メルマガ

VOL.826 サプリメントの最も有効な使い方を考える

2019年04月14日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.826 2019/4/14
____________________________________________________________________


今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:サプリメントの最も有効な使い方を考える
・お知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記


最新ニュース解説 Apr.2019_________________________________________

 
 サプリメントの最も有効な使い方を考える
-----------------------------------------------------------------------
サプリメントの利用は心疾患やガンによる死亡率の低下に関連しなかったが、食事から必要とされる栄養素の摂取は死亡率の低下に関連した、それどころか、サプリメントで過剰な量のカルシウムの摂取は死亡率の上昇に関連したという研究結果(※)が、アメリカ内科学会の医学誌に発表されました。

◎どんな研究だったのか
タフツ大学のグループによる研究で、サプリメントと食事からの栄養素の摂取と死亡率の関連を調査することを目的として、30,899人の成人を対象に1999年から2010年のアメリカ国民健康栄養調査のデータからサプリメントと食事による栄養素の摂取量を調査し、国立健康統計センターの死亡情報との関連を解析したものです。

研究結果を詳しく見てみると、全体の約半数がサプリメントを使っていて、使用者は非使用者に比べて教育レベルや収入が高く、健康的な食生活や運動習慣がある割合が高かったと言います。反対に、喫煙率やヘビードリンカー、肥満の割合が低かったものの、調査開始時点では何らかの疾患にかかっている人の割合は高かったようです。

栄養素の摂取量では、サプリメント使用者は非使用者に比べて調査した全て(25種類)の栄養素で、総摂取量が上回っていました。

また、食事からの栄養素の摂取量においても23種類の栄養素でサプリメント使用者が非使用者よりも多く摂取していました。

平均6.1年の追跡期間で、心疾患で945名、ガンで805名が亡くなりました。

サプリメント使用者は死亡率が有意に低かったものの、生活習慣等の影響を排除した結果、有意な関連はみられなくなりました。

一方、食事から必要とされる栄養素を摂取していた人は死亡率の低下と有意に関連しました。

さらに、サプリメントでカルシウムを1日に1,000mg以上と過剰に摂取していた人はガンの死亡率の上昇と有意に関連していました。

◎サプリメントや食事からの栄養素の摂取と死亡率の関係
サプリメントだけで必要とされる栄養素を摂取していても効果がないけれども、食事から必要とされる栄養素を摂取していると有効だということになります。

また、食事で必要とされる栄養素を摂取している人はサプリメントを使っている人が多いということもわかりました。

つまり、サプリメントを使っている人は、健康的な生活をしていて、食事だけで必要とされる栄養素が摂れている人が多いということが言えます。

このことは、サプリメントだけで栄養素を摂取しても、効果は得られない、やはり、食事の質を高めて、食事から栄養素を摂取するこということを示唆しています。

論文の筆者は、食事にはサプリメントで補充できるビタミンやミネラル以外にもさまざまな成分が含まれていて、それらの成分との相互作用で効果が得られるのではないかという考えを述べています。

◎サプリメントは「補助輪」である
サプリメント使用者は非使用者に比べて、教育レベルや収入が高く、元々、いろいろな疾患にかかっていたからか、食事や運動など健康的な生活を心がけている人が多いということもわかっています。

これらの研究結果は、どのようにサプリメントを使うのが効果的なのか、明らかにしてくれています。

一言で言えば、自転車などの「補助輪」です。

いつまでもサプリメントに頼らないということになります。

最初は、食事から十分な栄養素が摂取できていないことから、食事改善にと取り組みながら、一時的にサプリメントで必要な栄養素を補助的に摂取し、そして、食事改善が完了すればサプリメントを卒業するというものです。

つまり、サプリメントは、食事だけでは必要な栄養素量が摂れていない場合、食事を改善し、食事から必要な栄養素量が摂取できるようになる迄の「一時的な次善の策」であるということです。

食事だけでは栄養摂取がおぼつかない時、まずは、応急処置的にサプリメントで必須栄養素を補助しておくというものです。

もしも、応急処置的な状態が続く、すなわち、サプリメントに頼る状態が続くと、食事でしか摂れない栄養素を摂取することができないので、サプリメントの効果は限定的にならざるを得ないということになります。

◎「サプリメントか食事か」ではなく、「サプリを正しく使うか否か」
「サプリメントか、食事か」という議論がありますが、そもそも、サプリメントと食事を二者択一的にみること自体に無理があります。

サプリメントは栄養成分だけを抽出した、超「加工食品」で、単独では、たいした仕事ができないチームプレイヤーなわけです。

そのため、食事が不完全な場合、一時的に「助っ人」としてつかわれるべきものです。

次のステップとして、食事で完全なチームを形成しなければ、身体に備わったさまざまな機能は正常化しません。

「サプリメントか、食事か」ではなく、サプリメントを正しい順番と目的で使うかどうか、すなわち、「サプリメントを正しく使うか、否か」です。


文献)
※)Association Among Dietary Supplement Use, Nutrient Intake, and Mortality Among U.S. Adults: A Cohort Study.
Ann Intern Med. doi:10.7326/M18-2478

--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


お知らせ____________________________________________________________

■不妊患者の経済的負担の軽減等を目指すための署名活動へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4871.html

■不妊相談会(クリニック主催)
https://www.akanbou.com/seminar/20190421-4945.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 https://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

名古屋市の名古屋国際会議場で開催されている第71回日本産科婦人科学会学術集会に参加し、みっちりと勉強し、講演会場や展示ブース会場で多くの先生方に教えを乞い、情報交換してまいりました。

勉強すればするほど、情報を得れば得るほど、次から次へと、やりたいこと、やるべきこと、取り組みたいテーマ、取り組むべきテーマ、解決したいこと、解決すべきことが目白押しになります。

歩きながら頭の中を整理しなければ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]      VOL.826
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,453部
・まぐまぐ: 2,744部
・合計部数: 4,197部(4月14日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決してありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属します。一切の無断転載はご遠慮下さい。