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VOL.925 妊娠中の魚食と子どもの発達

2021年03月14日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.925           2021/3/14
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:妊娠中の魚食と子どもの発達
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

  サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2021年3月7日 編集長コラム
楽しく食べる!
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20210308.html
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最新ニュース解説 Mar.2021___________________________________________

  妊娠中の魚食と子どもの発達
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妊娠中に魚を多く食べた女性では、手や指を使った細かな動作や問題の解決の発達が遅くなる子どもが少ないことが富山大学の研究グループによる研究で明らかになりました。

魚は、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸の代表的な供給源で、EPAやDHAは胎児の脳や神経の成長に深く関わっています。

また、EPAは良好な胚の発育にも関与しているという研究報告も多くなされていますので、妊娠希望の女性にとって、EPAやDHAの唯一の供給源である魚を意識して食べることが大切です。

◎どんな研究だったのか?
エコチル調査と呼ばれている、子どもの健康と環境に関する研究に参加する約82,000人の妊娠中女性の魚の摂取量と出生児の発達の関係を調べました。

妊娠中の女性の魚の摂取量で5つのグループ(少ない・やや少ない・中程度・やや多い・多い)に分け、少ないグループとほかのグループの出生児の発達状況を比較しています。

出生児の発達は、出生後6ヶ月と1歳の時点のASQ-3と呼ばれている、親が記入する発達評価ツールを指標として用いています。ASQ-3は、「コミュニケーション」、「粗大運動」、「微細運動」、「問題解決」、「個人・社会」の5つの領域の神経発達の状況を点数化して評価しています。

◎どんな結果だったのか?
「コミュニケーション」、「粗大運動」、「個人・社会」の領域では、妊娠中の魚の摂取量との関連は認められませんでした。

一方、「微細運動」と「問題解決」の領域では、魚を多く食べたグループで発達が遅めになる子が少ないということがわかりました。

因みに、魚の食べる量は、やや多いグループの平均は1日に43.5g、多いでは69.1gでした。魚の切り身は40-100g程度とすると、毎日、もしくは、2日に1回という頻度になります。

このことから妊娠中の魚の摂取は子どもの神経発達のいくつかの領域の発達の遅れを抑えることに関係していること、また、それはオメガ3脂肪酸が関与ていることが示唆されました。

◎魚の摂取量と妊娠率の関係も
魚をよく食べることが不妊治療の治療成績によい影響を及ぼすという研究報告もいくつもなされています。

たとえば、魚を週に3回食べる女性は2週間に1回しか食べない女性に比べて、体外受精で出産まで至る確率が40%も高いという研究報告があります。

また、不妊治療を受けていないカップルでも、魚を食べる頻度が周期あたり8回以上食べたカップルは1回以下だったカップルに比べて性交の頻度が22%多く、妊娠率も61%高かったという報告もなされています。

このように妊娠中だけでなく、妊娠前から魚をたくさん食べることがよいようです。

◎魚の種類には注意
魚は妊娠、出産に限らず、健康全般によいことは間違いありませんが、水銀を含んでいることも知られています。

水銀は胎児の発育にマイナスの影響を及ぼす可能性があることも知られています。

つまり、魚には、皮肉なことに、胎児の発育にプラスになるオメガ3脂肪酸とマイナスになる水銀が、含まれているというわけです。

そのため、含まれる水銀の量で魚の種類を選択することが大切です。

因みに、大きな魚は小さな魚よりも、食物連鎖によって多くの水銀を含んでいることがわかっています。

そのため、特に、妊娠中は大きな魚は極力避けるのが無難です。

厚労省によりますと、水銀を気にせずに食べてよいのは、キハダ、サケ、イワシ、ブリ、ビンナガ、アジ、サンマ、カツオ、メジマグロ、サバ、タイです。

◎魚食は健康的な食生活の鍵
私たちは、2016年に名古屋と東京で開催された、妊娠を希望するカップルを対象としたイベントにて、食習慣や睡眠習慣、体格についてのアンケート調査を実施し、284名から回答をいただきました。

その結果から、魚をあまり食べない女性は、朝食や大豆を食べる習慣がない人が多いことがわかりました。

反対に、魚を多く食べる女性は、食事全体のバランスがよいことが多く、魚を食べることが健康的な食生活の鍵になっていました。

今回の研究結果も単なる魚の食べる量の多き少ないだけでなく、魚を多く食べる女性は食事全体のバランスもよい人が多いことも、お子さんの発達の遅れが少ないことに寄与している可能性があるのではないかと考えられます。

◎新しい命の発育に必要な栄養素は100%母親の食事
受精からはじまる新しい命の発育に必要とされる栄養素は、100%、母親が食べたものから提供されます。

つまり、受精卵から胚、胎児、そして、出生児の成育は母親の食事内容に大きな影響を受けるということに他なりません。

その中でも必須栄養素は、体内でつくることが出来ないため食事から取り入れるしかありません。

今回のオメガ3脂肪酸は必須脂肪酸で、その中のEPAやDHAは、ほとんど、魚を食べることでしか摂取できません。

魚食はとても大切な理由です。

今回の研究は日本人の妊娠中の女性を対象にしたものでとても参考になります。

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編集後記____________________________________________________________

季節は確実に変化し、春が近づいてきました。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]             VOL.925
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
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