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妊娠しやすいカラダづくり No.828 2019/5/12
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説:コーヒーの不妊治療成績への影響
・お知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年5月12日
最新ニュース
女性の1日あたりのコーヒー杯数の不妊治療成績への影響
https://www.akanbou.com/news/news.2019051201.html
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2019年5月12日
曇り時々雨、のち晴れますように
ジェノグラム
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20190512.html
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最新ニュース解説 May.2019__________________________________________
コーヒーの不妊治療成績への影響
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人工授精では、1日に1〜5杯のコーヒーを飲む女性は飲まない女性に比べて妊娠、出産に至る確率が1.5倍高い一方、体外受精や顕微授精では、コーヒーと治療成績には関連しないというデンマークの研究結果(1)が発表されました。
◎どんな研究だったのか
デンマークのオーフス大学で2010年1月から2015年8月までの間に、不妊治療を受けた1708名の女性に治療を開始する度に、1日のコーヒーを飲む量を「飲まない」、「1-5杯飲む」、「6-10杯飲む」、「10杯以上飲む」から選択してもらい、その後の治療成績との関連が解析されました。
治療法別の総周期数は人工授精1511周期、体外受精/顕微授精2,870周期、凍結融解胚移植1355周期でした。
◎どんな結果が得られたのか
体外受精や顕微授精では1日のコーヒー摂取量の治療成績への影響はみられませんでした。
ところが、人工授精では1日にコーヒーを1〜5杯飲む女性は飲まない女性に比べて、妊娠率が1.49倍、出産率が1.53倍と、コーヒーを飲むことが治療成績によい影響を及ぼす可能性があることことがわかりました。
◎人工授精と体外受精/顕微授精への影響の違いについて
コーヒーと人工授精の治療成績との関連が調査されたのは、今回の研究がはじめてで、驚くべきことに、よい影響を及ぼす可能性があるというものです。
もちろん、そのメカニズムは不明ですが、筆者はいくつかの仮設を示しています。
まず、コーヒーに含まれるカフェインが卵管の繊毛の働きを刺激し、卵子のピックアップ(排卵後の卵子の卵管への取り込み)や受精卵の子宮への輸送によい影響を及ぼすのではないかというもの。
そして、カフェイン摂取によって黄体期のプロゲステロン分泌が促進され、排卵障害のリスクが低下するのではないか。
さらには、カフェイン摂取はインスリンの感度を高めること、これらがコーヒーが人工授精の成績によい影響を及ぼすのではないかと推測しています。
◎これまでにどんな研究報告がなされているのか
イタリアの研究(2)では1日に3〜4杯程度のコーヒーであれば体外受精や顕微授精の治療成績に影響を及ぼさなかったと報告されています。
また、ハーバード大学のEARTH研究(3)では、カフェイン摂取量が1日200mg未満程度であれば、体外受精や顕微授精の治療成績に影響しないことが確かめられています。
ところが、同じEARTH研究(4)で、体外受精や顕微授精に臨むカップルの男性パートナーのカフェインやアルコールの摂取量は精液検査とは関連しないけれども、カフェインやアルコールの摂取量が多い男性のカップルは少ないカップルに比べて治療成績が低いという報告がなされています。
つまり、女性ではなく、男性のカフェインやアルコールの過剰摂取がパートナーの治療成績にマイナスの影響を及ぼす可能性があるというものです。
◎コーヒーと流産リスク
コーヒーは不妊治療には、概ね、それほどマイナスにはならないというものですが、流産のリスク上昇には関連するという報告は多数なされています。
最近のメタ解析(5)では、たとえ1日に1杯のコーヒーに相当するカフェイン100mgでも、わずかではありますが、有意に流産リスクが上昇するとの報告がなされています。
◎コーヒーと妊娠、出産
これまでの研究報告からは不妊治療の成績へのマイナスの影響はそれほど心配することはないが、妊娠後は控えるのは無難であることはわかります。
コーヒーに含まれるカフェインについては、アルコール同様、その影響については、個人差が大きいようです。
普通、カフェインの体内での半減期は3時間半とされていて、カフェイン入りの飲み物を飲んだ場合、体内に入ったカフェインは分解されることによって、3時間半経てば、半分の量になり、7時間経てば、なくなります。
ところが、女性の場合には月経周期中のカフェイン代謝効率が変化し、排卵後はカフェインの代謝効率が低下し、体内に蓄積するカフェインの量が増加したり、そもそも、カフェインの代謝効率が遺伝的な要因で異なります。
そのため、コーヒーが妊娠や出産に及ぼす影響については一概には言えませんが、コーヒーが好きで習慣的に飲んでいる場合は、治療中でも1日2、3杯程度であれば我慢する必要はないようです。
ただし、妊娠後は控えるに越したことはありません。
・文献
1)Fertil Steril ARTICLE IN PRESS https://doi.org/10.1016/j.fertnstert.2019.03.014
2)Nutrients 2018; 10: 1116
3)Hum Reprod 2017; 32,: 1846.
4)Andrology, 2017; 5: 35.
5)Clin Epidemiol. 2017; 9: 699.
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________
全日本コーヒー協会の調査では日本のコーヒー消費量は、年々、拡大傾向にあることがわかります。実際にカフェが増えたり、コンビニでコーヒーが買えるようになったりと、そのことが実感できます。
好きな方は、たとえ、不妊治療中でも無理に我慢することはないようです。我慢がストレスになると、かえって、マイナスにならないとも限りません。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.830
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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