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妊娠しやすいカラダづくり No.864 2020/1/12
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説：DASH食と精子数増加が関連
・お知らせ
・当社製品＆サービス
・人材募集のお知らせ
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2020年1月11日 最新ニュース
食事パターンと精子の質や生殖ホルモンとの関係
https://www.akanbou.com/news/news.2020011101.html
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2020年1月10日 最新ニュース
男性の亜鉛&葉酸サプリメント摂取の精子に質や生産率への有効性(RCT)
https://www.akanbou.com/news/news.2020011001.html
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2020年1月6日 編集長コラム
ビタミンD不足の蔓延が教えてくれること
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20200106.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
最新ニュース解説_____________________________________________________
DASH食と精子数増加が関連
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高血圧を防ぐ食事法であるDASH食が精子数増加と関連するという研究報告がスペインからなされています（１）。
最近、食事パターンと精子の質の関連を調べた研究報告が、相次いでなされていますが、これまでの研究は、地中海食に代表される、健康によいとされている食事パターンと精子の質を調べたものでしたが、今回の研究では、3つの食事パターンを比較していることが特筆すべきところです。
◎どんな研究だったのか
被験者は、健康な若者で、スペインのムルシア大学の男子大学生（18〜23歳）で、男性不妊患者ではありません。
アメリカのハーバード公衆衛生大学院とコラボし、環境や生活習慣と男性の生殖機能との関連を調査した「ムルシアヤングメンズ研究」の一環として実施されたものです。
具体的には、まず、209名の男子大学生に、過去１年間にどんな食品をどれくらいの頻度でどれくらいの量を食べたかを尋ねる質問票に答えてもらい、AHEI-2010、地中海食、DASH食の3つの食事パターンにどれだけ近いかをスコア化します。
そして、それぞれのスコアで4つのグループ（Q1、Q2、Q3、Q4）にわけ、最もスコアが高いQ4のグループが最もその食事パターンに近い食べ方をしているということをあらわします。
さて、3つの食事パターンの特徴は以下の通りです。
・AHEI-2010：生活習慣発症リスクの低下と関連している食べ方。すなわち、AHEIパターン度が高いほど生活習慣病にかかりにくくなることがこれまでの研究で明らかにされています。
野菜（じゃがいもを除く）、果物、全粒穀物、ナッツ類、豆類、オメガ3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、アルコールを多く、砂糖入り清涼飲料水、果物ジュース、赤身肉、加工肉、トランス脂肪酸、ナトリウム（塩）は少ない食べ方です。
・地中海食：地中海沿岸地域の伝統的な食事パターン。さまざまな生活習慣の発症リスク低減に関連するという膨大な研究報告がなされています。
野菜、じゃがいも、豆類、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイルを多く、高脂肪乳製品、赤肉、鶏肉、アルコールが少ない食べ方です。
・DASH食：高血圧を予防する降圧のための食事療法。
緑黄色野菜を中心とした野菜や果物、海藻類、大豆食品、ナッツ類、低脂肪乳製品、全粒穀物を多く摂取し、総脂肪や飽和脂肪の摂取が少なく、カリウム、マグネシウム、カルシウム、食物繊維の摂取量を増やす食べ方。
いずれも健康食として有名な食べ方であり、野菜や果物、ナッツ、全粒穀物を多く食べ、肉よりも魚中心であることは共通しています。
そんな中でAHEIは砂糖入り清涼飲料水や加工食品を少なく食べる、地中海食は新鮮な野菜にオリーブオイルをふんだに使い魚を多く食べる、そして、DASH食は緑黄色野菜や海藻類、果物を多く食べるという特徴があります。
そして、気になる結果ですが、3つの食事パターンの中でDASH食のみ、精子濃度、総精子数、総運動精子数が有意に関連することが明らかになりました。
つまり、DASH食度が高い男性ほど、つまり、Q1よりもQ2、Q2よりもQ3、Q3よりもQ4の男性のほうが精子数が多かったというのです。
◎単独で食べるより、組み合わせて摂る方が効果が大きい
いずれも健康的な食べ方なのですが、特に、血圧を下げる効果のある食べ方が精子をつくる働きによい影響を及ぼすことが示唆されたというわけです。
このDASH食、高血圧患者のための食事療法として臨床現場でも積極的に導入されていて、DASH食を続けることにより、軽症の場合は降圧剤を服用しなくても済むようになる人もいるそうです。
要するに、血圧を下げる作用のある食品は単独で食べるより、組み合わせて摂る方が効果が大きいということが証明われているということです。
今回の研究結果は、それと同じことが精子の質についても言えることを明らかにしました。
◎精子の数によい影響を及ぼす可能性のある食べ方
改めてDASH食とはどのような食べ方なのかを確認しておきたいと思います。
基本は、野菜・果物・低脂肪の乳製品を十分摂り、肉類や砂糖を減らします。
具体的には、必ず、緑黄色野菜と淡色野菜を毎食取り入れることです。また、果物はカリウムの多いバナナ、プルーン、リンゴなど、そして、魚を中心にし、主食は玄米や胚芽米、大豆食品やナッツも毎日食べ、乳製品は低脂肪の牛乳やヨーグルト、チーズを選びます。反対に、牛肉や豚肉（脂身）は少なく、甘いお菓子や砂糖入り清涼飲料水などは出来るだけ控えます。
◎食事を改善した上でサプリメントを活用する
最近、男性が1日に葉酸5000μgと亜鉛30mgをサプリメントで6ヶ月間摂取しても、精液所見やパートナーの治療成績の改善に寄与しなかったという、2000名以上の不妊治療カップルを対象にした二重盲検無作為比較対照試験の結果が発表されました（２）。
このことは、特定の栄養素を高用量（厚労省の葉酸サプリの上限の5倍）にサプリメントとして補充しても改善がみられなかったことを教えてくれています。
ビタミンやミネラルといえども、闇雲に大量に摂取するのは意味がなく、ビタミンやミネラルのサプリメントは不足している場合に適切な量をサプリメントで補充すべきであることは明らかです。
お子さんを望まれる男性にとっての正しいサプリメントの使い方は、精液所見が問題がなければベーシックなビタミンやミネラルを適切な量で、男性不妊と診断された場合は抗酸化剤を選ぶべきです。
そして、いずれにしても、まずは、食事内容を改善することです。
今回の研究結果はその際の参考になるはずです。
◎文献
１）Hum Reprod 2019; 34: 1866
２）JAMA. 2020; 323: 35.
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編集後記____________________________________________________________
DASH食をベースにした食べ方を心掛けることで精子によいだけでなく、将来の生活習慣病も予防できる可能性が高くなるのですね。
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妊娠しやすいカラダづくり［毎週末発行］ VOL.864
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