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妊娠しやすいカラダづくり No.787 2018/7/15
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・トピックス:妊娠力だけでなく、精子力も
・お知らせ:日本受精着床学会でランチョンセミナーを共催します
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2018年7月14日 曇り時々雨、のち晴れますように
カウンセリング事例:二人目
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20180714.html
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トピックス Jul.2018__________________________________________
妊娠力だけでなく、精子力も
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不妊治療についてマスコミ等で報道されることが多くなり、男性に関わること、例えば、不妊原因の半分は男性側にあることや不妊症検査はカップルで同時にスタートすべきであることも、徐々にではありますが知られてきたように思います。
ただし、パートナーが検査を拒んだり、協力的でないという、不妊治療に臨む女性の悩ましい声は、依然として私たちのところに寄せられています。
皮肉にもというか、不妊治療はこうあるべきということが世間で知られるようになってくると、女性にとっては、自分のパートナーの「違い」を意識せざるを得なくなってくるのかもしれません。
実際、男性の多くは、精液検査に限らず、あらゆる健康診断では、なぜか、「自分だけは大丈夫だろう」という、根拠のない思い込みがあり、出来れば避けて通りたいという気持ちがあると言われています。
ただし、精子の数や運動率は、妊娠力、すなわち、妊娠させる力を知るだけでなく、精子力を知る機会でもあることを知っておくべきです。
精子力は男性自身のトータル、かつ、長期に渡る健康レベルを反映するからです。
たとえば、こんな研究結果が報告されています。
南デンマーク大学の研究グループは、不妊症で病院に訪れた男性、約5,000名を30年間追跡し、精子濃度とその後の男性の健康状態との関連を調査(1)しています。
凄いことをやりますね。
デンマークでは生まれたところで生涯を過ごす人が多く、かつ、全国民の病院での受診記録を登録しているデータベースがあることが、このような大規模な研究が可能なのだそうです。
そして、その結果はというと、精子濃度が1500万/mL未満と低かった男性は、4000万/mL以上と高かった男性に比べて、入院するリスクが50%、心疾患にかかるリスクが40%高かったというのです。
また、精子濃度が1億9500万から2億/mLであった男性は、0-500万/mLであった男性に比べて初めて入院するまでの期間が平均7年長いことがわかりました。
さらに、精子の質は長期間に渡る死亡率に関連し、すなわち、精子の質が高い男性のほうが長生きであること、特に、精子の質が低い男性は心疾患や糖尿病で入院するリスクが統計学的に有意に高かったとのこと。
もう一つ、無精子症の男性は、将来、がん発症リスクが高いという研究結果(2)がアメリカのスタンフォード大学から報告されています。
1989~2009年の間にテキサス州のクリニックで男性不妊と診断された2,238名の男性(平均年齢35.7歳)を、平均6.7年、追跡調査し、がんの発症率を同年代の男性のそれと比較しています。
その結果、2,238名の内、29名が精液検査後平均5.8年でがんを発症しているのですが、同年代の男性不妊でない男性の発症率では16.7名になり、男性不妊の男性はそうでない男性に比べてがんにかかるリスクは1.7倍高いことになります。
また、無精子症の男性とそうでない男性不妊の男性にわけてみると大きな差があり、無精子症の男性は一般男性に比べてほぼ3倍、無精子症でない男性不妊では1.4倍でした。
さらに、30歳以下で無精子症と診断された男性は同年代の男性に比べてがんにかかる割合が8倍でした。
いずれの研究でも、その原因は不明としながらも、精子をつくる働きが低下したり、喪失したりした背景にある遺伝的な要因やホルモン異常が、他の病気やガンの発症のリスクを高めるのではないかと推測しています。
精子の質を知ることは、妊娠させる力の目安になるだけでなく、自分自身の将来の健康リスクをも知ることになる。
これが精液検査についての正しい理解です。
もしも、精液検査結果が常に基準値を下回ったり、無精子症と診断されたら、妊娠のための対策を講じることだけでなく、将来、ガンをはじめとした生活習慣病のリスクを下げるための対策を検討しはじめるべきです。
いかがでしょうか?
男性不妊と診断されると、少なからず精神的なショックを受けると言われていますが、妊娠を目指す上でも、将来の自身の健康においても、考えようによっては、先々のために適切な対策を講じるきっかけになるというふうに考えられるわけです。
現状は、ネガティブな状況かもしれませんが、それに対して、姿勢もネガティブになるのか、ポジティブなるのか、ほとんど、紙一重、なのかもしれません。
最近、先制医療に対する関心が高まっています。
先制医療というのは、病気の発症前にそれを予測し、あらかじめ適切な対処を行うことにより病気の発症を防止もしくは遅らせるという考え方なのですが、「予防」よりもポジティブな印象を受けます。
ガンをはじめとした生活習慣病は、まさに、先手必勝です。
ひと昔とは比べものにならないくらい、あらゆる場面で情報や選択肢が増えた現代は、妊活においても、自分や家族の健康の維持、増進においても、ポジティブな取り組みが大切、かつ、必須な時代であるように思えれなりません。
文献)
1)Am J Epidemiol 2017; 186: 910-917
2)Fertil Steril 2003; 100: 681-685.e1
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お知らせ__________________________________________________________
第36回日本受精着床学会でランチョンセミナーを共催します
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2018年7月27日(木)~28日(金)に幕張メッセ国際会議場にて開催される第36回日本受精着床学会総会・学術講演会にて企業展示および下記ランチョンセミナーを共催いたします。
日時:2018年7月27日(金) 12:00~12:50
場所:幕張メッセ国際会議場(第3会場)
座長:柴原浩章先生(兵庫医科大学産婦人科学講座主任教授)
演者:北宅弘太郎先生(リプロダクションクリニック大阪院長)
演題:妊娠に必要な栄養素
・第36回日本受精着床学会総会・学術講演会
http://jsfi36.umin.jp/
・ランチョンセミナーチラシ
https://partner-s.info/wp/wp-content/uploads/2018/07/2018JSFI_luncheon.pdf
当社製品&サービス________________________________________________
・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
http://babyandme.jp/
・翻訳書:妊娠しやすい食生活
http://www.akanbou.com/shoku/
・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/
編集後記____________________________________________________________
暑い日が続きますが、暑さにバテテしまうかどうかは、基本的な体力もさることながら、体温調節機能の差によるところも少なくないそうです。
体温を調節するのは汗をかくことですが、その機能がうまく働くには、汗腺の数によるとのこと。
要するに汗腺の数が多いほうが調節機能が優れているというわけです。
そして、汗腺の数を増やすには、毎日、運動して汗をかくことに尽きるのだそうです。
反対に、エアコンで涼しいところにずっといると、汗腺は少ないままで、体温調節もうまくいかなくなるといいます。
もちろん、炎天下で運動するのはナンセンスですが、早朝の涼しいときにウォーキングして、ひと汗かいて、シャワーを浴びて、さっぱりして、美味しく朝食をとって、1日をスタートするのは快適そのものです。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.786
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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