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VOL.730 食事は生殖機能の根本を支える

2017年06月11日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.730 2017/6/11
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:食事は生殖機能の根本を支える
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年6月10日 最新ニュース
PCOS女性の食事パターンと妊娠率
http://www.akanbou.com/news/news.2017061001.html
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2017年6月5日 編集長コラム
夜はスマホを遠ざけたほうがよいかもしれない ~光環境と卵子の老化
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20170605.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Jun.2017__________________________________________

 食事は生殖機能の根本を支える
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同じPCOSと診断された女性でも食事のパターンによって、PCOSの病態や程度、そして、妊娠しやすさが異なるという最新の研究報告が、オランダのエラスムス医科大学のグループによって発表されました。
http://www.akanbou.com/news/news.2017061001.html

そもそも、多嚢胞性卵巣症候群と呼ばれているように、PCOSの病態や重症度は、まったく、一様ではなく、PCOSと診断されても、すぐに妊娠できることもあれば、排卵を起こすのに苦労する場合もあり、さらに、体外受精を繰り返しても質のよい卵がなかなか採れないということも珍しいことではなかったりするようです。

要するに、PCOSと言っても、いろいろな程度があるというわけです。

なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。

それは、PCOSの女性には、もともと、遺伝的な要因があって、その上に環境的な要因と相互に影響し、発症するからではないかと考えられています。

そのメカニズムはとても複雑なもののようですが、遺伝的な要因は私たちにはどうすることもできませんが、環境的な要因の中には、私たちの努力でどうにかできるものもあります。

食事や運動、睡眠などの生活習慣です。

そこで、今回の研究グループは、食事の影響がPCOS女性のPCOSの病態のあらわれ方や妊娠しやすさにどのように関連するのかを調べました。

具体的には、食事の影響を、過去1ヶ月間の食品の摂取量や摂取頻度を調べ、そこから「健康的な食事パターン度」と「不健康な食事パターン度」の強さで算出し、PCOSのあらわれ方の1つである高アンドロゲンや高AMH、そして、研究期間内の妊娠の有無との関連を調べました。

健康的な食事パターンと不健康な食事パターンの特徴は以下の通りです。

・健康的な食事パターン:野菜やシリアル、豆を多く、脂肪や肉、スナック菓子、卵、アルコールを少ないく食べる食べ方

・不健康な食事パターン:精製穀物、液体脂、マーガリン、ソース、スナック菓子、砂糖を多く、果物や全粒穀物、スープ、乳製品、ナッツ、魚を少なく食べる食べ方

その結果、健康的な食事パターン度が強いPCOS女性はそうでない女性に比べて高アンドロゲンになりにくく、AMHも高くなり過ぎず、そして、妊娠しやすかったというものでした。

もちろん、この研究結果をもって、PCOSの女性にとって食生活を改善することで妊娠率が高くなるという結論を導くことは早計です。

今回の研究は、あくまで、統計的に有意な関連が認められたというもので、因果関係を突き止めたものでなければ、比較対照試験で食生活の改善の有効性を検証したものでもないからです。

ただし、食事がPCOSの遺伝的な傾向のあらわれ方に影響を及ぼしている可能性が高いこと、そして、特定の食品や食材、栄養素ではなく、食事パターン、すなわち、食べ方に目を向けるべきであることを教えてくれています。

このことから、PCOSと診断され、排卵誘発剤による治療や体外受精、顕微授精を受けて妊娠を目指す場合でも、健康的な食生活を実行することで、早期の妊娠や治療のステップダウンが期待できるようになるのかもしれません。

考えてみれば、私たちは食べて、さまざまな栄養素を摂取し、エネルギーをつくり、体をつくっているわけで、食事が生殖機能の根本を支えてくれていることは間違いありません。

ただし、同じ食事をとっても、遺伝的な体質は、人、それぞれに異なり、うまく利用できる人もいれば、うまく利用できない人もいます。

つまり、普通の食事をしていても、病気のリスクが高くならない人もいれば、高くなる人もいるというわけで、もしも、後者のような遺伝的な体質であれば、健康的な生活習慣を徹底して、ようやく、そのリスクを平均レベルに下げることができるようになるのかもしれません。

また、PCOSの女性は、将来、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病を発症するリスクが高いとも言われています。

そのため、もしも、妊娠を希望して、PCOSであることがわかり(そのようなケースが多いようです)、そのことがきっかけで、生活習慣を改善し、その後も実行することで、将来の生活習慣病の発症リスクが平均レベルどころ、もっと下回り、よりレベルの高い健康な生活を手にいれることになるかもしれません。

まさに、災い転じて福となすということになります。

そして、食事の影響、そして、どんな食事がいいのかについて、まったく、一概には言えないと、つくづく、思い知らされます。

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当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

昨日は第4回母子栄養懇話会学術集会が東京で開催され、参加し、セミナーを共催させていただきました。
http://4boshi.org/

学会長の産婦人科舘出張佐藤病院院長の佐藤雄一先生は、「低出生体重児減少のために今できるコトプレコンセプションケアについて」というテーマで講演を聴講し、女性にとって、妊娠前からの食事の影響の大きさと大切さを、あらためて痛感しました。

その影響からか、今回の記事には、一層、力が入ってしまいました。

妊娠前から健康的に食べる習慣を身につけることのメリットは計り知れないと思います。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.730
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・自社配信: 2,019部
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・合計部数: 5,314部(6月10日現在)
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