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VOL.908 男性の年齢も治療成績に影響を及ぼす

2020年11月15日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.908                       2020/11/15
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:男性の年齢も治療成績に影響を及ぼす
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

 サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2020年11月15日 最新ニュース
男性の年齢は体外受精における胚発育の障害になる可能性
https://www.akanbou.com/news/news.2020111501.html
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2020年11月10日 曇り時々雨、のち晴れますように
不妊で傷ついた心を癒すためには
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20201110.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
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最新ニュース解説 Nov.2020__________________________________________

 男性の年齢も治療成績に影響を及ぼす
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男性の年齢も体外受精や顕微授精の治療成績にマイナスの影響を及ぼす可能性があるという研究報告がベルギーのルーベン大学の研究グループから発表されています(1)。

妊娠しやすさに最も影響するのは女性に年齢であり、女性の年齢が高くなると、たとえ、体外受精を受けても年齢の影響はいかんともしがたく、治療成績は低くならざるを得ないという、本当に悩ましい現実と向き合わざるを得なくなります。

ところが、その治療成績の低下には男性の年齢の影響もあるかもしれないというのです。

◎どんな研究だったのか?
ルーベン大学で体外受精に臨む87組のカップルの男性の年齢が193治療周期で得られた1057個の受精卵の発育にどのように影響を及ぼすのか調べられました。

因みに男性の平均年齢は35歳、女性は33.5歳でした。

その結果、2日目の4分割期胚や3日目の8分割期胚まで成育する割合が男性の年齢が高くなるほど低くなったというのです。

どれくらいかと言いますと、男性が25歳では2日目の4分割期胚が53%、3日目の8分割期胚は38%得られたのに対して、45歳になると、それぞれ、35%、20%に低下、特に3日目の8分割期胚は得られた割合は統計学的に有意な差だったとのこと。

参考までに男性の被験者のほとんどは精液検査に問題はなく、男性不妊患者ではありませんでした。

◎女性の年齢ほどの影響ではないものの
男性の年齢が治療成績にすると言っても、もちろん、その程度は女性の年齢ほどではありません。

因みに女性が20-24歳の流産率が9%に対して、45歳になると75%にも上昇します。

それは、もう比べるべくもないのですが、たとえ、女性ほどではなかったとしてもですね、男性の年齢も影響しているかもしれないということは、とても大きな意味合いをもつはずです。

少し前に発表されたカナダのトロント大学の研究でも、卵子提供で体外受精を受けたカップル407組の3118個の胚盤胞をPGT-Aで染色体の数的異常を診断した結果、男性の年齢が39歳以下に比べて50歳以上では部分的数的異常の割合が有意に高かった(19.4% vs. 36.6%)との報告がなされています(2)。

つまり、男性も高齢化すると精液検査、すなわち、精子の数や運動性に問題なくても、精子の質が低下し、その結果、胚の染色体異常のリスクが高くなり、胚発育の障害になるのかもしれません。

実際に精子の質の指標とされている精子DNA断片化率は男性の年齢が高くなるに伴い、悪化することは多くの研究で確かめられている事実です。

◎男性の精子の質の改善が治療成績改善に寄与するかもしれない
女性の卵子は新たにつくられることはありませんが、男性の精子は、毎日、つくられています。

そして、精子の質は、男性のその時々の心身の状態を反映することもよく知られています。

つまり、年齢による精子の質の低下は、完全ではないにしても改善が可能だということです。

タバコや深酒を避けることは、もちろんのこと、バランスのよい食事や適度な運度習慣、規則正しい生活リズム、そして、頻繁な射精は、いずれも精子の質の改善に寄与します。

要するに女性の年齢による治療成績の低下に対して、頑張るべきは女性ではなく、男性なのです。

◎ふたりで取り組む不妊治療
女性の年齢との闘いには、どうしても孤独感がつきまとうということをよく耳にします。

ところが、男性の年齢も関わっているのです。

このことをふたりで理解し、正しく認識することこそが、ふたりで取り組む不妊治療には絶対に必要ではないかと、思います。

本当の意味でふたりで取り組む不妊治療には、男性の当事者意識が必須だと思うからです。

文献)
1)Hum Reprod Advance article 2020/11/9
2)Fertil Steril 2020; 114: 293.

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編集後記____________________________________________________________

アウトドアが気持ちのよい季節ですね。

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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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