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妊娠しやすいカラダづくり No.909 2020/11/22
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今週の内容__________________________________________________________
・トピックス:冬はビタミンD欠乏に注意
・当社製品&サービス
・編集後記
トピックス Nov.2020_______________________________________________
冬はビタミンD欠乏に注意
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ビタミンDが妊娠や出産に際してとても重要であることは広く知られるようになりました。
ビタミンDが充足している女性は、ビタミンDが不足、欠乏してしている女性に比べて、体外受精の治療成績が良好であるという研究結果が発表されています(1)。
ビタミンDの作用に細胞の分化があり、卵胞の発育に必須ですし、免疫調節作用は着床や妊娠の継続にも重要な役割を担います(2)。
さらに、カルシウムと骨の代謝調節作用は胎児に成長に重要で、最近の妊婦のビタミンD不足が新生児のくる病増加を招いています(3)。
このように、妊娠後の母子の健康、さらには、子どもの出生後の健康にも影響することもわかっているため、妊娠前からビタミンDを充足させておくことが大切です。
ところが、これからビタミンDが不足しやすい季節になります。
ビタミンDはビタミンとされているにもかかわらず、必要量のほとんどは紫外線にあたることで皮膚でコレステロールから合成されています。
なぜ、「ビタミンとされているにもかかわらず」なのかは、そもそも、ビタミンとは体内で合成できないため、食品から摂取する必要性のある有機化合物と定義されているからです。
そして、ビタミンDが摂取できる食品は、ほとんど、魚だけで、それも「サケ」くらいです。
これが、ビタミンDが、女性の間で、特に、冬に不足する理由です。
日焼け止めを使い、ビタミンDがつくられる紫外線をカットする上、冬は日照時間が短くなるからです。
北九州のオフィスワーカー男性312名、女性217名を対象に7月と11月の血中のビタミンDのマーカーを測定した研究(4)があります。
それによると、平均値は7月が27.4ng/mlだったのに対して、11月は21.4ng/ml と低く、ビタミンD欠乏(20ng/ml未満)の割合が7月では9.3%だったのに対して、11月では46.7%と半分近くになっています。
また、日照時間は季節だけでなく、場所(緯度)によっても異なります。そのため、同じ日本に住んでいても南と北ではビタミンDの体内濃度が違うはずです。
1日に必要とされるビタミンDをつくるのに必要とされる日光浴の時 間を札幌、つくば、那覇で7月と12月で比較した研究(5)があります。
それによると、両手と顔を露出した場合、7月の正午では那覇で2.9 分、つくばで3.5分、札幌で4.6分だったのに対して、12月の正午では那覇で8分、つくばで22分、札幌で76分と北にいくほど夏と冬の差が 大きくなっています。
このように、冬、特に北日本では、ビタミンD欠乏を意識的に回避す る必要があると言えます。
必要とされる量のビタミンDを体内でつくるのに、どれくらいの時間、日にあたればいいのか、推奨日光照射時間をタイムリーに教えてくれるサイトがあります。
国立環境研究所/地球環境研究センターが提供するビタミンD生成・紅斑紫外線量情報の簡易サイトです。
http://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/mobile/
まず「観測局の選択」で最寄りの観測局を選び、その日のその時間の天気で、適切な量のビタミンDを体内で生成するために推奨される日光照射時間が表示されます。
それでは、これからの季節、ビタミンDの不足や欠乏回避になにができるのでしょうか。
北九州で行われた研究では魚介類や運動、タバコを吸わないことが、血中のビタミンDマーカーの高値と関連したと報告しています。
前述の通り、ビタミンDが豊富に含まれる食品は、魚、それもサケです。
そうなのですが、毎日、サケを食べるわけにもいきませんので、基本は日にあたることです。
意識して日光浴をするのも難しいと思うので、やはり、ウォーキング等の運動が現実的かもしれません。
ただし、女性の場合、季節を問わず日焼け止めクリームなどの紫外線対策を欠かさないという方も少なくないでしょうから、確実なのはサプリメントになると思います。
サプリメントを利用する場合は、ビタミンDは脂溶性のため摂取するタイミングが大切です。1日のうちで食事が最も多い食後が吸収効率がよいとされています(6)。
1)Hum Reprod. 2018; 33: 65
2)Nutrients 2018, 10, 902
3)J Clin Endocrinol Metab 2008; 93: 1784
4)J Epidemiol. 2011; 21: 346-53.
5)J Nutr Sci Vitaminol. 2013; 59: 257-63.
6)J Bone Mineral Research 2010; 25: 928-930
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編集後記____________________________________________________________
これからの季節のビタミンD不足対策は、朝のウォーキング、週に1回はサケを食べ、サプリメントで補充することになりますね。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.908
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