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VOL.813 体外受精の成績に有利になるような食べ方を考える

2019年01月13日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.813 2019/1/13
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今月のトピックス:体外受精の成績に有利になるような食べ方を考える
・お知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年1月11日 曇り時々雨、のち晴れますように
心理カウンセリングを利用してみませんか?
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20190111.html
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2019年1月9日 最新ニュース
不育症に男性パートナーの精子の質が関与している可能性
https://www.akanbou.com/news/news.2019010901.html
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2019年1月7日 曇り時々雨、のち晴れますように
老後の心配
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20190107.html
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2019年1月7日 編集長コラム
サバイバルする力を信じたい
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20190107.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今月のトピックス ______________________________________________

 体外受精の成績に有利になるような食べ方を考える
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この10年で食と生殖医療の関連についての研究報告が増えています。最近では、特定の栄養素や食品ではなく、食事パターンの影響を調べた研究が主流になりつつあります。

「なにを食べるか」だけでなく、「どう食べるか」にも注目されるようになってきたということですが、考えてみれば、全くもっともなことで、栄養素は食事に含まれる複数の成分として摂取されて、体内でさまざまな相互作用が生じていると考えられ、そのため、「どんな食品をどれらくらい食べるか」だけでなく、「どんな組み合わせで食べるか」も見ていく必要があるからです。

◎最強の健康食「地中海食」
これまで食と生殖医療に限らず、食とあらゆる健康について最も研究され、健康のためのベストな食べ方であるとされているのが「地中海食」です。

最強の食べ方と言えます。

地中海食と体外受精の治療成績の関連を調べた最新の研究結果(Hum Reprod 2018; 33: 494-502)をご紹介しましょう。

ギリシャのハロコピオ大学の研究チームよる研究で、2013年11月から2016年9月にアテネの不妊クリニックで検査を受け、最初の体外受精に望む非肥満(BMIが30未満)で、41歳以下の女性患者244名を対象に、それぞれ、どれだけ地中海食に近い食べ方をしているかを、地中海スコアを算出し、その後の治療成績とどう関係するのか調べてみようというものです。

まず、治療開始前に過去半年間の習慣的な食品の摂取頻度と量について回答してもらいます。

そしてその結果から地中海食スコア(0~55)を算出して、スコアが低いグループ(30以下、79名)、中のグループ(31-35、79名)、高いグループ(36以上、86名)の3つのグループに分け、その後の治療成績との関連を解析しました。地中海食スコアが高いほど地中海食に近い食事パターンであることをあらわしています。

その結果、地中海食スコアと採卵数や受精率、胚質とは関連しませんでしたが、地中海食スコアが低いグループの妊娠率が29.1%だったのに対して、スコアの高いグループは50.0%、また、出産率も、それぞれ、26.2%、48.8%と、地中海食に近い食べ方をしている女性のほうが治療成績がよかったというのです。

研究に携わった研究者らは、地中海食スコアが関連したのは妊娠率や出産率で、採卵数や受精率、胚の質とは関連しなかったことから、地中海食がよい影響を及ぼすのは、子宮内膜の着床環境ではないかとの見解を示しています。

地中海食は不妊治療の成績にプラスの影響を及ぼす可能性だけでなく、妊娠後の母子の健康にもよい影響を及ぼす可能性があるという研究報告も多数なされています。

これだけの研究データの蓄積があるわけですから、地中海食のよいところを普段の食事に取り入れない手はありません。

◎地中海食とはどんな食べ方なのか
地中海食と言えば、オリーブオイルとワインを連想する方が多いかもしれません。ただし、それだけではなんの参考にもなりません。

地中海食とは、具体的にどんな食べ方なのでしょうか。

そこで、地中海食スコアの算出方法をみてみましょう。いくつかの方法があるようですが、ギリシャのハロコピオ大学の研究チームが採用した方法は以下の通りです。

まずは、対象となる食品は11種類です。

・多いほど地中海食度が高くなる食品
1)無精製穀物
2)じゃがいも
3)果物
4)野菜
5)豆類
6)魚
10)オリーブオイルを調理に使用する回数

・少ないほど地中海食度が低くなる食品
7)肉(赤身肉・肉加工品)
8)鶏肉
9)全脂肪乳製品(チーズ、ヨーグルト、牛乳)
11)アルコール

1週間の食べる頻度ごとのスコアは以下の表の通りです。
https://www.akanbou.com/docs/medscore.pdf

11種の食品のスコアを合計すると地中海食スコアを出すことが出来ます。

ご自身の食事内容を振り返って、スコアを算出してみてください。スコアは最小がゼロで最高が55です。体外受精の治療成績との関連研究では36以上が高いグループとされていましたので36以上が目安になるかもしれません。

◎毎日の食べ方にどう取り入れればよいのか
地中海食スコアの目安となる食品は、私たちにとっても決して珍しいものではありません。それどころか、馴染み深いものばかりです。

全体的な傾向は全粒(色のついた)穀物に植物性食品と魚を中心に、オリーブオイルで調理する食べ方と言えます。


栄養学的には、オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸が豊富な油ですから、オイルは必ずしもオリーブオイルでなければならないわけではなく、オレイン酸が豊富なひまわり油は脂肪酸組成はオリーブオイルと近く、菜種油も同様です。

和食的にはじゃがいもはそれほど頻繁に食べませんし、穀物は白米中心ですが、それらを別にすれば、豆類は日本では大豆食品がありますので、地中海食と和食はとてもよく似た食べ方であることがわかります。

ただし、ここではわかりませんが、量的には野菜と果物は地中海食が圧倒的に多いことがこれまでの研究でわかっています。

それらを加味すると、日本人の平均的な食べ方に地中海食を取り入れた和食は以下のようになるでしょうか。

1)主食は玄米か胚芽米にする。パン食の場合は全粒粉パン。
2)主食は魚料理中心にする。
3)野菜をこれまでの2、3倍に増やす。
4)肉は週に1回程度。
5)大豆食品は毎日食べる。
6)オリーブオイル(ひまわり油、菜種油)で調理する。
7)おやつは果物やナッツ類で。

これらに付け加えて、加工食品や砂糖入りスイーツ、砂糖入り清涼飲料水は、極力、避けます。

◎将来の生活習慣病の予防にも
主食を全粒穀物に変え、野菜や果物を増やすことで食物繊維の摂取量が増加するはずです。

最も信頼度の高い医学誌の1であるLancetの最新号では食物繊維の摂取量が多い人ほど非感染性疾患(がん、糖尿病、循環器疾患、慢性呼吸器疾患)にかかるリスクが低いという研究結果が公開されています。

結局、長期的な健康にプラスになる食べ方も、妊娠、出産にふさわしい食べ方も、同じということになります。

同じ身体の働きなわけですから、当然と言えば当然なのかもしれません。

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お知らせ____________________________________________________________

■不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4870.html

■不妊患者の経済的負担の軽減等を目指すための署名活動へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4871.html

■不妊相談会(クリニック主催)
https://www.akanbou.com/seminar/20190127-4858.html

当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 https://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

よい連休をお過ごしください!

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.813
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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・合計部数: 4,238部(1月13日現在)
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