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VOL.718 男性の脂肪のとり方に注目する

2017年03月19日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.718 2017/3/19
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・トピックス:男性の脂肪のとり方に注目する
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年3月19日 最新ニュース
男性の脂肪酸の摂取と生殖ホルモンや精巣容積との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2017031901.html
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2017年3月17日 最新ニュース
精液検査不良の男性では食事パターンと精子の質が強く関連する
http://www.akanbou.com/news/news.2017031701.html
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2017年3月15日 曇り時々雨、のち晴れますように
育てる
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20170315.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Mar.2017__________________________________________

 男性の脂肪のとり方に注目する
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食事パターンが精子の質に関連する、特に、精液検査の結果が思わしくなかった男性ほど強く関連するという研究結果がオランダのエラスムス大学から、脂肪のとり方が精子をつくる働きに影響するという研究結果がハーバード大学とムルシア大学(スペイン)から、ほぼ、同じタイミングで生殖医学誌のオンライン版に公開されています。

◎食事パターンと精子の質が強く関連する(1)

オランダのエラスムス大学では、「the Rotterdam Periconception Cohort」という研究が行われていて、妊娠前後のカップルの生活習慣と妊娠しやすさや胎児の健康の関係が調べられています。

今回の研究は、パートナーが妊娠に至った129名の男性に食事調査を行い、「健康的な食事パターン」と「不健康な食事パターン」の2つの食事パターン度を調べました。

「健康的な食事パターン」とは、シリアルや果物、豆類、野菜、オリーブオイルを、「不健康な食事パターン」とは、乳製品やマヨネーズ、マーガリン、ソース、スナック菓子、甘味菓子をよく食べるパターンとしました。

その結果、健康的な食事パターン度が高いほど、精子濃度や運動率が良好でした。また、その傾向は、総運動精子数が1000万未満の男性でより強くあらわれました。

◎オメガ3脂肪酸は精子をつくる働きにプラスの影響を及ぼす(2)

アメリカのハーバード大学とスペインのムルシア大学の研究グループは、ムルシア大学の男子学生を対象に食生活が精子をつくる働きにどのような影響を及ぼすのかを調べる「ムルシアヤングメンズスタディ」を行っています。

今回の研究は、脂肪酸の摂取状況と精子をつくる働くの指標となるホルモン値や精巣容積との関係を調べています。

その結果、オメガ3脂肪酸は精子をつくる働きにプラスに、反対にオメガ6脂肪酸やトランス脂肪弾はマイナスの影響を及ぼす可能性があることが精巣容積を介してわかりました。

◎どんな脂肪酸を摂取するかは食事次第

脂質はエネルギー源になるだけでなく、細胞膜やホルモンの材料になるというはたらきがあります。

脂肪をそのまま食べたり、飲んだりすることはなく、全て食事から摂られることになります。脂肪酸とは脂肪を構成する成分なので、どんな脂肪酸をどれだけ摂取するかは食生活で決まります。

◎脂肪酸の種類

大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸は肉の脂肪やバターなどに多く含まれ、特徴は、常温では固体であるということです。不飽和脂肪酸は植物や魚に多く含まれ、液体で存在します。

さらに、この不飽和脂肪酸は3つのグループに分けられ、オメガ6系脂肪酸とオメガ3脂肪酸、そして、オメガ9脂肪酸です。

オメガ6はリノール酸などでコーン油、ゴマ油、大豆油、紅花油、ひまわり油、サフラワー油等の植物油に多く含まれます。オメガ3系脂肪酸はアルファリノレン酸、EPA、DPAなどで魚の油、フラックスオイル(亜麻仁油)、エゴマ油、シソ油等に含まれています。オメガ9系脂肪酸はオレイン酸などでオリーブオイル、菜種油、パーム油等に豊富です。

◎オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は必須脂肪酸

オメガ6脂肪酸やオ メガ3系脂肪酸は体内で合成されないため食事からとる 必要がある「必須脂肪酸」です。この2つのバランスが身体のさまざまな働きに強い影響を及ぼします。

これらは体内で最終的に生理活性物質になるからです。

オメガ6脂肪酸からつくられる生理活性物質は炎症作用や血管収縮、アレルギー症状を強くすることに働きます。反対にオメガ3 脂肪酸からつくられるそれは、炎症抑制、血管拡張、アレルギー症状を緩和します。そのため、オメガ6が過剰に、オメガ3が不足すると、炎症が起きやすくなり、血流が悪化し、アレルギー体質が促進されると考えられています。

そして、精子をつくる働きや精子の質も例外ではないことが今回の研究で明らかにされたわけです。

オメガ6とオメガ3の摂取バランスは1:4がよいとされています。

ところが、食事次第、たとえば、加工精製食品を食べる機会が多く、魚を食べる機会が少なくなると、オメガ6脂肪酸の過剰摂取、オメガ3脂肪酸の不足を招き、両者のバランス が崩れてしまいます。

◎必須脂肪酸のバランスをよくする食べ方

まずは、オメガ6脂肪酸を取り過ぎないように、炒め物や揚げ物などの加熱料理に使う油をオリーブオイルやバターに変えます。

そして、オメガ3系脂肪酸の摂取を増やすために、イワシ、アジ、サバ、さんま、かつお、サケ、まぐろなどの魚を週に2回以上は食べ、サラダのドレッシングにはフラックスオイル(亜麻仁油)を使います。

◎出来だけトランス脂肪酸は避ける

必須脂肪酸のバランスに加えて、トランス脂肪酸を避けることも大切です。トランス脂肪酸を多く摂る男性は精巣容積が小さく、精子をつくる働きにマイナスの影響を及ぼす可能性があるからです。
トランス脂肪酸とは植物油を工業的に加工する過程で発生します。普通、植物油は液体で、酸化しやすいのですが、マーガリンやスナック菓子などに使われているショートニングは、植物油であるにもかかわらず、半固形で、安定し、保存がききます。

それは、植物油に化学的な操作を加えて、加工しているからです。そして、その加工の過程で生じるのがトランス脂肪酸です。あと、高温下で抽出精製、脱臭されたり、人工的に加工した油脂などにも、同じように、それぞれの行程で、トランス脂肪酸が生じます。

そのため、トランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニングを使ったお菓子や食品、また、ファーストフードや加工食品、冷凍食品、さらには、人工的に加工した植物油などに含まれています。

それらの食品を極力避けることです。


◎文献
1)Fertil Steril. Articles in Press March 12, 2017
2)Asian Journal of Andrology 2017; 19: 184

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当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

今年もサクラの開花がすぐそこになりました。この季節は、動物にとっても新しい生命を育む時です。

ほとんどの動物が、 草木が繁り、エサが豊富な春という季節に子供を産むのは、 生まれ来る子供たちを育むのに最も適した季節だからで、 生き物が、自然界で生き延びていくための適応であると言えます。

そして、このタイミングにちゃんと発情するのは、 日照時間の変化を動物のカラダが敏感に感じ取り。1年の内のある特定の時期に交尾活動を起こさせるように、生殖ホルモンの分泌がコントロールされるというメカニズムによるものなのだそうです。

私たち人間も、自覚するしないにかかわらず、自然の影響を強く受けています。アウトドアにいる時間を増やし、自然の息吹を肌で感じ、エネルギーを蓄えたいものです。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.718
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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