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妊娠しやすいカラダづくり No.808 2018/12/9
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説:週3回の魚を前提にタンパク源の摂取バランスを見直す
・イベント&セミナー情報
・お知らせ
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2018年12月4日 編集長コラム
精製度、加工度の低い食品を選び、偏りなく食べる
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20181204.html
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最新ニュース解説 Dec. 2018_________________________________________
週3回の魚を前提にタンパク源の摂取バランスを見直す
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魚を多く食べる女性ほど体外受精や顕微授精の出産率が高かったというアメリカで実施された研究結果(1)が発表されました。
◎どんな研究だったのか?
ハーバード大学がマサチューセッツ総合病院で不妊治療を受けているカップルを対象に治療成績に影響する要因について調べている前向き研究「EARTH Study」で、今回はタンパク質が豊富な食品の食べる量とART治療成績の関連を検討しました。
351名の女性ART患者に治療開始前に食物摂取頻度調査票に過去1年間の食品の摂取頻度と1回のおよその摂取量を記入してもらい、タンパク質が豊富な食品の摂取量で4つのグループにわけ、598周期の治療周期あたりの出産率との関連を解析しました。
◎どんなことがわかったのか?
魚の摂取量で4つのグループに分けたところ、グループ別の平均の1日の魚の食べる量と出産率は以下の通りでした。
魚摂取量が最も少なかったグループ:0.06人前/日・34.2%
魚摂取量が少なかったグループ :0.18人前/日・38.4%
魚摂取量が多かったグループ :0.26人前/日・44.7%
魚摂取量が最も多かったグループ :0.44人前/日・47.7%
治療開始前に魚を多く食べていた女性ほど出産率が高かったことがわかります。
因みに、それぞれのグループの週あたりの魚のおおよその摂取頻度は以下の通りです。
魚摂取量が最も少なかったグループ:2週間に1回
魚摂取量が少なかったグループ :週に1回
魚摂取量が多かったグループ :週に2回
魚摂取量が最も多かったグループ :週に3回
もう1つ、魚以外のタンパク質を豊富に含む食品を週に2回、魚に変更したら、出産率はどうなるかを推計しています。
その結果、魚以外のタンパク質食品を週に2回分魚に食べ変えた場合、出産率は1.54倍に、精製肉を週に2回分魚に食べ変えた場合、出産率は1.64倍になることが推定されました。
◎これまでの研究でわかっていたこと
健康な妊活カップルを対象とした研究(2)で、魚をたくさん食べるカップルほど性交回数が多く、妊娠までの期間が短かったという報告がなされています。
魚介類を食べる頻度が周期あたり8回以上だったカップルと1回以下だったカップルの性交回数を比べると、8回以上食べたカップルは1回以下だったカップルに比べて性交の頻度が22%多く、妊娠までにかかった期間から算出した妊娠率も61%高かったとのこと。
このように高度な不妊治療を受けている女性にとっても、受けていない妊活カップルにとっても魚を多く食べることは、妊娠、出産にプラスの影響を期待できるかもしれないということが言えます。
◎なぜ魚なのか?
良質の動物性タンパク質が豊富であることに加えて、ビタミン(D、E、B12)やミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、セレン等)などの栄養素も豊富に含まれています。
そして、魚油にはオメガ3系脂肪酸であるDHAやEPAが豊富に含まれています。
さらには、タウリンやアンセリン、バレニンを始めとする多様な機能性成分が含まれています。
中でもオメガ3脂肪酸は、元々は植物や海藻に含まれているものですが、海藻を食べるプランクトンに蓄積され、それを食べる魚の油に濃縮されていることから、私たちにとっての主なオメガ3脂肪酸の供給源になっています。
同じEARTH研究で、オメガ3系脂肪酸であるDHAやEPAの食事やサプリメントからの摂取量や血中濃度が高いほど妊娠率や出産率が高いことが示されています(3)。
◎日本人の魚の食べる量は年々減っている
元々、日本人は世界でも有数の魚をよく食べる人種でしたが、2001年以降、年々、減っています。最新の国民健康栄養調査では30代、40代の女性の平均の魚の摂取量は2001年に比べて40%も減っています。
反対に肉の摂取量は、年々、増加していて、2008年に魚の摂取量と逆転しました。
◎週に3回の魚を前提にタンパク源の摂取バランスを見直す
私たちの身体の水分を除くと半分はタンパク質からなっています。タンパク質は身体の材料になるだけでなく、酵素やホルモン、その他、生体調整成分の材料にもなっています。
そして、約20種類のアミン酸がタンパク質を構成していますが、含まれる食品によってその数や構造が異なり、さらに、タンパク質以外の脂質や糖質、微量栄養素の種類や構成も異なります。
そのため、動物性タンパク質か植物性タンパク質に偏ることなく、さらには、動物性タンパク質の中でも偏りなく食べることが大切です。
そんな中で、今回の研究結果から「週3回以上魚を食べる」ことを前提にして、そこから全体のバランスを見直しみてはいかがでしょうか?
文献:
1)Am J Clin Nutr 2018; 108: 1104.
2)J Clin Endocrinol Metab. 108; 103: 2680.
3)Hum Reprod. 2018; 33: 156
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編集後記____________________________________________________________
食事全体のバランスもさることながら、それぞれの栄養素をどんな食品から食べるかも、満遍なく食べることが鉄則です。
今回の研究結果も魚だけを食べていればいいというものではないということですね。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.808
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