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VOL.903 精液中の酸化ストレスが高い男性不妊患者に対する抗酸化サプリメント

2020年10月11日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.903 2020/10/11
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・トピックス:精液中の酸化ストレスが高い男性不妊患者に対する抗酸化サプリメント
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

 サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2020年10月11日 編集長コラム
自然な老化と不自然な老化
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20201011.html
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トピックス Oct.2020________________________________________________

 精液中の酸化ストレスが高い男性不妊患者に対する抗酸化サプリメント
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精液中の酸化ストレスが高い男性不妊患者に対して、BABY&ME「SOサポート2」やビタミンB12製剤に有効性が示唆された研究結果が、現在、WEB開催されている第38回日本受精着床学会学術講演会で発表されていますのでご紹介します。

◎多施設共同ランダム化オープン並行群間比較試験
研究は、山王病院、筑波学園病院、横浜市立大学附属市民総合医療センターの多施設共同研究として、男性不妊患者に対する抗酸化サプリメント(SOサポート2)の投与の精液所見や精液中酸化還元電位(ORP)に対する影響を調べることを目的に実施されました。

◎どんな研究だったのか?
多施設の男性不妊患者を対象にSOサポート2を飲んでもらうグループとビタミンB12製剤を飲んでもらうグループにランダムにわけて、3ヶ月間服用してもらいました。

それぞれのグループの男性に投与前と投与3ヶ月後に精液を採取し、精液検査とORP検査(精液中の酸化ストレスを測定する検査)を行い、投与前後の検査結果を比較しました。

3ヶ月後に精液採取可能だったのはSOサポート2を服用したグループでは36名、ビタミンB12製剤を服用したグループでは31名でした。

◎どんな結果だったのか?
精液中の酸化ストレスが高い男性の投与前の精子濃度は1mlあたり916万だったのに対して、低い男性では1mlあたり3914万、総運動精子数では酸化ストレスが高い男性では794万だったのに対して低い男性では2678万でした。

そして、酸化ストレスが低い男性ではSOサポート2やビタミンB12製剤の服用前後で精液所見に差は見られませんでしたが、酸化ストレスが高い男性ではSOサポート2の服用によって、精子濃度が775万から1664万に、総運動精子数は487万から1006万に、それぞれ有意に改善されました。ビタミンB12製剤では酸化ストレスが高い男性の精子濃度のみ1031万から3022万に改善されました。

このことから精液中の酸化ストレスは精子をつくる働きを一時的に低下させることが示唆されるとともに、酸化ストレスが高い男性不妊患者には抗酸化サプリメント「SOサポート2」の有効性が示唆されました。

◎原因不明男性不妊の多くに酸化ストレスが関与している
男性不妊原因で最も多いのは原因不明の乏精子症や精子無力症です。原因不明なわけですから、有効な治療法もわかりません。

そのため、男性側に原因があるにもかかわらず、パートナーの女性への顕微授精で妊娠を目指すのが現実です。

そんな中で、精液中の酸化ストレスや精子DNAの損傷率を測定し、酸化ストレスが関与している男性不妊であることが明らかになると、適切な対策を講じて、精子の質を改善することが期待できます。

今回の研究では精子濃度や総運動精子数の改善が確認されましたが、精子の質、すなわち、精子DNAの損傷率が低下していれば、顕微授精や体外受精の培養成績や受精率や妊娠率、出産率の向上だけでなく、顕微授精が不要になって体外受精や人工授精、自然妊娠で妊娠が期待できるようになって、パートナーの女性への治療の負担の軽減が期待できるかもしれません。

◎精子の質を改善し、女性への負担を軽減し、妊娠を目指す
酸化ストレスレベルや精子DNAの損傷度が明らかになると、これまで、「取り敢えず試して」みるしかなかった治療や抗酸化サプリメントも、より有効な方法で行うことが可能になります。

もちろん、酸化ストレスの発生源は複数あり、ライフスタイルが深く関与しています。治療や抗酸化サプリメントを使う前に、禁煙をはじめとするライフスタイルの見直しは必須です。

ライフスタイルを見直すことで、その後の治療や抗酸化サプリメントの有効性も変わってくるはずです。

原因がわからないというのはとても悩ましいことですが、原因が明らかになることで、ライフスタイルの改善や治療も、より前を向いて取り組めるようになるに違いありません。

特に、顕微授精では精子の選別がとても重要であること、そして、女性が高齢になると卵子に備わっていると言われている「精子のDNAの修復能力」も低下していくことなどを考えると、精子の質に目を向けることは、今後、益々、重要度が高くなるに違いありません。

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当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

季節の変わり目の天候不順で、くれぐれも、ケアを大切になさってください。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.903
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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・自社配信: 1,474部
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・合計部数: 3,952部(10月11日現在)
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