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妊娠しやすいカラダづくり No.1001 2022/8/28
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今週の内容__________________________________________________________
・最新ニュース解説:運動は活性酸素を増やすにもかかわらず治療成績によい影響を及ぼす
・お知らせ:保険適用後の不妊治療に関するアンケート2022
・当社製品&サービス
・編集後記
最新ニュース解説 Aug.2022 _________________________________________
運動は活性酸素を増やすにもかかわらず治療成績によい影響を及ぼす
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体外受精治療前の運動は、活性酸素が増えるにもかかわらず、治療成績に良好な影響を与える可能性があることが、ハンガリーの研究で明らかになりました(1)。
運動は、健康に良好な影響を及ぼすことは明らかです。
運動時はエネルギー産生器官であるミトコンドリアでの活性酸素発生量が増加し、それに反応した体内に備わった抗酸化システムが活性化することで身体の防御能が向上することが運動のメリットの1つだと考えられています。
体外受精を受けている女性にもそのことが当てはまるのかが確かめられた研究です。
◎どんな研究だったのか?
体外受精や顕微授精に臨む26名の女性患者(平均年齢:34.6歳、BMI:25.3、不妊期間:51ヶ月)を対象に治療前の身体活動レベルをWHOが開発した質問票(仕事の身体活動、移動の身体活動、余暇時間の身体活動の3つの領域)とアクチグラフという身体に装着する身体活動計を使用し、測定しました。
また、活性酸素の発生量は唾液中の8-OHdG(酸化ストレスマーカー)を測定しました。
そして、身体活動とその後の治療成績との関係を調べました。
◎どんな結果だったのか?
まず、採卵できた成熟卵や良好胚の数、判定日のhCG値は、治療前の身体活動量と有意な正の相関関係にありました。すなわち、治療前によく身体を動かした女性ほど採卵できた成熟卵の数や良好胚の数が多く、判定日のhCG値が高かったというのです。
次に、予想外なことに、活性酸素発生量と判定日のhCG値や妊娠率(hCG値で判定)が有意な正の相関関係を示しました。
活性酸素の発生量が多いほど妊娠率が高かったとのこと。
このように治療前の身体活動は活性酸素を増やすにもかかわらず、生殖機能に良好な影響を及ぼすことが示唆されました。
◎活性酸素は多過ぎても、少な過ぎてもよくない
空気は約80%が窒素で、約20%の酸素です。私たちはこの酸素を体内でエネルギーをつくるために利用し、生きています。それだけでなく、酸素は活性酸素に変化し、細胞間のkミュニケーションを担ったり、免疫機能として働いています。
ところが、その一方で、過剰になると、細胞を傷害することで老化を促進し、いろいろな病気にかかるリスクを高めることになります。
生殖機能も例外ではなく、卵巣や精巣、卵子や精子が活性酸素にさらされると質が低下し、機能が損なわれます。
そのため体内には、活性酸素の傷害から生体を守る抗酸化防御機構が備わっています。
活性酸素は悪者というイメージが強いかもしれませんが、重要な役割も担っているのです。
そのため、活性酸素は多過ぎても、少な過ぎても、よくないということになります。
要するに、活性酸素の発生量と抗酸化機構のパワーバランスがとれている状態が健康や若さを維持することになるわけです。
◎活性酸素発生量と抗酸化機構のバランスをとるために
活性酸素は多過ぎても、少な過ぎてもよくない、すなわち、バランスがとれていることがポイントになるのですが、それでは、どのようにバランスをとればよいのでしょうか?
まず、過剰に活性酸素を増やしてしまうことは避けること。
たとえば、当然というか、当たり前なことですが、喫煙、大量の飲酒、過度のストレス、偏食などは出来るだけ避けて、過剰な活性酸素を発生させないようにします。
次に、体内の抗酸化機構を働かせること。
私たちの体内に備わっている抗酸化防御機構には、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素があります。それらに加えて、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド類、カテキン類、植物性ポリフェノール類などの抗酸化物質もあります。
ここが身体の働きの巧妙なところなのですが、活性酸素の発生量が増えると、それに反応し、体内の抗酸化機構が活性化すると考えられています。
この身体の相互作用による働きが極めて重要です。
なぜなら、活性酸素は多過ぎるだけでなく、すくな過ぎてもよくないので、調節機能が必要だからです。
そういう観点から言えば、活性酸素が常に過剰にならない状態は、防御機能を弱体化するおそれがあるということになります。
そこに、「運動」のメリットの1つがあるように思えてなりません。
運動で常に活性酸素を、ある程度増やすことは防御機能の正常化に繋がるようになるからです。
常時、有害な菌に触れることで免疫機能が正常化するのと同じメカニズムです。
適度な強度の運動習慣で発生し、増加する活性酸素で防御機構を常に働かせておくことが重要です。
今回の研究で活性酸素の発生量が高いほど培養成績や治療成績がよかったのは、そんなメカニズムが働いていたとしか考えられません。
もちろん、不健康な生活習慣で活性酸素の過剰な発生が避けるべきですが、ある程度の活性酸素が、間接的に若さや健康を維持するのに寄与することは多くの研究で確かめられています。
文献)
1)Antioxidants 2022; 11: 1586.
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お知らせ____________________________________________________________
保険適用後の不妊治療に関するアンケート2022
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不妊・不育で悩む人をサポートする自助団体「NPO法人Fine」からのお知らせで、『保険適用後の不妊治療に関するアンケート2022」のご協力のお願いです。
保険適用前と後ではどのように変わったか、生の声をお聞かせてください。
◎保険適用後の不妊治療に関するアンケート2022
https://questant.jp/q/HBBYBCX7
保険適用後の不妊治療の現状や必要と思われるサポート、その他ご自身の率直なお気持ちなどをお聞かせください。もちろん男性からのご回答もお待ちしております。
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【アンケート対象者】
不妊治療を受けているすべての方(これから受ける方も含む)
【期間】
9月30日(金)まで
アンケート所要時間は10分程度です。
◆「保険適用後の不妊治療に関するアンケート2022」
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・BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
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編集後記____________________________________________________________
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.1001
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