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妊娠しやすいカラダづくり No.751 2017/11/5
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・編集長コラム:残留農薬と体外受精の治療成績の関連研究から「食べ方」を考える
・イベント&セミナー情報
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年11月01日 最新ニュース
野菜や果物からの残留農薬の摂取と治療成績との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2017110101.html
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2017年10月31日 最新ニュース
妊娠前のビタミンD摂取量と妊娠糖尿病の発症リスク
http://www.akanbou.com/news/news.2017103101.html
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編集長コラム Nov.2017______________________________________________
残留農薬と体外受精の治療成績との関連研究から「食べ方」を考える
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残留農薬の多い野菜や果物を多く食べる女性ほど体外受精の妊娠率や出産率が低く、残留農薬は生殖力の低下に関連するという、ハーバード大学による研究結果が10月30日に医学誌に発表され、アメリカでは大きな話題になっているようです。
残留農薬、すなわち、野菜や果物に残った農薬は、決して、ゼロではなく、生産者が栽培時に散布した農薬は出荷後も残っています。そして、ヒトの尿中で確認されていることから野菜や果物を食べることで体内に取り込まれていることは間違いありません。
ただし、残留農薬は「あるかないか」ではなく、「どれくらい」、すなわち、量の問題であり、それぞれの国の監督官庁(日本では厚生労働省)は、人の健康に害を及ぼすことがないように残留基準を定めているわけです。
もちろん、人体実験を行うわけにはいかないので、動物実験で安全だろうと考えられる基準が決められているわけですが、全ての野菜や果物を輸入物も含めてチェックするわけにはいきません。
そのため、残留農薬に対して、漠とした心配は常にあるのでしょう。オーガニックや無農薬がもてはやされていることがなによりの証拠です。
そんな中、残留農薬の摂取量と体外受精の治療成績の低下が関連することが、初めて、ハーバード大学の研究により示され、発表されたことは、ショッキングではありますが、「やはりそうか」感もなくはありません。
そこで、この研究結果をどう受け止めるべきかを考えてみました。
■どのような研究が行われたのか?
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは、関連病院のマサチューセッツ総合病院で体外受精や顕微授精を受けているカップル325名の女性にを対象に残留農薬の摂取量と治療成績の関連を調べる研究を行いました。
まずは、治療開始前に食物摂取頻度調査票を使い、過去1年間の食物の摂取頻度と1回のおよその摂取量を調べました。
そして、米国農務省の農薬データプログラムをもとに野菜と果物の残留農薬レベルをスコア(0-6)化し、野菜や果物を残留農薬スコアが4以上の「高レベル」と、スコアが3以下の「低〜中レベル」に分類しました。
さらに、残留農薬高レベルと低〜中レベル、それぞれの野菜や果物の摂取量で4つのグループにわけ、その後の541治療周期の治療成績との関連を解析しました。
■どのような結果がだったのか?
残留農薬高レベルの野菜や果物の1日の平均摂取量は1.7皿、低レベルの野菜や果物は2.8皿でした。
そして、残留農薬高レベルの野菜や果物を多く食べている女性ほど妊娠率や出産率が低く、最も多く食べている女性(1日2.3皿以上)は、最も少ない女性(1日1皿未満)に比べて、妊娠率が18%、出産率が26%低いことがわかりました。
その一方、残留農薬低レベルの野菜や果物を多く食べる女性ほど治療成績が良好でしたが、有意差は認められませんでした。
次に、流産のリスクとの関連を調べたところ、残留農薬高レベルの野菜や果物の摂取量が多いほど流産率が有意に高く、残留農薬高レベルの野菜や果物の摂取量が少ない女性から順番に、7%、23%、24%、そして、34%でした。
■なにがわかったのか?
残留農薬の多い野菜や果物の摂取量と治療成績の低下が統計学的に有意に関連することがわかりました。
あくまで、関連することがわかったということで、残留農薬の摂取が原因で治療成績が低下したという因果関係が確かめられたわけではありません。
また、残留農薬の摂取量は、野菜や果物の摂取する頻度と量を自己申告で回答し、その内容から米国農務省の残留農薬データをもとに推定したもので、体内のレベルを血液や尿のサンプルから、直接、測定したものではありません。
さらに、そもそも、今回の研究はアメリカで実施されたものであり、食習慣や文化、人種が異なり、野菜や果物の残留農薬の種類や量、そして、ヒトへの影響についても、そのまま、日本にあてはめるわけにはいきません。
そのため、明確な結論を導くにはこれからより精度の高い研究データを積み重ねていく必要があり、残留農薬と治療成績の関係についての研究がスタートしたということに過ぎません。
ただし、残留農薬の摂取が治療成績にマイナスの影響を及ぼすことが初めて示唆されたということは、神経質になるほどではありませんが、全く、無視することもできないというところでしょうか。
■残留農薬対策をどう考える?
残留農薬は「あるかないか」ではなく、「量」の問題です。そのため、「排除」ではなく、「減量」を目指すのが現実的です。
もちろん、今後、野菜や果物は、全て、オーガニックや無農薬のものに切り替えることに越したことはないでしょう。
ただし、コストがかかりますので、まずは、可能な範囲で安心な食材を選ぶというスタンスでよいのではないでしょうか。
また、調理の際の処理や工夫がとても大切です。
農薬は主に作物の上から散布されるので、当然、地面から上に出ている作物の表面に残りやすく、葉物や地上で育つ野菜や果物に残留量が多く、地中で育つものには少ないと言われています。
そのため、残留農薬が多い野菜や果物は、流水で洗うだけでなく、しっかりとこすり洗いするだけでも激減するそうです。
そして、最も大切なことは、自らの身体の排泄能力や有害な物質の中和能力を高めることでしょう。
現代社会では、残留農薬だけでなく、さまざまな環境ホルモンや食品添加物など、身体に有害な影響を及ぼすおそれのあるものを完全に避けることは不可能です。
であれば、健全な自浄能力を維持することが最も重要になってくるのではないでしょうか。
そのためには、いろいろな食材をバランスよく食べることと適度な運動習慣がカギになるでしょう。
いろいろな食材を食べることがさまざまな成分の相互作用を促し、そのことによって有害な物質のマイナスの影響を打ち消すことがこれまでの研究で確かめられています。
また、運動習慣による発汗や血流促進は、そのまま、排泄作用を正常に維持することにつながります。
いずれも私たちに備わった当たり前な機能です。
それらの機能が普通に発揮されるような生活習慣心がける以上の対策はないように思います。
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