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VOL.749 睡眠時間が短くても長くても精子の質が低下する

2017年10月22日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.749 2017/10/22
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:睡眠時間が短くても長くても精子の質が低下する
・イベント&セミナー情報
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年10月20日 曇り時々雨、のち晴れますように
ネガティブ
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20171020.html
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2017年10月19日 妊娠報告
4回のIVF、2回のICSIの後、治療のお休み中に43歳で自然妊娠
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2017101901.html
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最新ニュース解説 Oct.2017__________________________________________

 睡眠時間が短くても長くても精子の質が低下する
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睡眠時間が長すぎても、短すぎても、精子数が少なくなり、未成熟な精子が増えること、そして、睡眠時間を改善することで精子数も改善される可能性のあるという研究結果が中国から報告されました。

日本の成人5人に1人が睡眠に関わる何らかの問題を抱えているとの調査研究があります。

そのため、精液検査の結果、基準値を下回ったり、精液検査で精子数や運動率が基準を超えていても、パートナーの女性側に原因がないのにもかかわらず、ARTを繰り返しても妊娠に至らない場合、精子の質を改善すべく、男性の睡眠を見直すとよいかもしれません。

以下、中国の中国人民解放軍第三軍医大学の研究チームによる2つの研究結果を紹介します。

■睡眠時間と精子数は逆U字形の相関関係にあるという研究結果(1)

2013年に中国の重慶市の男子大学生796名にミュンヘンクロノタイプ質問紙に回答してもらい、睡眠時間を測定し、睡眠時間と精液量や精子数との関係を調べました。

その結果、睡眠時間と精液量や精子数は逆U字形の相関関係にあり、1日の睡眠時間が7.0-7.5時間の男性が精液量、精子数とも最も高くなり、それよりも睡眠時間が短くても、長くても、少なくなることがわかりました。

1日の睡眠時間が7.0から7.5時間の男性に比べて、9時間以上の男性は精液量で21.5%、総精子数で39.4%少なく、同様に、6.5時間以下の男性は4.6%、25.7% 、それぞれ、少ないことがわかりました。

また、翌年の2014年には同じ対象者の内、656名の睡眠時間を測定し、昨年の睡眠時間と比較し、精液量や精子数の変化との関係を調べました。

その結果、1 日の睡眠時間が 2013 年から 2014 年にかけて、 7.0-7.5 時間に近づいた男性では精液量や精子数が増えたことがわかったとのこと。

■睡眠時間と精子の質も逆U字形の相関関係にあるという研究結果(2)

同じ対象者に対して、今度は睡眠時間と精子の質にも関連性があるのかを調べました。

精子の質は、SCSA(精子クロマチン構造検査)やコメットアッセイで、精子の精子の細胞核内にあるDNAとタンパク質の複合体である、クロマチンの構造が正常かどうかを調べました。

その結果、1日の睡眠時間が7-7.5時間より長くても、短くても、DNAの成熟が不十分(未熟)な精子の割合をあらわす高DNA染色性が高く、1日の睡眠時間が9時間以上、あるいは、6.5時間未満の男性は、高DNA染色性が7-7.5時間の男性に比べて、それぞれ、40.7%、30.3%、低いことがわかりました。

ただし、DNA損傷指数やコメットアッセイのパラメーターとは関連しませんでした。

■睡眠時間が長すぎても、短すぎても精子の数も、質も、悪くなる

睡眠時間と言えば、不足を懸念しますが、もちろん、睡眠時間が短すぎるのもよくないけれども、それだけでなく、長すぎても、精子の数にも、質にも、悪い影響を及ぼすようです。

要するに、睡眠不足も、寝過ぎもよくないということのようです。

特に、睡眠時間と精液量と精子数の関連が認められたことから、精子の質でも同じような関連があるのではないかと予測し、精子の質の指標とされているDNA断片化指数や高DNA染色性を測定し、同様の関連があることを確かめました。

DNA断片化指数や高DNA染色性は、SCSA検査(精子クロマチン構造検査)で、精子の中のDNAの状態を調べ、どの程度の割合で精子のDNAが損傷しているのかを調べ、測定されます。

DNA断片化指数はDNAが断片化している異常のある精子の割合のことで30%以下が正常、高DNA染色性はDNAの成熟が不十分な精子の割合のことで10% 以下が正常とされていて、DNA断片化指数が30%以上になったり、高DNA染色性が10%以上になると、自然妊娠や人工授精による妊娠が難しくなり、体外受精や顕微授精の治療成績も低くなるとされています。

■男性の睡眠を見直す

原因が見当たらないのに精子数が基準値を下回ったり、パートナーの女性側に原因が見当たらないのに体外受精や顕微授精を繰り返しても結果が伴なわない場合、男性の睡眠を見直すことで改善が期待できるかもしれません。

不妊治療、特に、体外受精や顕微授精の治療成績を改善するのに、自分たちにはどうすることもできないこともありますが、睡眠時間のようにどうにかできることもあります。

どうにもできないことではなく、どうにかできることこそを、どうにかすることが大切だと思います。

文献)
1)SLEEP 2016; 39: 79
2)J Sleep Res. 2017 Oct 9. [Epub ahead of print]

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編集後記____________________________________________________________

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