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妊娠しやすいカラダづくり No.726 2017/5/14
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説:昼に太陽光を浴びる量を増やし、夜に浴びる光の量を減らす
・今週のおすすめ本:SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
・イベント&セミナー情報
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年5月13日 最新ニュース
卵胞液中のメラトニン濃度はART成績や卵巣予備能の指標になり得る
http://www.akanbou.com/news/news.2017051301.html
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2017年5月12日 最新ニュース
食事からのコエンザイムQ10と精子の質との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2017051201.html
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2017年4月14日 曇り時々雨、のち晴れますように
5月になりましたね
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20170510.html
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2017年5月8日 編集長コラム
妊娠べからず集
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20170508.html
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info@akanbou.com
最新ニュース解説 May.2017__________________________________________
昼に太陽光を浴びる量を増やし、夜に浴びる光の量を減らす
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リプロダクションクリニック大阪院長の北宅先生のブログで、「不眠症と不妊症」というタイトルで、ART治療を受けている女性の患者さんの治療中の睡眠の状態と治療成績の関連を調べたアメリカの研究が紹介されています。
http://ameblo.jp/koetaro/entry-12268989439.html
それによると、治療周期中の睡眠の状態については、採卵の後に睡眠時間が短くなり、日中に眠気を催し、睡眠の質が低い人が増えた、そして、そして、治療成績との関連については、睡眠時間が1時間長いと、採卵数が1.5個多い傾向がみられたとにこと。
小規模の試験的な研究なので結論を導くことはできませんが、睡眠とART治療成績を調べた研究は世界でも初めてだそうで大変興味深い結果です。
睡眠の治療成績への影響については、メラトニンというホルモンを通して、いくつかの研究がありますが、最近、中国の上海交通大学から、卵胞液中のメラトニンレベルが高いほど、採卵数が多く、卵子の質も良好であることを確認し、卵胞液中のメラトニン濃度はART治療成績や卵巣予備能を予測する指標になる可能性があるという研究結果が発表されています(1)。
メラトニンは体内で合成されるホルモンで、明るくなると分泌量が減少し、暗くなると増え、睡眠に最適な状態に身体を整え、睡眠の質を高めます。
このメラトニンは、長い間、脳内の松果体から分泌されると考えられていましたが、最近の研究で、他の臓器でも分泌されており、女性の顆粒膜細胞や卵丘、卵母細胞などの末梢生殖器でも分泌されていることがわかってきました。
そのため、これらの生殖関連細胞からメラトニンを卵胞液に供給するため、卵胞内のメラトニン濃度は血中のメラトニンよりも高いことも確かめられています。
体内の血液中よりも卵胞液中に高濃度のメラトニンが存在するということは、当然、何らかの役割を担っているからで、それは、卵胞液中で最も強力な抗酸化作用を発揮し、特に排卵時の酸化ストレスから卵母細胞を守ることです。
実際に前周期に受精率が悪く、治療が不成功に終わった患者さんをに採卵周期の月経5日目から採卵に前日まで1日に3mgのメラトニンを夜の10時頃に飲んでもらったところ受精率が改善したという研究があります(2)。
やはり、睡眠の質は妊娠、出産にふさわしい身体の状態にはとても大切なことなのでしょう。
考えてみれば、私たちは眠ることで、休息し、全身の細胞をメンテナンスし、新しくつくっています。
つまり、眠ることで身体を再生し、若さを保っているわけです。妊娠、出産に睡眠の質が深く関わっているのは、当然過ぎることでしょう。
それでは、睡眠の質を高めてくれるメラトニンはどのようにすれば増えるのでしょうか?
もちろん、サプリメントで補充するという方法もありますが、アメリカではサプリメントなのですが、残念ながら日本では医薬品であり、医師から処方してもらう必要があります。日本ではホルモンは自己判断で補充すべきでないと考えられているわけです。
誰でも実行できるのは、昼間に太陽光を浴びる量を増やし、夜に浴びる光の量を減らすことです。
特に朝に太陽の光にあたることが効果的なようなので、たとえば、起床後のウォーキングなどは理想的です。たとえ、それができなくても、意識して、日中、短い時間でも外に出て、太陽光を浴びることです。
そして、夜は反対に光を浴びないこと。たとえば、就寝前のスマホやタブレット、PCは禁物です。
とにかく、昼は太陽にあたり、夜は暗くする。このメリハリがメラトニンの分泌を活発にするようです。
これが、人間の身体や心の働きが最もよくなる生活スタイルだと言えると思います。
大変興味深いことに、昼間に太陽の光を浴びることで、もう1つのメリットがあります。それは、ビタミンDが合成されることです。
ビタミンDは、最近、生殖機能に深く関連していることがわかってきて、不妊治療や不育治療でも注目されています。
冬場や紫外線をカットする女性の間ではビタミンD不足が蔓延していると言われています。
このビタミンD、実は睡眠とも関わっています。アメリカのルイジアナ州立大学の研究で、ビタミンDが不足している人は昼間に眠くなるリスクが高いとの報告がなされています(3)。
今更ながら、昼間に太陽の光を浴びることで、私たちの体内のあらゆるメカニズムを介して、身体や心の状態を正常に保つような仕組みになっているということに驚きを禁じえません。
明るくなれば活動し、暗くなれば休むという、人間にとって最適な生活スタイルが当たり前でなくなった現代社会を、便利で快適な環境だと信じている私たちの認識が問題なのかもしれません。
◎文献
1)Reproduction 2017; 153: 443
2)J Pineal Res 2008 ; 44 : 280
3)J Clin Sleep Med. 2012; 8: 693
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今週のおすすめ本____________________________________________________
SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
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食事と運動、そして、睡眠はアンチエイジングの3本柱とされていますが、もしかしたら、質の高い睡眠を確保することは一番難しいことかもしれません。
なぜなら、快適で便利な、もはや、現代社会では当たり前になってしまった生活スタイルは、ことごとく、睡眠の質を低下させてしまうことだらけだからです。
この本を読んで、つくづく、そう思いました。そして、この本で妊娠しやすいカラダをつくる睡眠の技術を得られることを、心からお勧めしたいと思います。治療のしようがないと診断された病気を睡眠の質を高めることで克服した自らの経験をベースにしたアメリカ人のストレングス・アンド・コンディショニングコーチの著書です。
・妊娠しやすいカラダづくりBOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/isbn10-4478101620.html
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編集後記____________________________________________________________
今週のおすすめ本で紹介した「SLEEP」は、本当に、おもしろく、かつ、実用的な内容です。睡眠の質を高めるための21の対策がまとめられています。
私自身もその効果を実感しています。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.726
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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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