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妊娠しやすいカラダづくり No.766 2018/2/18
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説: 食生活と子宮内膜症リスク
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年2月18日 最新ニュース
砂糖入り清涼飲料水の摂取量と自然妊娠する迄に要する期間の関係
http://www.akanbou.com/news/news.2018021801.html
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最新ニュース解説 Feb.2018__________________________________________
食生活と子宮内膜症リスク
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アメリカのハーバード公衆衛生大学院の研究チームは、果物、特に柑橘類をよく食べる女性は子宮内膜症の発症リスクが低いという研究結果を発表しました(1)。
子宮内膜症とは子宮内膜以外のところに子宮内膜ができてしまう病気で、不妊症の原因になり得ますが、その程度や状態はさまざまで、とても複雑です。
実際のところ、子宮内膜症があっても、何の問題もなく自然妊娠できることもあれば、不妊症を引き起こし、治療を繰り返しても、なかなか、妊娠に至らないということもあるというのが現実です。
子宮内膜症、そのものを治療することは困難なことから、妊娠を目指していても、いなくても、予防、もしくは、重症化の予防がとても大切になってきます。
そんな背景から、これまで、食生活は子宮内膜症の発症と何らかの関連があれば、有効な予防
方法になるのではということで、多くの研究が行われてきました。
たとえば、イタリアのミラノ大学の研究者らはこれまでの実施された11件の研究結果をまとめています(2)。
その結果、子宮内膜症の女性は野菜やオメガ3脂肪酸の摂取量が少なく、反対に赤身の肉やコーヒー、そして、トランス脂肪酸の摂取量が多いと報告しています。
ところが、それぞれも研究方法が異なり、また、精度にもバラツキが大きく、結果の信頼性はそれほど高くはありませんでした。
そんな中で、今回のハーバード大学の研究は、約10万人弱の女性看護師を22年以上追跡した大規模コホート研究「看護師健康調査2」のデータを解析した結果で、もっとも規模が大きく、かつ、追跡期間が長い前向き研究です。
追跡開始時に子宮内膜症や不妊症でなかった対象者、70,835名に対して、1991年から4年ごとに食物摂取頻度調査票を用いて食品の摂取頻度と摂取量を回答してもらい、20年以上!、追跡してます。
そして、腹腔鏡による子宮内膜症との確定診断がなされたのは2,609症例で、果物や野菜の摂取量と発症リスクの関連を解析したところ、果物の摂取が多いほど子宮内膜症の発症リスクは有意に低かったというのです。
特に、オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類で、はっきりとあらわれ、1日に柑橘系の果物を1個以上食べる女性は、週に1個も食べない女性に比べて、子宮内膜症のリスクが22%低かったとのこと。
さらに、栄養素でみてみるとβクリプトサンチンの摂取量と子宮内膜症の低リスクと有意に関連していたといいます。
βクリプトサンチンは、みかんや柿、オレンジに豊富に含まれているカロテノイドの仲間で、体内で必要な量だけビタミンAに変換され、強力な抗酸化作用があります。
また、「看護師健康調査2」のデータを用いて脂肪酸と子宮内膜症の発症リスクの関連を調べた研究が過去に発表されています。
それによると、オメガ3脂肪酸の摂取量が最も多いグループの女性は、最も少ないグループの女性に比べて、子宮内膜症の発症リスクが22%低く、トランス脂肪酸の摂取量の最も多いグループの女性は、子宮内膜症の発症リスクが48%高かったと報告しています(3)。
必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取バランスが子宮内膜症の病変の大きさに影響を及ぼすという自治医科大大学の動物試験による研究報告(4)もあります。
オメガ3脂肪酸の豊富なえさを与えられたグループでは、オメガ6脂肪酸の豊富なえさを与えられたグループよりも子宮内膜症の病変の組織が縮小していたとのことで、研究チームは、オメガ3脂肪酸の抗炎症作用によるものではないかとしています。
オメガ3脂肪酸は魚油に豊富です。
このように、果物、特に、みかんやオレンジなどの柑橘類を食べ、肉よりも、魚中心にし、加工食品やスナック菓子は控えめにすることが、子宮内膜症の予防や重症化予防にプラスになるかもしれません。
◎文献)
1)Hum Reprod. Advance articles published:1 Feb. 2018
2)Reprod BioMed Online 2013; 26: 323.
3)Hum Reprod. 2010; 25: 1528.
4)Fertil Steril 2008; 90: 1496.
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編集後記____________________________________________________________
まだまだ、寒い日が続くようですが、あまり意識されることはないと思うのですが、血糖値と体温は比例します。
もしも、血糖値が安定しなくて、低血糖気味になれば、当然、体温も低くなり、身体が冷えてしまうことになり、冷えという観点からも血糖値を安定させることはとても大切なことのようです。
気をつけたいのは、空腹時に精製度も高い炭水化物を食べること。避けたいのは、食事の時、炭水化物から食べたり、空腹時に白砂糖入りのお菓子や飲み物を摂ることです。
最新ニュースでも紹介していますが、砂糖入り清涼飲料水の飲み過ぎは妊娠にはマイナスのようです。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.766
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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