
このアサイー、高齢女性が体外受精が始まる前に摂取すると治療成績が改善されたという研究結果が、昨年のアメリカ生殖医学会でも発表されています。
過去に1回以上、体外受精が不成功に終わった124名の女性(平均年齢37.8歳)に、次回の治療が始まる2〜3ヶ月前から、600mgのアサイーを1日に3回摂取し、治療に臨んだところ、それまで不成功だった治療周期に比べて、採卵数や受精卵数、染色体異常のない胚盤胞数が増え、染色体異常のない胚盤胞の移植後、8割弱が出産に至ったというのです(2)。
これらは、主にアサイーに含まれるポリフェノールの強力な抗酸化作用によるものではないかと、それぞれの研究グループは考えているようです。
ポリフェノールとは代表的な植物成分で、実際、ポリフェノールには5000以上もの種類があると言われていて、ほとんどの植物がこのポリフェノールをつくっています。一つの植物でも何種類かのポリフェノールをつくって、蓄えているのだそうです。
代表的なものを挙げると、赤や青、紫の色素であるアントシアン、マメ科に含まれるイソフラボン、茶の渋み成分であるカテキン類、それらにフラボン、フラボノールをあわせてフラボノイド、そして、ぶどうの皮に含まれるレスベラトロールで有名なスチルベノイド、コーヒーに含まれるクロロゲン酸で有名なフェニルプロパノイド、また、柿の渋み成分として有名なタンニンなどです。
要するに、野菜を食べることによる健康効果は、さまざまなポリフェノールを摂取することによると言っても過言ではないわけです。
そもそも、植物は、動物と違い、動くことができないため紫外線などの環境によるダメージから自分を守る、強力、かつ、精巧な仕組みが備わっています。
その中心がさまざまなポリフェノールをつくり、蓄えておくことだというのです。
さて、アサイーを食べることで子宮内膜症の重症化予防や体外受精の治療成績改善が期待できるかもしれないというのは、アサイーが自らを守るためにせっせとつくり、蓄えたポリフェノールなどの植物成分によるものと考えられます。
よくあるキャッチフレーズ的に言えば、まさに、「自然の恵み」なわけです。
また、アサイーだけでなく、これまでもレスベラトロールやアントシアジンなども動物実験ですが体外受精の治療成績の改善効果があるかもしれないとの研究報告がなされています。
植物が活性酸素や乾燥、その他の過酷な環境から自分を守り、サバイバルするために、つくられた成分が、私たちの生殖機能を守ってくれるように働いてもらうには、どのように活用すればよいのでしょうか。
これまでの研究結果からポイントを整理してみます。
まず、現段階では、特定のポリフェノールをサプリメントとして摂取することで治療成績が改善されるというエビデンスは存在しません。
将来的にはみつかり、検証されるかもしれませんが、現時点では、特定の成分を補充するよりも、「たくさんの種類」を摂るほうがよさそうです。
そして、気をつけたいのは、多くのポリフェノールは水に溶け、吸収されやすいため、即効性はあるけれども、長続きしないということです。
そのため、こまめに摂る必要があります。
このことから、「毎食、できるだけたくさんの種類の野菜を食べること」に尽きます。
いかがでしょうか。
効果の検証がなされていない(エビデンスがない)、そして、理論的にも必然性のない、高価なサプリメントや健康食品を使うのであれば、そのお金を、毎日の野菜や果物に回すほうが合理的だと思います。
毎食(朝、昼、おやつ、夜)に、できるだけ多くの種類の野菜や果物を食べることです。
◎文献
1)PLoS One. 2016 Nov 16;11(11):e0166059
2)Fertil Steril 2016; 106: e265
◎参考書籍
植物はなぜ薬をつくるのか(文春新書)
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・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________
毎食、いろいろな野菜や果物を食べるということは、簡単なようで、結構、難しいというか、いろいろと工夫が必要になりますね。
それぞれの生活にあったやり方があると思いますが、大切なことはいろいろな種類のポリフェノールをとり、体内の環境をよくして、新しい命を待ち、迎えましょうということだと思います。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.717
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・自社配信: 2,005部
・まぐまぐ: 3,380部
・合計部数: 5,385部(3月12日現在)
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