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妊娠しやすいカラダづくり No.803 2018/11/4
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・編集長コラム:精子の質の改善のため新たな視点
・イベント&セミナー情報
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2018年10月31日 曇り時々雨、のち晴れますように
不妊の特徴その2:パートナーとの決定
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20181031.html
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編集長コラム Nov.2018______________________________________________
精子の質の改善のための新たな視点
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不妊治療の進め方について、大変参考になる研究結果がアメリカ生殖医学会誌の最新号に掲載されています。
それは、男性不妊の男性は、そうでない男性に比べて、高血圧や高脂血症、高尿酸血症があることが多く、それらの疾患が並存している男性不妊の男性は生殖ホルモンに異常がみられ、並存疾患を治療することで精子数や運動率が改善されるというものです。
山口大学医学部泌尿器科の白石准教授らよる研究で、内科疾患が男性不妊にどの程度影響しているのか、また、男性不妊と内科疾患が並存している場合、内科疾患の治療が精子をつくる働きを改善させるのかどうかを、約3,800名の男性を対象に実施されました。
その結果、高血圧などの疾患が並存していることが多く、それらを治療することで精液所見が改善される可能性があるというのです。
これまで精子濃度や精子運動率が基準値を下回り、男性不妊と診断された場合、精索静脈瘤がある場合は、手術療法による治療が可能でしたが、原因不明の場合は、確実に効果が期待できる治療法がありませんでした。
そんな中で、今回の研究によって示されたことはとても大きな意味をもっています。
男性の精子の質を改善するための新たな視点が提供されたからです。
男性不妊で最も多いケース、すなわち、原因不明の乏精子症や精子無力症の場合、これまでは、男性側には「打つ手なし」とみなされ、パートナーの女性に対して顕微授精を行うことが一般的でした。
男性側に不妊原因が存在しているにもかかわらず、男性ではなく、女性に治療が行われてきたのです。
ところが、男性の健康状態を改善させることで、男性の精子の状態が改善されれば、女性に対しては、より身体への負担が軽い治療で妊娠、出産を目指せる可能性が現実的になってきたというわけです。
それでは、どのように改善を目指せばよいのでしょうか。
高血圧や高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病の場合、ガイドラインに記載されている治療法の第一選択は「生活習慣の修正」です。
具体的にはバランスのよい食生活や適度な運動です。
また、高血圧は精子DNA断片化率を高くすることが知られていますので、抗酸化サプリメントの摂取も意味のあることです。
つまり、原因不明の男性不妊と診断され、これまでの健康診断で血圧や中性脂肪、コレステロール、尿酸値に異常があった場合は、まずは、生活習慣を見直し、抗酸化サプリメントの摂取で精子の状態を改善させてから、パートナーの女性への治療を検討してもよいということになります。
もしも、女性の年齢が30代後半、40代で、女性への治療が急がれるような場合でも、男性の精子の状態の改善を、少なくとも同時並行で進めるべきでしょう。
女性の年齢が高くなるほど、精子の質が悪い場合、卵子側の修復力が低下することが知られていますので、尚更のことです。
もちろん、これまでも原因不明の男性不妊の場合、生活習慣の見直しや抗酸化サプリメントの摂取は推奨されてはいましたが、今回の研究報告によって、それらの改善策が「気休め」ではなく、「治療法」になる可能性があるということが示されたわけです。
このことが、多くのカップルにとって不妊治療を受け身ではなく、前向きに取り組むきっかけになり、その結果、女性へのより負担の軽い治療で、より少ない回数で妊娠に至るようになればと願うばかりです。
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編集後記____________________________________________________________
NHK特集で放映された「精子力クライシス」や、今回紹介した研究は、これまで、見過ごされがちだった「精子」に、あらためて目を向けるきっかけになるのではないでしょうか。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.803
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編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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