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VOL.792 妊娠、出産に重要なオメガ3脂肪酸

2018年08月19日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.792 2018/8/19
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:妊娠、出産に重要なオメガ3脂肪酸
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2018年8月15日 最新ニュース
妊娠初期と中期の血漿中のオメガ3脂肪酸濃度は早産リスクに関連する
http://www.akanbou.com/news/news.2018081501.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Aug.2018__________________________________________

 妊娠、出産に重要なオメガ3脂肪酸
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妊娠初期と中期の血中DHA・EPAの低濃度は早産のリスク要因になり得るというハーバード大学の研究結果が報告されました(1)。

DHAやEPAは魚油に豊富に含まれるオメガ3脂肪酸に属する必須脂肪酸です。

必須脂肪酸とは、体内でつくることが出来ない脂肪酸のことで、そのため、食事内容によっては不足する可能性がありあす。

具体的には、魚をあまり食べない方、精製食品や加工食品が多い方は、必然的にオメガ3脂肪酸が不足しやすくなり、妊娠、出産を見据えて食生活を見直したほうがよいかもしれません。

◎どんな研究だったのか
デンマークで1996年から2003年に妊娠34週未満で早産児を出産した376名の母親と正規産した348名の母親の妊娠初期(妊娠9週)と中期(妊娠25週)の血漿中のEPAとDHA濃度と早産リスクとの関連を調べました。

それぞれの母親はデンマーク出生コホート研究に登録しており、妊娠初期と中期の血液検査を実施していました。

その結果、妊娠初期と中期のEPAとDHAの平均濃度が低くなるほど、その後の早産リスクが高くなることがわかりました。

◎早産とは
日本産婦人科学会では、早産とは正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日まで)以前の出生のことをいい、日本では妊娠22週0日~妊娠36週6日までの出産を早産とされています。

日本では早産は全妊娠の約5%で増加傾向にあり、新生児死亡の75%、長期神経学的後遺症の50%を占めることから早産予防はとても大切です。

早産のリスク要因は多くありますが自然早産の原因の多くに炎症が関与していると考えられています。

◎脂肪酸について
脂肪酸とは脂質を構成する成分のことで、食品の脂肪の9割が脂肪酸でできています。脂肪酸は大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。

飽和脂肪酸は、肉の脂肪やバターなどに多く含まれ、特徴は、常温では固体であるということです。それに対して不飽和脂肪酸は植物や魚に多く含まれ、液体で存在します。

また、不飽和脂肪酸はオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸、オメガ9脂肪酸の3つに分けられます。

オメガ6脂肪酸の代表的な脂肪酸はリノール酸で、コーン油、ゴマ油、大豆油、紅花油、ひまわり油、サフラワー油等に豊富です。オメガ3系脂肪酸はアルファリノレン酸やEPA、DPAなどで、魚油や亜麻仁油)、エゴマ油、シソ油等に豊富です。オメガ9系脂肪酸にはオレイン酸などがあり、オリーブオイル菜種油等に豊富に含まれます。

◎必須脂肪酸の摂取バランスが重要
前述の通り、オメガ6脂肪酸とオ メガ3系脂肪酸は体内で合成されないため、食事からとる必要がある「必須脂肪酸」です。

オメガ6とオメガ3の摂取バランスは4対1がよいとされていますが、食事次第、たとえば、加工精製食品を食べる機会が増え、魚を食べる機会が少なくなると、オメガ6脂肪酸の 過剰摂取、オメガ3脂肪酸の不足を招き、両者のバランスが崩れてしまいます。

必須脂肪酸は生理活性物質になり、オメガ6脂肪酸からつくられる生理活性物質は炎症作用や血管収縮、アレルギー症状悪化に働き、オメガ3 脂肪酸からつくられるそれは、炎症抑制、血管拡張、アレルギー症状を緩和します。

そのため、オメガ6が過剰に、オメガ3が不足すると、炎症が起きやすくなり、血流が悪化し、アレルギー体質が促進されます。

◎オメガ3脂肪酸は妊娠、出産に際して超重要
早産の原因やリスクファクターは多岐に渡りますが、自然早産の多くの原因に炎症が関わっていることが知られています。

そのため、炎症を抑えるように働くオメガ3脂肪酸の不足が早産のリスク上昇に関連するのではないかと考えられているようです。

これまで、妊娠中のオメガ3脂肪酸のサプリメント補充が早産にリスク低下に関連したとの研究報告があります。

早産だけでなく、魚をよく食べ、DHAやEPAの血中濃度が高い女性ほど、体外受精の妊娠率や出産率が高いという研究報告がなされています(2)。

また、妊娠中のオメガ3脂肪酸のサプリメントは出生児のぜんそくの発症率を低下させるという研究結果がデンマークから報告されています(3)。

さらに、妊娠中にDHAのサプリメント摂取によって子どもの出生後の問題解決能力が高まるというアメリカの無作為二重盲検法による研究報告もあります(4)。

このように、オメガ3脂肪酸は、体外受精の治療成績から、妊娠出産のリスクや出生児の心身の健康にまで、プラスの影響を及ぼすことが明らかになっているのです。

◎魚を食べる、もしくは、オメガ3脂肪酸(DHA、EPA)のサプリメント
このようにオメガ3脂肪酸は妊娠、出産、育児において、とても重要な脂肪酸であることがわかります。

特に、魚油に豊富なDHAやEPAです。

亜麻仁油やシソ油、エゴマ油に豊富なαリノレン酸もオメガ3脂肪酸に属する脂肪酸で、αリノレン酸は体内でDHAやEPAに変換されます。

ところが、今回の研究でも指摘されていますが、αリノレン酸からDHAやEPAに変換される酵素の効率が遺伝的に低い人がいることもわかっています。

そのため、DHAやEPAを摂取すること、具体的には脂ののった魚を、週に2、3回は食べる、これに尽きます。

ただし、魚が苦手な方、万全を期したいという方はオメガ3脂肪酸のサプリメント摂取をお勧めします。


文献)
1)EBioMedicine. 2018 Aug 3. [Epub ahead of print]
2)Hum Reprod. 2018; 33: 156-165.
3)N Engl J Med 2016; 375: 2530-9
4)Am J Clin Nutrition. 2007; 85: 1572-1577.
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________

暑い日には十分な水分補給が欠かせないのですが、スポーツドリンクを飲み過ぎるのは要注意です。

スポーツドリンクには、その健康的な名前とは裏腹に糖分が、それも大量に含まれているからです。

ラベルをチェックするとわかりますが、中には糖分7%なんてのもあります。そんなドリンクを500ml飲むと、なんと!35gの砂糖を摂ることになるのです。

これを日に2本、3本と飲むと、空腹時であれば血糖値が急上昇と急降下を繰り返し、インスリンの効き目が悪くなり、ひいては、ホルモンバランスを悪化させ、卵巣の働きにマイナスになる可能性もあります。

スポーツドリンクは砂糖水と考えたほうがよいかもしれません。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.792
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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