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妊娠しやすいカラダづくり No.891 2020/7/19
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今週の内容__________________________________________________________
・最新ニュース解説:男性の年齢と精子DNA損傷の関係
・アンケートへのご協力のお願い
・当社製品&サービス
・編集後記
最新ニュース解説 Jul.2020__________________________________________
男性の年齢と精子DNA損傷の関係
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男性の年齢が高くなるほど、個人差が大きいものの精液中に損傷したDNAを持つ精子の割合が高くなり、その傾向は男性不妊であろうとなかろと変わらないという研究報告がアメリカからなされています(1)。
◎精子のDNAが損傷を受けると精子の質が低下する
主に酸化ストレス(活性酸素のダメージが体に備わった防御力を上回っている状態)によって、精子のDNAが損傷を受けるのですが、DNAに損傷を受けた精子が多くなると胚盤胞到達率や妊娠率が低下したり、流産率が高くなることが知られています。
損傷したDNAを持つ精子の割合のことを精子DNA断片化指数(DFI)と呼ばれています。
◎どんな研究だったのか
研究は、不妊クリニックに通院する男性25,445名と男性不妊でない男性87名からて提供してもらった精液の精子DNA断片化指数を測定し、年齢別グループ(20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60-80歳)で比較しています。
◎どんな結果だったのか
20代、30代、40代までは差はありませんでしたが、50代、60歳以上は統計学的に有意な差で上昇することがわかりました。
また、男性の年齢とDFIの関係をみてみると年齢が高くなるほどDFIが高くなりますが、上昇度合い(グラフの傾き)は、41.6歳を境に大きくなることもわかりました。
さらに、それらの傾向は男性不妊患者でも、そうでない男性でも変わらないこともわかりました。
◎DFIと妊娠率の関係
実際、DFIが人工授精の妊娠率にどれくらいの影響を及ぼすかと言いますと、男性のDFIが0-9.9%、10-19.9%、20%以上、30%以上の妊娠率は、それぞれ、28%、26%、10%、5%とDFIが高くなるほど妊娠率が低くなり、DFIが20%から25%に5%上昇すると妊娠率が50%低下するという報告がなされています(2)。
◎年齢の影響は女性だけではない
今回の研究で男性も年齢は高くなるに従って、精子の質が低下し、治療成績にマイナスの影響を及ぼす可能性があるということがわかりました。
そして、それは40歳を超えると顕著にあらわれるようです。
DFIの主因とされている酸化ストレスは喫煙や多量の飲酒、ストレス、肥満、食生活、不規則な生活、激しい運動などが招くことが知られていますが、40歳を超えると、不健康な生活習慣に対する抵抗力が低下し、まずは、精子の質を損なうようです。
◎精液検査が正常でもDFIが悪化する場合がある
たとえ、男性不妊でなくても、すなわち、精液検査で問題がなくても年齢が高くなると精子の質が低下する傾向があるということです。
これまで、男性に対する不妊検査は、唯一、精子検査のみで、100年間、続けられてきました。
この検査で測定されるのは、精液量、精子濃度、精子運動率、正常形態精子率で、もちろん、これらの結果は、男性不妊の治療方針を検討する上で重要ですが、この検査のみでは精子の質、そのものは充分に反映できていない可能性が指摘されてきました。
その精子の質を間接的に測定するのが精液中酸化還元電位(ORP)検査、そして、精子の質をダイレクトに測定するのが精子断片化指数(DFI)検査です。
ORP検査とは、精液中の酸化ストレスの強さを測定する検査です。そして、DFI検査では、酸化ストレスで精子のDNAが損傷を受けた精子の割合を測定する検査です。
最近、これらの精子機能検査を実施するクリニックが、少しずつ増えてきていますが、まだまだ、どこのクリニックでも受けられるわけではありません。
◎二人で取り組むことが大切
精子の質について知っておきたいことは、たとえ、DFIが高くてもパートナーである女性の卵子に修復機構が備わっていて、受精後に修復されるものの、女性の年齢が高くなるにつれて、卵子の修復能力が低下するということです。
要するに、女性の年齢が高くなると精子のDNAの損傷の影響を受けてしまうということです。
そのため、男性も精子の質の維持が求められます。
そして、精子は毎日つくられていることから卵子に比べて、質の改善や維持が期待できます。
具体的には、禁欲期間を長くしない、2、3日に1回は射精し、精液中に新しい精子の割合を多く維持すること、禁煙すること、バランスのよい食生活、ストレスマネジメント、そして、抗酸化サプリメントを摂取することです。
カップルの年齢が高くなるほど男性の取り組みが大切になってきます。
以下は国立成育医療研究センターのプレコンセプションケアセンターの男性のためのチェックシートです。
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/pcc_checksheat_m.pdf
文献)
1)Fertil Steril 2020 Article in Press https://doi.org/10.1016/j.fertnstert.2020.03.028
2)Asian J Androl 2020; 22: 246
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com
アンケートへのご協力のお願い______________________________________
withコロナ時代の妊活中の不安に関するアンケート
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NPO法人Fineより、「withコロナ時代の妊活中の不安に関するアンケート」へのご協力のお願いです。
コロナ禍における妊活中の不安な気持ちを聞かせてください。
◎withコロナアンケートはこちら↓
https://questant.jp/q/0SH3V9MY
私たちの生活にさまざまな影響を与えた「新型コロナウィルス感染症」。妊活や不妊治療についても例外ではありませんでした。緊急事態宣言や日本生殖医学会の声明(治療の延期の推奨など)がでて、妊活や不妊治療に影響が出た方も多いのではないでしょうか。
コロナの影響で通院に気を使うという悩みをよく耳にしました。コロナ感染が不妊治療や生まれてくる子供に影響があるのではと不安になる方もいました。中には「不妊治療は不要不急では」といわれて深く傷ついたという方もいました。治療をあきらめることを考え出したという話も耳にしました。
緊急事態宣言は解除になりましたが、感染拡大の第2波、第3波も心配されています。この状況の中、妊活に関して、どんな思いでいましたか?どんなサポートが必要だと感じたでしょうか。
Fineではこのアンケートを通じて、妊活中の不安な気持ちやクリニックの対応を把握し、どのようなサポートが必要かを探っていきます。
そして、患者一人ひとりが納得のいく治療を受けられるよう、皆さんの声を広く社会へ届け、治療環境向上へつなげていきます。
【アンケート対象者】
不妊治療・不育症治療を受けている(これから受ける)すべての方
【期間】
7月31日(金)まで
アンケート所要時間は10分程度です。
◎withコロナアンケートはこちら↓
https://questant.jp/q/0SH3V9MY
ご協力をよろしくお願いします。
当社製品&サービス________________________________________________
・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
https://babyandme.jp/
・翻訳書:妊娠しやすい食生活
http://www.akanbou.com/shoku/
・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/
編集後記____________________________________________________________
男性もプレコンセプションケアが大切な時代になりました。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.891
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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◎発行部数
・自社配信: 1,438部
・まぐまぐ: 2,542部
・合計部数: 3,980部(7月19日現在)
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