メルマガ

VOL.807 精製度、加工度の低い食品を選び、偏りなく食べる

2018年12月02日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.807 2018/12/2
____________________________________________________________________


今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・編集長コラム:精製度、加工度の低い食品を選び、偏りなく食べる
・お知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
--------------------------------------------------------------------
2018年11月30日 最新ニュース
タンパク質が豊富な食品の摂取と体外受精治療成績
https://www.akanbou.com/news/news.2018113001.html
--------------------------------------------------------------------
2018年11月26日 曇り時々雨、のち晴れますように
決断の仕方
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20181126.html
--------------------------------------------------------------------
記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集長コラム Dec.2018______________________________________________

 精製度、加工度の低い食品を選び、偏りなく食べる
--------------------------------------------------------------------
この数年、食と生殖機能の関連を調べた研究報告が増えています。もちろん、こんな食事がよい!という結論が出ているわけではありませんが、「なにをどう食べるか」によって、妊娠する力や不妊治療の治療成績、胎児の成育に、確実に何らかの影響を及ぼすという証拠が積み上がってきています。

そして、それらの研究データをみてきて思うのは、食べること、すなわち、栄養素の摂取が生殖機能に及ぼす影響はとても複雑なメカニズムによるものであるという一方で、妊娠、出産を望むカップルが、なにをどのように食べればよいのかという観点から言えば、案外、シンプルでいいように思えてなりません。

それは、出来るだけ精製度、加工度の低い食品を選ぶこと、なんでも偏りなく食べること、この2つです。

誤解を恐れずに言わせてもらうと、この2つに全力投球すべきだというくらいに考えています。

こう言うと、食品の中には、妊娠にプラスの影響を及ぼしたり、反対にマイナスの影響を及ぼしたりする可能性のあるとされているものがあるじゃないか!と、指摘されるかもしれません。

もちろん、妊娠、出産に重要な役割を担う栄養素があることは事実ですし、環境中に放出された化学物質や重金属、殺虫剤、添加物が生殖機能にマイナスの影響を及ぼす可能性があることも、また、事実です。

それでも、妊娠によいとされているものを積極的に食べ、妊娠に悪いと言われているものを避けようとすることに時間や労力、コストをかけるよりも、なんでも偏りなく食べること、出来るだけ精製度、加工度の低い食品を選ぶことが大切だと思います。

妊娠によい食品、悪い食品なんてという色わけなど気にすることはない、いや、だからこそ、偏りなく食べること、出来るだけ精製度、加工度の低い食品を選ぶことに全力投球すべきです。

その理由は3つあります。

まずは、栄養素は個人プレイヤーでなく、チームプレイヤーだということ。

妊娠、出産に重要な栄養素と言えども、単独で働いているわけではなく、チームで協働しています。
たとえ、妊娠に重要な栄養素だからと言って、それだけを突出して摂取しても、協働する仲間が少ないとチーム構成がいびつになり、本来の働きができなくなってしまいかねません。

そのため、チームまるごとで摂ることがポイントになります。

2つ目として、栄養素のチームワークによって有害な物質のマイナスの働きを「中和」する働きがあるということ。

たとえば、ビタミンB群はチームで、有機塩素系の殺虫剤や農薬であるDDTの生殖機能へのマイナスの影響を抑制することが、ヒトを対象とした試験で明らかにされています。

また、主にポリカーボネートの原料として食器や容器に使用され、知らず知らずのうちに体内に取り込まれているビスフェノールAには生殖機能へのマイナスの影響が懸念されていますが、葉酸や大豆食品がその影響を抑制することが、動物やヒトを対象にした研究で確かめられています。

化学物質の生殖機能への有害な影響を、栄養素チームが中和してしまうというのです。

最後に、そもそも、食事は毎日のことであり、生活に密着しているということ。

毎日、妊娠によい食品ばかり食べ、妊娠に悪い食品を食べないというわけにもいきません。

そう考えると、妊活食や妊活レシピ、避けるべき食品や添加物などの情報は、一見、ありがたいもののように見えますが、それをどのように活かせばいいのか、実際にやってみると、現実にそぐわないところがあることがわかります。

結局、出来るだけ精製度、加工度の低い食品を選び、あらゆる食材をなんでも偏りなく食べることこそ、妊娠、出産に臨むに際してふさわしく、さまざまなリスクが低くなる食べ方なのです。

栄養素が、本来の役割を果たすことができるチームは、つくろうとしてつくらるようなものではなく、自然な状態に近い食材を、なんでも偏りなく食べた結果として形成されるもののようです。

枝葉末節にとらわれることなく、食事は、偏りなく、美味しく、楽しむ、そのために生活を設計することが大切なのではないかと思います。

--------------------------------------------------------------------
↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


お知らせ____________________________________________________________

◎不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4870.html

◎不妊患者の経済的負担の軽減等を目指すための署名活動へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4871.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 https://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 https://www.akanbou.com/shoku/

・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 https://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

最新ニュースで紹介していますが、魚をよく食べる女性ほど体外受精の治療成績がよかったという、ハーバード大学によるEARTH Studyの研究報告がなされています。

元々、日本は世界でもトップクラスの魚を食べる国民でした。ところが、この10数年間、「魚離れ」進行しています。

魚介類と肉類の国民1人1日当たり摂取量の推移をみると、魚介類が長期的に減少傾向にあるのに対し、肉類はほぼ横ばい傾向にあり、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回りました。
その後、21年には肉類と魚介類の摂取量の差が拡大しています。

タンパク源が肉中心で、魚をあまり食べないとう方は、そのバランスを見直すとよいかもしれません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.807
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,457部
・まぐまぐ: 2,817部
・合計部数: 4,274部(12月2日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決してありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属します。一切の無断転載はご遠慮下さい。