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VOL.943 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針

2021年07月18日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.943            2021/7/18
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今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
・当社製品&サービス
・編集後記



最新ニュース解説 Jul.2021___________________________________________

 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
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厚生労働省は、「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを〜」を公開しました。

これは、2006年に策定された「妊産婦のための食生活指針」を、現代の女性の現状にあわせてリニューアルしたものです。

妊娠期及び授乳期は、母親の健康と胎児の健全な発育にとって、とても、とても大切な時期であることは間違いありません。

そして、それはこの時期に、妊婦が「なにをどう食べるか」が深く、深く、関わっていることから、その指針が示されていたわけです。

今回のリニューアル版のタイトルには、改訂前のそれに「妊娠前からはじめる」がつけられました。

このことには、どんな意味があるのでしょうか?

それは、妊娠してからの母体の健康や胎児の正常な発育は、妊娠してからではなく、妊娠前の食生活が関与していることが、近年の研究で明らかになってきたということ、つまり、望ましい食生活の実践は「妊娠してからでは遅い」ということになります。

このことは、至極、当たり前なことで、望ましい食生活を実施したからといって、翌日から望ましい体内の栄養状態になるわけではない、つまり、ある程度、タイムラグがあるということです。

個人差等があって、一概には言えませんが、栄養素によっては、何ヶ月もかかることもあるようです。

そのため、妊産婦の食生活指針は、妊娠の何ヶ月も前から実践することが必須なわけです。

ただし、いつ、妊娠に至るのかわかりません。

ですから、望ましい食生活の指針の実践は、妊娠を意識した時点で、すぐに始めるべき、ということになります。

もう1つ、強調しておきたいこととして、「妊産婦のための食生活指針」とは、すなわち、「妊活カップルのための食生活指針」であるということです。

つまり、胎児が正常に発育するためにふさわしい栄養環境とは、卵子や精子、受精卵、胚が正常に発育するためにふさわしい栄養環境と、完全にイコールであるということです。

妊活食なる言葉がありますが、どんな食生活が妊活食なのか、なんらかの根拠やガイドラインではなく、専門家の意見や個人の経験に基づいたものであることが多いようです。

改訂前の「妊産婦のための食生活指針」から15年たって、その間に、栄養と生殖機能や不妊治療の成績との関連、妊娠前の食生活と妊娠後の母子の健康状態や出生児の心身の健康との関連について、多くの研究データが蓄積されました。

そして、その一方で、生活習慣や食生活が変化し続けています。

あらゆる研究は、何年か前の被験者の食生活をもとにしています。

変化の早い時代になればなるほど、昔から変わらないものに加えて、最新の研究動向をチェックして、自身にふさわしい食を考えていくことが大切です。

それでは、「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを〜」をご紹介します。

◎妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針

食べ方については、バランスよく食べることに尽きます。そのための4項目と葉酸について示されています。


・「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
炭水化物の供給源であるごはんやパン、めん類などを主材料とする料理を主食といいます。妊娠中、授乳中には必要なエネ ルギーも増加するため、炭水化物の豊富な主食をしっかり摂りましょう。


・不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと
各種ビタミン、ミネラルおよび食物繊維の供給源となる野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とす る料理を副菜といいます。妊娠前から、野菜をたっぷり使った副菜でビタミン・ミネラルを摂る習慣を身につけましょう。

・「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に
たんぱく質は、からだの構成に必要な栄養素です。主要なたんぱく質の供給源の肉、魚、卵、大豆および大豆製品などを主 材料とする料理を主菜といいます。多様な主菜を組み合わせて、たんぱく質を十分に摂取するようにしましょう。

・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に
日本人女性のカルシウム摂取量は不足しがちであるため、妊娠前から乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで カルシウムを摂るよう心がけましょう。

※葉酸について
妊娠前から妊娠初期にかけて、葉酸というビタミンをしっかりとることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防につ ながります。神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管ができる時(受胎後およそ28日)に起こる先天異常で、無脳症・ 二分脊椎・髄膜瘤などがあります。妊娠を知るのは神経管ができる時期よりも遅いため、妊娠を希望する女性は緑 黄色野菜を積極的に摂取し、サプリメントも上手に活用しながら、しっかり葉酸を摂取しましょう。

食事の量やバランスは以下のPDFの「食事バランスガイド」を参考にしましょう。

https://www.mhlw.go.jp/content/000788598.pdf

妊活食と言えば、特定の食品や栄養素について語られることが多いようですが、その前に「バランスよく食べる」ことを実践しなければ、片手落ちになってしまいます。

サプリメントを活用する場合でも、バランスよく食べることを同時に実践しなければ、その効果も十分に得ることが叶わなくなってしまいます。

バランスが全て、です。

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・BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________

「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」は妊活のバンブルと言っても過言ではないと思います。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.943
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