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VOL.758 2017年を振り返って(2):不要なものは摂らない

2017年12月24日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.758 2017/12/24
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・2017年を振り返って(2):不要なものは摂らない
・イベント&セミナー情報
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年12月24日 曇り時々雨、のち晴れますように
事後報告
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20171224.html
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2017年12月21日 特集
冬はビタミンD欠乏に注意
http://www.akanbou.com/topics/topics/74.html
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2017年12月19日 編集長コラム
ART全盛時代だからこそ、性生活の大切さを考える
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20171219.html
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2017年12月18日 曇り時々雨、のち晴れますように
意味づけ
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20171218.html
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2017年を振り返って(2)___________________________________________

 不要なものは摂らない
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前号から2017年を振り返っています。

今週は、「不要なものは摂らない」ということで、妊活によい!と言われているからといって、何でも摂ればいいというものではないというお話しです。

その1の「性生活」に続いて、その2では「食生活」というテーマを考えてみようと。

結論から言えば、「性」については、とにかく、回数を増やす!でしたが、「食」については、その真逆で、必要最低限でよい!、つまり、不要なものは摂らない!ということになります。

ここで言う「不要」とは、普段の食事以外のもの、たとえば、妊活によいと宣伝されている機能性食品の類いです。

妊娠、出産に際しては、自分だけでなく、赤ちゃんの分の栄養素も必要になるわけですから、普段の食事だけではまかない切れない可能性のある、葉酸をはじめとしたビタミンやミネラルなど、不足するとマイナスの影響を及ぼすリスクが明らかになっているものは、当然、サプリメントで補うのが得策です。

ただし、自分や赤ちゃんに絶対に必要とされている栄養素以外の機能性成分で、摂取すべき明確な根拠のないものは、わざわざ、摂るほどのこともないのではということです。

それら機能性成分は、体内でなんらかの機能があるのですが、その時々で、あるいは、人によっては、プラスではなく、マイナスに機能する場合があるからです。

さまざまな成分が体内でどのように作用し、妊娠、出産に関わっているのか、複雑過ぎて、到底、全貌を把握することなんて出来ていないわけです。

ところが、動物試験で、または、たとえヒトを対象としていても、少ない人数で、かつ、短期間の臨床試験で妊娠にプラスの作用が確認されたからといって、マイナスのリスクを覚悟してでも摂取するだけの根拠には、到底、なり得ません。

たとえば、大豆食品に豊富なポリフェノールであるイソフラボンは、植物性エストロゲンと呼ばれていて、弱い女性ホルモンに似た作用があることから、妊活成分などと称されることがあります。

食事で、すなわち、大豆食品から摂取する分にはとても健康的なのですが、イソフラボンだけを抽出したサプリメントは、更年期の女性にとっては有用であることを示唆する研究報告がたくさんなされていますが、妊娠を望む女性は避けたほうが無難です。

なぜなら、ホルモンのような作用は、単純なものではなく、複雑で、不自然に摂取すると、プラスに働くか、マイナスに働くか、どう転んでしまうかわからないからです。

最近、イソフラボンの一種であるゲニステインを摂取すると妊娠率の低下、分娩時間の延長、さらには、胎児発育遅延のリスクが高くなったとのマウスを使った研究結果(1)が発表されています。

アメリカのイリノイ大学の研究で、雌マウスを2つのグループにわけ、一方にはゲニステインを含むエサを、もう一方のグループには大豆を含むエサを食べさせ、ヒトがサプリメントや大豆食品を摂取した場合と同じレベルの血中濃度になったことを確認し、妊娠率を比較しています。

その結果、ゲニステインを摂取したグループの妊娠率は大豆を摂取したグループに比べて妊娠率が低かったというのです。

健康食品やサプリメントに限りません。

普段の食事でも、たとえば、たくさんの豆乳を毎日飲むというような極端な食べ方も避けるに越したことはありません。

豆乳を飲みすぎると、本来、卵巣から分泌されるべき女性ホルモンが少なくなり、月経周期が乱れることを確かめた研究(2)があります。

日本の岐阜大学の研究で、女性に毎日400mlの豆乳を月経周期の2期間飲んでもらい、豆乳を飲まなかった女性と比較したところ、豆乳を飲んだグループでは血液中のエストラジオール値は飲む前の98.0 pg/mlから65.4 pg/mlへ、33%減少し、月経周期が長くなったことを確かめています。

いずれにしても、摂取して妊娠率が高くなるというエビデンスのある特定の食品や成分は、現時点では、存在しません。

もちろん、食が健康状態に大きな影響を及ぼすように、生殖機能にも影響を及ぼします。

これまでの研究結果から言えるのは、たんぱく質や脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなど、妊娠や出産に必須とされている栄養素が不足せず、過剰にならず、適切なバランスで摂取することが、妊娠、出産に際してもっともプラスに影響するということです。

具体的には、出来るだけ多くの種類の新鮮な食材をバランスよく食べるということで、サプリメントは、必須脂肪酸や微量栄養素が不足しないように使うべきものです。

バランスが大事!という一言に尽きるわけです。

たとえ、妊活によいと宣伝されていても、「君子危うきに近寄らず」です。

「魔法の杖」ではなく、「足元を固める」ほうに目を向けたいものです。

◎文献
1)Reproductive Toxicology 2017; 74: 174-180
2)J Natl Cancer Inst. 1998; 23: 1830-1835.

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◎患者さんのための正しい不妊治療とは?
2月10日 不妊治療とポジティブに向き合う
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・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________

今年も残すところ、あと1週間になりました。頭の中も整理し、あらためて、冷静になって、いろいろと考えて、そして、新しい年を迎えたいと思います。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.758
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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