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妊娠しやすいカラダづくり No.907 2020/11/8
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・最新ニュース解説:血糖値が上昇しやすい食事は卵巣低反応のリスクを高める可能性
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2020年11月8日 最新ニュース
血糖値の上昇しやすい食事と卵巣低反応(少ない採卵数)の関係
https://www.akanbou.com/news/news.2020110701.html
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2020年11月7日 曇り時々雨、のち晴れますように
楽しいことも実はつかれます
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20201107.html
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最新ニュース解説 Nov.2020__________________________________________
血糖値が上昇しやすい食事は卵巣低反応のリスクを高める可能性
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血糖値が上昇しやすい食事は、卵巣予備能が正常でも採卵数が少なくなる可能性があることがイタリアの研究で明らかになりました(1)。
血糖値が上昇しやすい食事、具体的には精製度の高い炭水化物をたくさん食べるような食事は、体外受精で卵巣刺激に対する卵巣の反応が悪くなり、採卵数が3個以下になるリスクが高くかもしれないというのです。
◎どんな研究だったのか?
イタリアのミラノ大学の研究チームは大学病院でART治療を受けるBMI(18-25)や卵巣予備能(胞状卵胞数が10-22個、AMHが2-5ng/ml)が正常な18-39歳の女性303名を対象に食事と卵巣低反応の関係を調べるために研究を実施しました。
まず、卵巣刺激は150-225IU/日の排卵誘発剤を用いて行われ、採卵日に食物摂取頻度調査票を用いて食事調査を行い、グリセミック負荷やグリセミック指数、炭水化物、食物繊維、全粒穀物、動物性・植物性タンパク質の摂取量を調べ、卵巣低反応(採卵数3個以下)との関係を調べました。
因みに、グリセミック指数とは食品ごとの血糖値の上がりやすさの指標で、数値が大きいほど血糖値が上がりやすいことをあらわします。
一方、グリセミック負荷は、グリセミック指数に炭水化物の重量をかけた数値で、同じように血糖値の上がりやすさの指標ですが、グリセミック指数が同じでも食べる量が多いと血糖値の上昇度が高くなることから、グリセミック負荷のほうがより現実的に反映されると言えます。
◎どんな結果だったのか?
採卵数が3個以下の卵巣低反応だったのは303名中48名(16%)でした。
そして、グリセミック負荷が高い食事、炭水化物の多い食事をしていた女性ほど、卵巣低反応が多いことがわかりました。
どれくらいの程度だったかと言いますと、グリセミック負荷で3つのグループに分けたところ、最大グループは最小グループに比べて卵巣低反応のリスクが約4倍高く、同様に炭水化物では5倍弱、それぞれ高いことがわかりました。
その一方、グリセミック指数や全粒穀物、タンパク質の摂取量とは関連しませんでした。
このことから血糖値の上昇しやすい食事は卵巣予備能が正常な女性の卵巣の反応性にマイナスの影響を及ぼすことが示唆されました。
◎質の低い炭水化物と生殖機能
血糖値が上がりやすい食べ方とは、具体的に言えば、質の低い、すなわち、精製度の高い炭水化物を、たくさん、かつ、空腹時に食べることです。
食事内容で言えば、主食に白いご飯や白いパンを、ご飯やパンから食べることです。間食で言えば、砂糖入りの飲み物やスイーツを空腹時に飲んだり、食べたりすることです。
そうすると血糖値が急上昇し、それに伴うインスリンが大量に分泌され、今度は血糖値が急降下します。
それを繰り返しているとインスリンの効き目が悪くなり、インスリン抵抗性を招き、その先は糖尿病予備軍になります。
このような糖の代謝のプロセスで卵巣はさまざまな影響を受けます。
たとえば、男性ホルモン、あるいは、レプチンが増え、いずれも卵胞発育を抑制するように働きます。
血糖値が上昇しやすい食事を続けているうちにこのようなことが起こり、たとえ、卵巣に多くの原始卵胞が残っていても、卵胞発育が抑制されたり、障害を受けたりして、採卵数が少なくなるのではないかと研究チームは推測しています。
◎血糖値が上昇しにくい食べ方を心がけたい
今回の研究では卵巣予備能が正常でも血糖値を上げやすい食事をしていると採卵数が少なくなるリスクが伴うことが示唆されました。
もしも、卵巣予備能が低下している、すなわち、胞状卵胞数が少なく、AMHが低値であれば、尚更のことです。
そのため、普段から血糖値が上昇しにくい食べ方を心がけたいものです。
1)炭水化物の質や量に気をつける
精製度の低い炭水化物を避け、食べ過ぎないようにします。具体的には玄米や胚芽米、あるいは、全粒粉パンを1食あたり、小さなお茶碗1杯、もしくは、1枚にすること。
また、食物繊維が多い食材を選び、甘いものは食べ過ぎない、そして、砂糖入り清涼水は飲まないこと。
2)食べる順番に気をつける
空腹時に糖質が入ってくると血糖値が急上昇しやすいことが知られています。そのため、最初に食物繊維の多い野菜類、次に肉・魚などのたんぱく質、最後にご飯やパン、麺類などを食べるます。
また、甘いものは空腹時に食べたり、飲んだりしないようにします。
3)食べ方に気をつける
ゆっくり、そして、よく噛んで食べます。そうすれば、消化もゆっくりになり、糖質の吸収もゆっくりになります。
また、食べ過ぎ予防にもなります。
4)食べ方に気をつける・その2
食事と食事の間隔があくと食後の血糖値が上昇しやすくなります。そのため、3食を、欠食しないで、かつ、毎日同じリズムで(同じ時間に)食べます。
以上です。
炭水化物は糖質と食物繊維を含み、糖質はエネルギーの産生に必要な一方、多くなると生殖機能にマイナスの影響を及ぼします。
エネルギー代謝と生殖機能が密接に関連している、すなわち、食と生殖が連動しているのは新しい命は授かるだけでなく、その後、食べることでサバイバルする必要があったからではないかと、そんな妄想にとらわれてしまいます。
いずれにしても、ファミリーのサバイバル、すなわち、妊娠や出産にふさわしい食べ方を心がけることが大切ですね。
文献
1)Reprod Biomed Online 2020; 41: 874
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編集後記____________________________________________________________
今回の研究は、食べ方と採卵数の関係を調査した初めての研究だそうです。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.907
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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