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VOL.935 40歳以上の女性では精子DNA損傷のマイナスの影響を受けやすくなる

2021年05月23日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.935            2021/5/23
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:40歳以上の女性では精子DNA損傷のマイナスの影響を受けやすくなる
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

  サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2021年5月21日 曇り時々雨、のち晴れますように
不安な気持ちを横から縦にしてみましょう
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20210521.html
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最新ニュース解説 May.2021___________________________________________

  40歳以上の女性では精子DNA損傷のマイナスの影響を受けやすくなる
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40歳以上の女性の体外受精や顕微授精では、精子のDNAの損傷のマイナスの影響を受けやすいことがブラジルで実施された研究で明らかになりました。

このことは、女性が20代、30代であれば精子DNAの損傷は、卵子に備わった精子DNA損傷の修復機構が働き、治療成績への影響は受けないけれども、40代になると卵子の修復能力が低下し、マイナスの影響を受けやすくなることを物語っています。

◎どんな研究だったのか?
ICSI治療を受けた540組のカップルの治療周期を、まずは、女性の年齢で3つのグループ(36歳以下・37-40歳・40歳以上)に分けました。

そして、それぞれのグループの治療周期の成績を治療に使われた精液の精子DNA断片化指数(DFI)が30%以上と30%未満で後ろ向きに比較しました。

DFIというのは、精液中の精子が損傷を受けた精子の割合のことで、DFIが高いと質の低い精子が多く、DFIが低いと質の低い精子が少ないことをあらわしています。

◎どんな結果だったのか?
女性の年齢が36歳未満でも、36-40歳でも、DFIが30%以上と30%未満の治療成績に差はありませんでした。

ところが、40歳以上のグループでは、DFIが30%以上では30%未満に比べて、良好な初期胚の割合や胚盤胞到達率、良好胚盤胞率、着床率、妊娠率もいずれも有意に低く、流産率は有意に高かったことがわかりました。

精子の質は悪い、すなわち、精子のDNAの損傷率が高いことが、女性が40歳未満であれば治療成績に影響はみられませんでしたが、40歳以上になるとマイナスの影響を受けていたというわけです。

◎精子の質とは?
精子の質は精子のDNAの健全性です。

これまでの男性の不妊検査と言えば、唯一、精液検査のみで、精液中の精子の数や運動性、精子の形態などがわかります。

もちろん、この結果は治療方針を検討する上で重要ですが、精子の質までは把握出来ません。

そもそも、精子の数や運動性は、自然妊娠や人工授精で、卵子までの到達する力を反映しますが、妊娠は卵子と精子が出会ってからが「本番」なわけです。

精子が卵子に出会ってから受精が成立し、その後、胚が正常に発育するかどうかが鍵になるわけで、それは卵子と精子の質にかかっているということです。

その為、体外受精、特に、顕微授精になると、もはや、精子の「数」や「元気さ」ではなく、「質」が求められるわけです。

◎高齢女性では良好な精子が必要
卵子には精子のDNAの損傷を修復する機構が備わっています。その機構が正常に機能している限り、精子DNAの損傷の影響は軽微です。

ところが、卵子の修復機構も女性の年齢とともに低下することが避けられません。

その為、30代後半以降では精子の質が妊娠の成立や継続に重要な要件になります。

◎精子の質を維持し、低下させないために
精子は毎日つくられていることから卵子に比べて、質の改善や維持が期待できます。
具体的には、禁欲期間を長くしない、2、3日に1回は射精し、精液中に新しい精子の割合を多く維持すること、禁煙すること、バランスのよい食生活、ストレスマネジメント、そして、抗酸化サプリメントを摂取することです。

男性の年齢が高くなればなるほど、精子の質も低下しやすくなることが知られています。

カップルの年齢が高くなるほど男性の取り組みが大切になってきます。

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・BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________

卵子に比べて精子の質の低下は改善のしようがあるということは、生理学的に言えば、妊活の主役は男性なのですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.935
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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