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妊娠しやすいカラダづくり No.863 2020/1/5
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・編集長コラム:妊娠や出産にふさわしい生活スタイルを意識する
・お知らせ
・当社製品&サービス
・人材募集のお知らせ
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年12月29日 編集長コラム
大切なのは「方法」ではなく「目的」
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20191230.html
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2019年12月22日 最新ニュース
「地中海食的」栄養摂取による胚質改善への有効性:二重盲検比較対照試験
https://www.akanbou.com/news/news.2019122201.html
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編集長コラム Jan.2020_______________________________________________
妊娠や出産にふさわしい生活スタイルを意識する
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昨年あたりから、基本検査としてビタミンDの過不足の指標とされている25(OH)Dの血中濃度を測定し、不足している患者さんにはビタミンDのサプリメントを処方する不妊治療専門クリニックが増えてきた印象があります。
それほどに、ビタミンDが妊娠や出産に重要な役割を担っていること、そして、それにもかかわらず、ほとんどの女性が不足していることが、わかってきたということでしょう。
将来的には、葉酸だけでなく、ビタミンDのサプリメントも妊娠前から摂取するように公的な機関が推奨するようになるかもしれません。
実際、イギリスでは、厚労省にあたるNHSが葉酸とビタミンDのサプリメント摂取を妊娠前から推奨しています。
イギリスのバーミンガム大学の研究で、血中のビタミンD濃度と体外受精の出産率との関係を調査した7つの論文のデータを統合、解析し、ビタミンDが充足している女性は不足している女性に比べて出産率が33%高かったことを明らかにしています。
いくら、最先端の生殖医療を施しても、ビタミンDが不足しているがために本来の治療成績が得られないというような事態は避けたいものです。
これが多くの不妊治療専門クリニックでビタミンDの検査が導入されている理由です。
さて、このビタミンD、独特というか、不思議な栄養素で、私たちに大切なことを教えてくれているように思えてなりません。
まず、独特なところ、その1は、必要量のほとんどが体内でつくられているということ。
そもそも、ビタミンとは「体内でつくれない栄養素である」と定義されているにもかかわらずです。
そして、つくられ方も独特で、紫外線にあたると皮膚でコレステロールからつくられるのです。
独特なところ、その2は、食べ物にも含まれているのですが、魚だけにしか含まれていないことで、野菜には一切含まれていないのですね。
この、「紫外線にあたることでつくられる」と「魚にしか含まれない」が、ほとんどの女性で宿命的にビタミンDが不足してしまう理由なのです。
お肌を守るために日焼け止めを塗ると、当然、ビタミンDはつくられなくなりますし、日本人にとって食事からのビタミンDは、約8割は魚に頼っているにもかかわらず、この15年で 30代、40代の女性の魚の摂取量は約40%も減っているという事実があるからです。
ただ、このことに違和感をもたれた方も少なくないでしょう。
それは、緯度の高いところに住んでいる人は、いったい、どうしているのと。
私も思いました。
その答えは「魚」なのです。
いろいろな種類の魚に含まれているビタミンDの量を調べてみると、不思議なことに、サケやニシンなど、北の海でとれる魚ほどビタミンDが多く含まれているのです。
うまくできているというか、緯度の高いところに住んでいる人はビタミンDは、ほとんどが魚から摂っているのですね。
大変興味深い研究報告がなされています。
グリーンランドの住民を対象に食事内容とビタミンD濃度の関連を調べた研究なのですが、その地域の伝統的な食品(アザラシやクジラ、野ガモ、魚、トナカイ、ジャコウウシ、野ウサギ)をまったく食べない人は毎日食べる人に比べて血中のビタミンD濃度はおよそ半分だったというのです。
ほとんど日照のないところでは自分でビタミンDをつくることが出来ませんが、そんなところで獲れる食べ物にはビタミンDが豊富に含まれていて、それらをたくさん食べた人が生き残ったのでしょう。
一方、日本に住む人にとっては、必要なビタミンDのほとんどは紫外線にあたってつくり、残りは近海で獲れた魚を食べて摂る、これが「伝統的な」ビタミンDの補給方法だったはずです。
ところがです。
ライフスタイルの変化で、どちらも補給方法も絶ってしまい、ビタミンD不足が蔓延してしったのでしょう。
このことが生殖機能にもマイナスの影響を及ぼしているというわけです。
厚労省は食事摂取基準の2020年度版では、ビタミンDの18歳以上の1日の目安量をそれまでの5.5μgから8μgに引き上げることを決定したと聞いています。
ただし、そこには、「日照により皮膚でビタミンDが産生されることを踏まえ、適度な日照を心がけ、ビタミンD摂取においては、日照時間を考慮に入れることが重要である。」と書かれています。
つまり、日本に住む人にとっては必要なビタミンDがつくられる程度には日にあたることは「デフォルト」なのです。
そして、それは、夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度、日に当たるだけで十分とされています(骨粗鬆症財団)。
もちろん、不妊治療に臨む場合には次の周期で妊娠を目指すわけですから、もしも、不足しているのであれば、やはり、サプリメントで効率的に補充するのが有利であることは間違いありません。
ただし、それでも、まずは、外に出て日光にあたり、少なくとも週に2、3回はサケやマイワシ、カツオなどのビタミンD の豊富な魚を食べるような生活スタイルを心がけることです。
その結果、体内のビタミンD濃度を高めるだけでなく、運動することやオメガ3脂肪酸も摂取することになり、それらは相乗的に生殖機能を高めることになるに違いありません。
それが、妊娠や出産にふさわしい生活スタイルと言えるのではないでしょうか。
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編集後記____________________________________________________________
2020年、最初の配信です。
今年も役立つ情報を発信してまいります。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.863
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