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妊娠しやすいカラダづくり No.868 2020/2/9
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・トピックス:魚を食べることのベネフィットはリスクを上回る
・当社製品&サービス
・人材募集のお知らせ
・編集後記
トピックス Feb.2020_________________________________________________
魚を食べることのベネフィットはリスクを上回る
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水銀は温度計や血圧計、蛍光灯など、身近なものに使われていますが、水俣病によって魚に含まれるメチル水銀が中毒性の神経疾患を引き起こすことが広く知られるところとなりました。
その時、妊娠中の女性が取り込んだメチル水銀は、胎盤経由で移行して胎児の脳にも障害を与えました。
◎メチル水銀とは?
水銀には大きく金属水銀、無機水銀、有機水銀(メチル水銀)の3つの形態にわけられ、自然環境中ではこれらの間で互いに変化しています。
この中で日常生活で身体に取り込む可能性が大きいのは魚からのメチル水銀です。
海中の無機水銀が微生物の作用でメチル水銀に変換され、それが生態系の食物連鎖によって魚介類などの生き物に蓄積するからです。
そのため、草食の小魚よりも肉食の大型魚やクジラのような海獣のほうがメチル水銀が高濃度に蓄積されることになります。
◎メチル水銀の胎児への影響
メチル水銀は胎盤を介して容易に胎児に移行します。胎児は発達過程にあるため中枢神経系にメチル水銀の毒性の影響が及ぶことになります。
そのため、厚生労働省では妊婦に向けて「注意が必要な魚の種類と量」を広報しています。
全ての魚に同じように水銀が含まれているわけではなく、食物連鎖の上位にいる魚ほど多くの水銀が蓄積することになります。厚生労働省は以下の通りです。
+)注意が必要な魚(1週間に刺身1人前、切身1切れ以内に)
キンメダイ、ツチクジラ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチマグロ)、エッチュウバイガイ、マッコウクジラ
+)注意が必要な魚(1週間に刺身半人前、切身2分の1切れ以内に)
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ
○)特に注意が必要でない魚
キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなど
マグロなどは1〜2週間に1回以下にしたほうが無難ですが、サケやアジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどのポピュラーな魚は心配せずに、食べても大丈夫なようです。むしろ、積極的に食べるべきです。
◎魚を食べることはリスクを上回るベネフィットがある
魚を食べることでメチル水銀が取り込まれます。その上、日本は魚からのメチル水銀の摂取量が他国に比べて高いことが知られています。
ただし、だからと言って、魚、特に、小型の魚を控える必要は全くありません。
なぜなら、魚にはリスクを上回るベネフィットがあるからです。
魚などから体内に取り込まれたメチル水銀は生殖機能にマイナスの影響を及ぼしますが、同じ魚に含まれる微量元素であるセレンはその影響を軽減する作用があるからです。
秋田大学を中心とする研究チームは、生活環境で体内に取り込まれる重金属と女性の妊孕能との関係を調べる研究を行なっています。
どのような研究かと言いますと、秋田大学病院で不妊治療を受けている不妊女性98名と不妊症でない30歳代の女性43名に血液検査を行い、水銀や鉛、カドミウム、ヒ素、マンガン、亜鉛、セレンの血中濃度を比較し、AMH値と重金属濃度の関係を調べました。
その結果、血中セレン濃度やセレン/水銀モル比(物質量の比)は、不妊症でない女性に比べて不妊症女性rのほうが有意に低く、水銀濃度に影響を及ぼす因子を取り除くためにデータを補正したところ、血中水銀濃度は不妊症群のほうが有意に高かったというのです。
メチル水銀は女性の妊娠する力にマイナスの影響を及ぼすものの、セレンはメチル水銀の影響を軽減するのではないかと考えているようです。
実際、セレンにはメチル水銀の毒性を軽減する作用があることが動物や試験管内の実験で検証されています。
メチル水銀は主に魚を食べることで体内に取り込みますが、魚は良質のタンパク源であり、オメガ3脂肪酸の供給源でもあり、魚の摂取量と良好なART治療成績が関連するという研究報告もなされています。
そのため、メチル水銀を避けるために魚を食べないことは、かえって、マイナス面のほうが大きくなり、得策とは言えません。
そのため厚労省の目安を参考にマグロなどの大型魚は週に1回程度にし、それ以外の魚は積極的に食べ、かつ、セレンが不足しないようにバランスよく食べることを心がけることがメチル水銀のリスクを回避する最も有効な方法になると思われます。
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編集後記____________________________________________________________
なんでも食べることは有害なものをも無毒化してくれるようです。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.868
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